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素晴らしい変貌を遂げた上村愛子(後編)

前編からの続きぃぃぃぃ〜〜〜(笑)

トリノオリンピック前後の当時の日本代表テクニカル・コーチの
ドミニク・ゴーチェ氏は、女子選手でも比較的マスターしやすく、
飛んで着地した時にスタートと同じ姿勢に戻れて、すぐさま
【ターン】を開始できる

【バックフリップ(後ろへ1回転する)】

を上村選手に薦める・・しかし最初に書いたように、上村選手は
自他共に認める【小心者】・・。

【後ろに倒れる感覚が、一瞬コースが見えなくなるのが怖い】

という事で、それを頑なに拒み、トリノオリンピックで見せた、
ドリルのように回転し、視線は常にコースから外れない

【コークスクリュー720(ドリルのように3回転する)】

に挑戦する事になる・・。
しかし、着地が斜めになるため難しいこの技、【ターン】の
練習量を減らしてマスターする事になってしまったそうだ。
日本代表の【3Dエア技】への取り組みの遅れ、採点方法の
あやふやさ、エアの過渡期、小心者のマイナス面が重なり、
持ち前の【ターン】の練習量までもが減る形になった・・
という悪循環・・。

しかし、今年はトリノオリンピックの大舞台でさえも
避けてきた【バックフリップ】を、完璧に決めてきた。
しかも、

【アイアンクロス・バックフリップ(後ろへ1回転しながら
 スキー板を十字にクロスさせる)】

ファイル 1275-1.jpg

というご覧の通り、決まると素晴らしく美しいダイナミックなエア!
となって進化してきた!さらに、採点においても

【モーグルの原点とはなんぞや?】

という事を考えた時に、ダイナミックな【エア】よりも、きれいな
【ターン】だったではないか!という原点に戻り、【エア重視】
から【ターン重視】の姿勢に明確に変わり、【ターン】の採点基準
も、より厳格化されだけでなく、その明確化の証拠に、今年から、
第1エア台と第2エア台の間の【ミドルセクション】が長くなった。
そう・・【ターン】を重視するためだ。

やはりスポーツとは不思議だ・・うまくいき始めると、なぜか
風がその方向に吹いてゆく・・。

トリノオリンピックの時は悪循環だったものが、今年は、採点方法
が【ターン重視】、テクニカル・コーチのヤンネ・ラハテラ氏が
来た事によりメンタル面を強化し【小心者】を克服、メンタル面が
克服できるとあれだけ拒否していた【バックフリップ】ができる
ようになり、ヤンネ・ラハテラ氏直伝【高速ターン】により
スピードアップするというように、まるで上村選手が優勝するため
の風が吹いているかのよう・・。
これは今後の上村選手を観るにあたって非常に安心できる・・。
あとはケガだけだね・・心配なのは・・(^-^;
その懸念のひとつに、

ファイル 1275-2.jpg

ご覧のように、実は上村選手はご覧の通り、目を覆う程の
60度位に【くの字】に曲がった【重度の外反母趾】である・・。
それはそれは痛々しい・・(T_T)
この【外反母趾】・・固いプスチックのシェルの中に足を
入れっぱなしのモーグラーというかスキーヤーにとっては、
職業病みたいなものらしい・・。
その他、長野金メダルの里谷選手なんかは膝にボルトが入っているし・・。
スキーに限らず、トップアスリートは裏ではケガとの闘いだ・・。
上村選手の現在は、スキー靴とインナーによって外反母趾の影響は
最小限に克服されていると聞く・・。
4度目のオリンピックとなる1年を切った2010年バンクーバー
オリンピックまで、どうかケガなくがんばって欲しい・・。
上村選手、優勝おめでとう!(^^*)