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「パーソナル・イズ・ポリティカル」が加速するかも

高校野球と暴力・・世間がこうした事に
過敏になっている時代に、高校野球は
自分の時代と全然変わっていない事に
少し驚く・・。
と、そうは言うものの、人間関係に
強い者と弱い者の構図が出来上がる以上、

「いじめはこの世からなくならない」

とも思っている・・。

そんな中、2025年1月、広陵高校野球部で
起きた暴力事件・・更に先輩が後輩に男性局部
を舐めさせるという性的屈辱行為まで・・
という耳を疑う内容だったにも関わらず、
当初ほとんど大きな報道にはならなかった。

もちろん未成年の問題だから報道も抑えめに
なるのは分かる。
しかし、上級生4人による下級生への暴行で、
被害者は転校を余儀なくされ、医師の診断書
もある深刻な事案だったにも関わらず、
学校と県高野連は3月に

「1か月公式戦出場停止」&「厳重注意」

で幕引きを図った。
この時点では甲子園出場に影響なく、世間
から見れば、ひっそり処理された印象だった。

ところが7月、被害者保護者と思われる人物が
SNSで詳細を告発。
学校発表よりもはるかに重く陰湿な内容だった。
その投稿は甲子園出場決定と同時に急拡散し、
隠蔽疑惑が浮上。

世論は

「処分済みだから出場を認めるべき」

という擁護派と、

「暴力・性加害は重大で、被害者を軽視している」

という反対派に二分された。
大会が始まると、SNSでは別の被害者保護者
が実名で責任を持って登場したのと、生徒名
も書かれた事で加害選手の個人情報が晒され、
誹謗中傷が加速した。

高野連は

「暴力・性加害が発覚した場合の明確な出場規定がない」

として出場を容認したが、8月10日、学校が
自主的に辞退を表明・・。
世間の圧力、異様な大会ムード、そして被害者
保護の欠如への批判が背景にあったとみられる。
初期対応の不透明さ、処分基準の曖昧さ、
閉鎖的な高校野球界の体質、SNS時代の
情報拡散の速さ・・そこに過去の被害者達の
恨み辛みの書き込みも加わり、問題は
制御不能に拡大した。

ただ調べると、被害者保護者も本来SNSで
告発したかった訳ではなく、警察にも相談して
いたようだ。
だが警察は学校と調整し、

「甲子園もあるので、その後に事情聴取」

という対応だったようで、その結果

「加害者に甲子園の夢が叶うのは許せない」

という思いがSNSでの告発に繋がったようだ。

自分の時代も、この事件に比べれば軽い内容
だが、告発せざるを得ない事があった。
告発の末、処罰を受けた先輩達が何と言ったか?

「ちょっとリフレッシュ休暇になったぜ」

と笑っていた。
そう、最初から分かっていたが、根本は何も
変わらず反省もない・・下級生側はただ恨みを
買っただけだった。

上級生に「下級生は学校への告発では勝てない」
と悟らされた瞬間でもあった。
結局、学校としては上級生も下級生も
対等な立場からの「落とし所」で問題解決
が図られるのが民主主義だと考えるなら、
学校対応は仕方がないだろう。
だから無力なのは分かっている下級生は
耐えるしかなく、自分が上級生になった
時に恨みを晴らす・・そんな構図が続くのだ。

では、これを「いじめ」と捉え、

「いじめに勝つにはどうすればよいのか」

を考えるなら、二つしかないと思う。
ひとつは、いじめる側を上回る強大な力で
封じ込める事。
もうひとつは、いじめられる側が徹底的に
逃げる事。
今回は、その「強大な力」が自分の時代には
無かったSNSだったのだろう。
SNSの大きなうねりが問題提起となり、
高野連や学校が変わる契機になるとする
ならば、まさに

「パーソナル・イズ・ポリティカル」

がどんどん当たり前になり、実現しつつ
あるのかもしれない。
良くも悪くも・・。