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衰退のコントロール

新年早々、能登半島北端の輪島市、珠洲市
周辺を襲った巨大地震から1ヵ月が過ぎた。
被災地の現状は報道に委ねるとして
急を要するのは「衰退のコントロール」だ。
個人的には、今回の結果によっては、今後の
被災地へのアプローチが良い方向に向かう
かもしれないと考えている。

輪島市や珠洲市は、地震前でも毎年の様に
人口が減少している過疎地だと言われている。
震災が発生した今、そして日本全体の人口も
少子化の影響で今後8000万人まで減少する
見込みであることを考えると、過疎地では
減少現象がさらに加速するだろう。
しかしこれは、日本が国民に居住地を自由
に選択できる

「居住の自由」

を持っている結果でもある。
その結果、過疎地の事業者が倒産し、
雇用機会がなくなると、労働者は都市部に
移動し、過疎地では年金や生活保護に頼る
高齢者や世帯が増加→生産性の無い高齢者
の為に多額の公費を注ぎ込む可能性が
出てくる・・。

元新潟県知事であり、立憲民主党の
米山隆一氏がX(Twitter)での投稿で
問題提起したように

「非常に言いづらいことですが、今回の
 復興では、人口が減少し、地震前から
 維持が困難になっていた集落では、
 復興ではなく移住を選択することを
 組織的に行うべきだと思います。
 地震は今後も発生します。現在の日本の
 人口動態では、その全てを復興すること
 はできません。現実を見据えた対応をと
 思います」

と述べている。
繰り返しになるが、維持が困難という事は
生産性が低く、持続可能性が絶望的な地域
や集落であり、そこに公費を投入して復興
させる必要があるのか?
個々に建て直しなどを始めてしまう前に
大胆な政治決定が必要だと思う。
先にも書いた様に国民の選択の結果、都市部
と過疎地が形成されるのは避けられない事だ。
そして、災害は誰の責任でもなく、地域住民
の責任でもない。公費と言っても、基本的な
事は自分たちで行わなければならない。
冷酷な言い方だが、地域全体の被災者を
永遠に公費で助け続けることはできない・・。

実際、今回の家屋の再建可能な人は限られて
しまう・・仮に今の自分が同じ状況下なら、
家を再建する資金力はない・・。
そこを考えると、輪島市や珠洲市は、高齢者
を支援するための場所として、故郷を捨てて
移住し、高齢者のニーズに合った施設や
サービスを提供するコンパクトシティを
作る事を勇気を持って検討すべきだろう・・。
その上で希望なら地域コミュニティで移動
できる街を公的に提供し、公費を助成して
住みやすくするなら、そちらでの余生を
過ごす方が助かる・・。

今や水道などに必要な鉄管や電気に必要な
銅線の確保は市場的にもかなり難しいと
関係のお客様などから耳にする。
現在、隆起していない土地や地割れや液状化
が発生していない地域に施工するなら、
最小限の材料と工事で済み、一気に建設する
事ができるため、復興が数段早いはずです。

ただし、裏金問題でボロボロの現政権が

「故郷を捨てて移住してください」

という政治決断をする力を持っているか
どうか?には懸念があり、結果、出来ても
出来なくても不安しかない・・(^-^;