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これが【危険運転致死罪】でないとは・・【後編】

【前編】からの続きぃぃぃ~

【前編】で書いたように、これほどまでに悪質な運転状況で
ありながら検察は【危険運転致死罪】で起訴できなかったのか?
先日の報道ステーションで谷原誠弁護士が特に重大で危険な
下記の5構成要件に当てはまらなければ【危険運転致死罪】は
一切適用されない・・と説明する・・。

1)アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な
  状態であった。
2)コントロールできないほどのスピードを出していた。
3)運転する技能を持っていなかった。
4)通行を妨害する目的で、直前の割り込みや、著しい
  あおり運転などをし、かつ重大な危険を生じさせる
  スピードを出していた。
5)赤信号を殊更に無視し、かつ重大な危険を生じさせる
  スピードを出していた。
(報道ステーションより)

原誠弁護士と、色々と個人的に調べてみた結果、(1)の
【アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な
状態であった】というのは、事故を起こしたマルコスも
認めており、【テキーラをショットで6杯、生ビール3杯】
を飲んでいたが、事故後に検出した呼気のアルコール濃度
が少なく【酒気帯び運転】だったという事と、【正常な
運転が困難な状態であった】のか?と問われた場合、
ハンドルやブレーキの操作が困難であるというような
【酩酊状態】であったか?という事であって、今回のように
逃走経路で曲がり角を何度も曲がり、ぶっつかっている訳
ではない、ろれつが回っていない訳でもないという事で、
【酩酊状態】という程の状態ではなかったという事、また、
今回、ひき逃げの前に、飲酒運転をして停車中の車に衝突し、
恐らく、目立たないようにという事と、ナンバーなどを隠すため
にヘッドライトを消している・・ところが、これが逆にヘッドライト
を消したという事は【酩酊状態ではなかった】という裏付け
にもなってしまう
そうで、総合的にみて(1)には
該当しない事になってしまうのだそうだ・・(-_-;)

では、(2)の【コントロールできないほどのスピードを
出していた】という点・・。
これは、(1)同様、逆に今回のように、何回も曲がり、
きちんと【長い距離を運転できている】ため、コントロール
できないほどのスピードではなかった
・・という事になって
しまう・・。

では、(3)の【運転する技能を持っていなかった】と
いう点は、母国でも無免許、日本においても無免許
なのだから、適用されると思いきや、この要件に
おいては、なんと、免許の取得の有無は関係なく、

【運転の仕方を全く知らないような場合】

の適用であり、これまた今回のようにきちんと【長い
距離を運転できている】場合には適用できない
のだ
そうだ・・(-_-;)

では、(4)の【通行を妨害する目的で、直前の
割り込みや、著しいあおり運転などをし、かつ重大な
危険を生じさせるスピードを出していた】という点も、
スピードを出していただけではダメで、妨害や割り込み、
あおりをやっていた上で、危険を生じるスピードを
出していなければいけなく、今回はそうした運転は
していないので該当しない
のだそうだ・・(-_-;)
またそういう運転をしていたとしても、監視カメラなど
で、そういう運転をしていたという実証をするか、
目撃情報を入手しないといけない
らしい・・。

最後の(5)の【赤信号を殊更に無視し、かつ重大な
危険を生じさせるスピードを出していた】という点は、
スピードに関しては、前出の理由が適用、では【赤信号】
は?というと、今回は事件の中において【赤信号】自体
が存在しないそうで、【赤信号の無視】という要件自体
が成立しないのだそうで、仮に赤信号があった場合
でも【うっかり見落とした】と言ったら、もう要件は
成立しない
のだそうだ・・。

では、【無灯火】という危険行為は、どこかに当て
はまらないのか?という点も、この法律のできた
時点で、特に危険な行為というのが【赤信号無視】
という事だけであって、その他は想定していない
のだそうだ・・。

じゃ、【ひき逃げ】という点は?というと、それは事故
を起こした後の事後問題であって【危険運転致死傷罪】
というのは事故を起こす時に危険な行為をしたか?と
いう事であって、事前と事後という事で時間軸が違う
ので、それも要件に当てはまらない
のだそうだ・・(-_-;)

という事で、全ての構成要件において、なんとひとつも
該当しないという結果
になるのだ・・。
こんな馬鹿げた事があっていいのか?と思うが、今の法
では仕方の無い事なのだそうだ・・。
それでも、1999年の東名高速道路で飲酒運転のトラック
に追突され炎上、幼い2人の娘を奪われたという事故の
お陰で【危険運転致死傷罪】が新設された・・。

今できる事は無念でも、法にあらゆる解釈を即座に入れ、
少なくとも、飲酒をしていたという事は、どんな少量の
呼気アルコール濃度であっても、

【正常な運転ではない】

というポジションを、まずは確定する事が先決で、さらに、
逮捕された時の呼気アルコール検査が証拠適用ではなく、
アルコールというのは、どの位の時間でこれだけの物が
消えてゆく・・というベースとなる逆算の時間などを
平均値などで数値決定し、それに基づき、事故を起こした
当人の証言やアルコールを出した店、友人などの証言、
目撃者などを調査し、それら全ての状況下でアルコールを
摂取していた推定時間を割り出し、飲んでからの時間を
先のデータで逆算し、運転時の推定呼気アルコール数値を
割り出し、そちらを証拠として適用し、例えば、ある一定
以上の呼気アルコール数値が出た場合は、例えしっかり
していても【酩酊状態】とする
・・位の強い姿勢で基準を
作る事を急がねばならない・・。

で、その上で、アルコールを摂取していなくとも、自殺の
ための飛び出しだとか、飛び降り、センターラインを乗り
越えて車が飛んで来た・・みたいな普通ではあり得ない
状況下での事故以外の運転者に全面的に責任があるような
事故を起こした時点で、【正常な運転ではない】という
解釈
まで確定して良いのではないか?と思う・・。

まして、今回のように【隠蔽しようとした】【逃げた】
なんていうのは言語道断で、

【殺意があったとみなす】

という厳しいレベルの位置づけでも良い位だ・・。

これに対してご遺族(両親)は、適用される罪名を
【危険運転致死罪】での裁判を求める署名活動を行い、
集まったおよそ2万8950人分もの署名を2月3日に、
名古屋地検に提出した・・。

先に書いた、1999年の東名高速道路で飲酒運転トラック
に追突され、幼い2人の娘を奪われたという事故も、
ご遺族である両親の署名活動が【危険運転致死罪】の
設置への大きなきっかけになったという・・。
これ以上の同じ絶望感に苛まれる人間が出てくる前に、
1日でも早く法改正が行われる事を切に望む・・。