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Winny(ウィニー)事件無罪確定

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ウィニー事件:開発、無罪確定へ 著作権侵害
「ソフトは中立」--最高裁
(毎日新聞 2011年12月21日)
 ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発・公開し、インターネット上で映画などの違法コピーを手助けしたとして、著作権法違反ほう助罪に問われた元東京大助手のプログラマー、金子勇被告(41)に対し、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は19日付で、検察の上告を棄却する決定を出した。裁判官5人のうち4人の多数意見。罰金150万円を言い渡した1審を破棄し、逆転無罪とした2審・大阪高裁判決(09年10月)が確定する。【石川淳一】
 ◇「元東大助手、ほう助の故意なし」
 ネット上のソフト提供行為に刑事罰を適用することに対し、開発者は「萎縮効果を生む」などと反論してきたが、今回の決定は捜査当局に一定の制限をかけたといえそうだ。
 金子被告は02年からウィニーを公開。入手した2人の男性=いずれも有罪確定=がゲームソフトなどを無許可で公開する著作権法違反行為を可能にしたとして、ほう助罪で起訴された。1審・京都地裁判決(06年12月)は「著作権侵害に利用されると認容して公開した」と有罪。2審は「被告は違法使用を勧めて提供はしていない」として無罪とした。
 小法廷は、ほう助の罪成立を限定的に解釈した2審判決について「法解釈を誤っている」と指摘。適法にも違法にも利用できるウィニーを中立価値のソフトだとした上で、「入手者のうち例外的といえない範囲の人が著作権侵害に使う可能性を認容して、提供した場合に限ってほう助に当たる」との初判断を示した。
 その上で、金子被告については、ウィニーが著作権侵害に利用される可能性が増えてきたことを認識しつつも、利用者の4割程度にまで拡大するとは認識していなかったとして、ほう助の故意はなかったと結論付けた。違法なファイルのやり取りをしないよう注意書きを付記していた点なども考慮した。
 大谷剛彦裁判官(裁判官出身)は「ほう助犯が成立する」との反対意見を述べた。
 ◇「悪用しないで」 金子さん記者会見
 金子さんは20日夜、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、「開発をちゅうちょする多くの技術者のため公判活動してきた。私の開発態度が正しく認められたことをありがたいと思う。ウィニーを悪用することのないよう改めてお願いする」と笑顔を見せた。
 現在も開発者の一人として、後進のプログラマーの指導に当たっているという。「(ウィニーが)悪用しかできないと勘違いされたが、悪用を考えて開発する人はいない」と強調した。会見に同席した弁護人は「事件はウィニーの技術や価値を検討せず、偏見で捜査を進めた」と批判した。一方、最高検の岩橋義明公判部長は「主張が認められなかったことは誠に遺憾」とのコメントを出した。
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ある人が車で人をはね殺した事件で、車を作った
メーカーに責任があった・・と裁かれる事はない、
ある人が包丁で人を意図的に刺して殺した事件で、
包丁を作った職人に責任があった・・と裁かれる
事はない・・。
こうした関係性がありながら、なぜかP2P(ネット
ワーク上で端末間を相互に直接接続し、データを
送受信する通信方式)で代表され、当時本当に
画期的で、現在のクラウド・コンピューティングの
まさに先駆だった

【Winny(ウィニー)】

というソフトウェアを作った元東京大助手の金子勇氏
をインターネット上で映画などの違法コピーを手助け
したとして、2004年に京都府警は、なんと一気に

【刑事事件】

とし、論じる事もせずに、愚かにもソフトウェアの
開発者を逮捕した・・。
本来は、先に書いたような部分を中心に、微妙な争点
を多く含むという世界で初めてのケースでありながら、
民事などで有識者と共に、世界的基準などと照らし
合わせ、わかりにくい著作権との兼ね合いも含め、
慎重に積み上げていかなければならなかったのに、
一気にしかも愚かな【刑事事件】で逮捕する・・。

その後、【著作権法違反ほう助罪】に金子氏は問われ、
逮捕からこんな当たり前の判決に7年もかかった・・(-_-;)
Winny弁護団が【失われた7年】という言葉を使ったが、
本当にとんでもない状況にした京都県警の罪は重い・・。

京都県警の逮捕がどれだけ愚かでとんでもない事を
しでかしたのか?この7年を振り返って観ればわかる。
この7年の間に、当の金子勇氏は東大助手を解雇され、
人生が変わった(でもまあ、この方は相当優秀なので、
今現在の姿をみれば東大との決別の方が正しかった
のかもしれませんが・・(^-^;)だけでなく、多くの
ソフトウェア開発者が、

【ユーザーの使われ方によっては開発した自分が
 罪に問われる】

という事になってしまったので、大なり小なり躊躇し、
日本からP2Pソフトウェアは姿を消した・・(-_-;)

その後は、周知の通りだ・・。
この日本の【P2P】の技術・・例えば海外で、有名な
ところでは【Skype】などは、まさに日本の【P2P】の
技術によって低価格の電話を実現・・AppleのiPodで
一気に知れ渡った【mp3】に代表されるダウンロードに
よる【音楽配信システム】も、海外勢にほとんど持って
いかれ、日本の検索エンジンも消え、日本が停滞したのを
横目に、検索エンジンや動画サイトなども、中国、韓国
に追い抜かれほとんどを海外に持っていかれた・・。

もう、今回のように、刑事罰で無茶する事は、新規参入
を大きく阻害する・・大きく阻害する事はわかったの
だから、古くさい【著作権】を考え直す事を、早急に
政府はやらないといけない・・。
そうしなければ、日本はこの分野で世界からどんどんと
置いていかれるだけである・・(-_-;)