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ひとつひとつにストーリーがあり努力がある

10月8日・・スウェーデンから、またまたうれしい知らせが届いた。
2008年の【ノーベル化学賞】を日本人の下村脩氏が受賞した。
しかも、この【化学賞】も下村氏の理論が元となって、それを
進化させた2人が、一緒に受賞という【物理学賞】と同じ展開。
【物理学賞】でいう南部氏の立場が【化学賞】の下村氏だそうだ。

そもそものきっかけは、オワンクラゲ(発光クラゲ)を見て

【光というのは必ず熱が出るのに、この発光体は全然熱が出ない。
 なぜ熱が出ないのに光るのか?】

と思った所からだそうで、最初はこの理論がわかれば、電気が
いらなくなるかもしれない!みたいな発想だったらしい。
オワンクラゲが発光するのを見て、普通の素人は、

【きれいだなぁ〜】

と思うくらいで、下村氏のような事を考えない訳ですから、
やはりひらめき方が違うんでしょうな・・(^-^;(笑)

下村氏は、オワンクラゲの発光器官から紫外線を当てると緑色に輝く

【緑色蛍光タンパク質(GFP)<以後GFP>】

を発見、取り出す事に成功したのが、南部氏の1年後の1962年。
さらにすごいのが、遺伝子のタンパク質に組み込むと、その遺伝子が
別にタンパク質を作ると(細胞分裂すると)その【GFP】も一緒に
タンパク質を作るので、光った所にそのタンパク質があるんだな!
という事がわかるので、脳の神経細胞の発達や、ガン細胞の転移
みたいな広がる課程がわかるのだというのだからすごい・・。
今や、論文発表などは、みんな【GFP】を使っているとの事・・。
よって、【GFP】がなかったら、今の医学や生物学の発展は
無かったとまで言われている。

下村氏が自らとったクラゲは85万匹に登るだとか、家族が協力して
くれただとか微笑ましいエピソードを通してノーベル賞の方々を
少しずつでも知ると、今、身の回りの当たり前の事、ひとつひとつに
ストーリーがあって努力があって大勢の人の想いがあるんだと
改めて感謝する・・。

しかし、悲しいのは、日本人の研究が世界的評価を受けたのに、
南部氏も下村氏も全てアメリカがその研究する場を与えてくれたから・・
という日本の基礎研究に対する冷たさを同時に語っている・・。
アメリカは、独創性のある研究があれば、その意義を十分に認め、
地位や年齢に関係なく、正当に評価し、それに見合った処遇をする
という背景があるので、世界中から研究者が集まると言われている。
確かに、今回の事で日本も基礎研究に金を出そう!という動きには
なるかもしれないが、そのお金はやはり税金である・・。
何十年も先の、成功するかも知れないが、失敗するかもしれない事に
投資を許す人が何人いるのか?という具体的な事として考えてしまうと、
やはりなかなか難しい・・という結論になっちゃうんだろうなぁ・・。
それより景気対策をしろよ!みたいな・・(^-^; 
お金になる事がわかれば、投資してくれる人や企業はたくさんいる
んだろうけどね・・(笑)
で、個人的にどうしたら良いのか?は思いつかないが、なんとかして
欲しいな・・。

改めて、下村氏・・【ノーベル化学賞】の受賞を
おめでとうございます。m(._.)m