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店頭のサインポールが新しく!

我々、理容店の目印でもある、ドリルの
ように【赤・白・青】の3色が上に上がって
ゆきながらクルクル回るこの棒は
【サインポール】と呼ばれている・・。
ファイル 2609-2.jpg
大した事ではありませんが、先日、当店の
【サインポール】が新しくなりました!(^^*)
ファイル 2609-3.jpg
さすがに新品は明るいです!(笑)
こんな一見チャチなものでも、簡単に
20万近くもする・・(^-^;

せっかくなので、前にも書いた

【理髪店のサインポールは赤が動脈、青が静脈を表している】

って話だが、この【サインポール】・・
この呼び名は英語で、実は日本名もある。
その名も

【有平棒(あるへいぼう)】(笑)

まあ、その日本の呼び名はさておき、理容店
の【サインポール】は、外科医が理容師を
兼ねていた頃の名残で、ちまたでは

【青・赤・白はそれぞれ静脈・動脈・包帯を意味する】

と普通に言われているが、その頃の医学
では、血管に動脈・静脈の概念が無かった
ので、その話は間違っている。

正しくは、中世の頃、ヨーロッパで理髪師
は修道院などにいた。
髪を切ったりヒゲを剃るだけでなく、

【瀉血(しゃけつ)】

や色々な人々の要望に応じて、やけどや
骨折などの治療、抜歯などの外科的治療も
行なっていた

ちなみに【瀉血(しゃけつ)】とは、患者
の静脈から血を少しだけ抜き出す治療の
だ・・。

今でこそ【瀉血】はほとんど行われて
いないが、昔は健康維持や病気の治療の為
に、悪い血を抜かなくてはならない!と
信じられており【瀉血】が盛んに行われて
いたという・・。
でも、個人的な認識になるが、女性は生理
があり静脈の血液を使い、排出する・・。
男性はどうしてもそういう事がないので、
実際には【瀉血】というか、現代では
「献血」で外に血液を出すのは造血作用が
働き、良いと言われている・・。
だから【瀉血】も一概に「無謀」という訳
でなく、健康管理にはちょっと役立って
いたと思う・・。

と話がずれたが【瀉血】を行っている間、
患者は【ある棒】を握っていたそうだ。
腕から出た血は受け皿に落ちるように
なっていたが、やはり腕から【棒】へ
血が垂れる事も多く、この【棒】は最初
から真っ赤に塗られていた
という・・。

後に、この棒は【バーバーズ・ポール】
呼ばれるようになったと言われる
・・。
そして、【瀉血】が終われば、患者の出血
を止めるため包帯を巻いていた・・。
しかし、当時の包帯は非常に貴重な
もので、何度も洗って干し、再利用
していたそうだ・・。
その包帯を干すのに使われていたのが
この

【バーバーズ・ポール】

だった・・しかし、風などでそこに干した
包帯が巻き付いたりし、この巻きついた
包帯から、紅白の螺旋模様のポールが
理髪店の看板である【サインポール】と
なっていったと言われている・・。

そして、残る【青】の部分だが、これは
1745年のイギリスで、理髪師と外科医が
分離したのがきっかけと言われる・・。
その時に外科は紅・白の看板を、理髪師は
赤・青・白の看板を掲げるように決め
られたが当時は定着しなかったとされる説
と、血液を表す赤と包帯を表す白の2色に、
アメリカにおいて同国の国旗(星条旗)の
カントンの色である青が加えられたとも
言われている・・。

いずれにしても、どれが間違いとかいう事
ではなく、中世当時は理髪外科医と呼ばれ
ていた名残
である事は間違いない・・。

「安い」だとか、「早い」だとか、お金や
手を抜く事が、さも「当然の世論」かの
ごとく語られる業界になってしまったが、
こうした

【誇り】

は、この先、自分だけでも大切にして
ゆきたいと思う・・。