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イキガミと生活維持省

9月18日、人気コミック【イキガミ】に対して、作家・
星新一氏(97年没)の次女・星マリナ氏が、累計240万部
を売り上げている星氏の代表作【ボッコちゃん(新潮社文庫)】
に収録されている【生活維持省】が

【剽窃(ひょうせつ)ではないか?】

と発行元の小学館に抗議している。

【星新一公式サイト(https://www.hoshishinichi.com/)】
 で星マリナ氏が記した所(https://www.hoshishinichi.com/ikigami/index.html
 を読んで頂くとして、サイト上で両作品のあらすじを
 以下のように要約し、比較検討をしている。
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●生活維持省
舞台となる国には、国民の命をランダムに奪うことによって
人口を抑制し、それによって国民の生活水準を高め平和を
保つという法律がある。その法律を施行する生活維持省に
勤める、若くて独身の男性公務員が主人公である。彼は、
上司である課長から、その日の死亡予定者の情報が書かれた
カードを数枚受け取る。同僚と車に乗って死亡予定者の家へ
向かいチャイムを押すと、母親が玄関へ出てくる。公務員が、
その家の娘が国家によってランダムに選ばれた死亡予定者
であると告げると母親が動揺する。母親は、公務員の説明を
聞き、苦しみながらも娘の死を受け入れる。公務員は、
この家の娘を殺害しなければならない。

●イキガミ エピソード1
舞台となる国には、若い国民の命をランダムに奪うことに
よって国民に命の尊さを教え、それにより国家の繁栄を
保つという国家繁栄維持法という法律がある。その法律を
施行するのは、厚生保健省である。「イキガミ」の主要登場
人物は、区役所に勤める、若くて独身の男性公務員である。
彼は、上司である課長から、その月の死亡予定者の情報が
書かれたカードを数枚受け取る。車(タクシー)に乗って
死亡予定者の家へ向かいチャイムを押すと、母親が玄関へ
出てくる。公務員が、その家の息子が国家によってランダム
に選ばれた死亡予定者であると告げると母親が動揺する。
母親は、公務員の説明を聞き、苦しみながらも息子の死を
受け入れる。この家の息子は、公務員の告知24時間後に
事前に体内に埋め込まれたカプセルが破裂して死亡する。
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【生活維持省】に関しては、3ケ月限定で、こちらで読める。
https://www.shinichihoshi.com/ikigami/seikatsuijisho.html
【生活維持省】のNHKの【星新一ショートショート】で
やった映像に関しては、YouYubeのこちらで観られる。
https://jp.youtube.com/watch?v=v3j1l_3ku-s

まあ、個人的な結論から言って、盗作ではないかな・・。
現行の著作権は【アイデイア】(物語の設定など)は
保護されていない。
いわゆる、歌の詩や文章を勝手に引用したり、無断で
自分の言葉であるかのように書く事が盗作って感じですから、
似ているだけでは盗作では無い。
上記のあらすじの比較は、似ているように要約している感
もあるが、仮にその通りでも、盗作にはならない。
友人曰く、星新一氏だってアメリカの昔の作品に似ている
ものは、いくつかあるという・・。

ただ、漫画の制作は、漫画家は担当編集者などと、ネーム
やストーリー、コマ割り、作画まで共同作業である・・
という事は担当である小学館は、何名もの人間が関わっている。
その中で、累計240万部を売り上げている星氏の代表作を

【誰も原作を知らなかった】
【誰も最近になるまで読んだ事がない】
【みんなで話し合った結果、問題ないと判断】

というのは、ちょっとね・・(笑)
逆に小学館が星新一氏を出している出版社だったら、笑顔で
【イキガミ】を出している出版社に対して、何の心の
わだかまりもなく、

【全く問題ありませんよ!】

と言ってあげられるのか?という所に立たなくては
いけない・・まあ、実際の所、本当に拝借しちゃったのか?
偶然なのか?は、ぶっちゃけそれはもう本人しか分からない
問題・・今更、9月27日に映画公開にまでなっている以上、
認められないで突き通すだろうが、星マリナ氏側が

【判断は読者に委ねたい】

としているので、それで幕引きし、これを機に小学館が
先頭に立ち、他の出版社と共に話し合い、こういうマンガ
においての著作年問題のルールをまとめる方向に両者建設的
に考えてゆく契機にするくらいの気概をみせると良い気が
するけどね・・。
でも、映画上映前のこのタイミング・・ちょっと勘ぐっちゃ
のは自分だけ?(笑)