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理容店のサインポール

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昨日はクーラー復活!でも、すごしやすかった・・(^-^;
ひとまず、定休日明けに間に合って良かった!
昨日のトリビアの泉の「ガセビアの沼」で

【理髪店のサインポールは赤が動脈、青が静脈を表している】

というのはガセ!というのが出てきたので、少し補足を!

我々、理容店の目印でもある、ドリルのように
【赤・白・青】の3色が上に上がってゆきながら
クルクル回るこの棒は【サインポール】と
呼ばれている・・。
でも、この呼び名は英語で、実は日本名もある。
その名も

【有平棒(あるへいぼう)】(笑)

まあ、その日本の呼び名はさておき、理容店の
【サインポール】は、外科医が理容師を兼ねていた
頃の名残で

【青・赤・白はそれぞれ静脈・動脈・包帯を意味する】

と実際には普通に言われているが、その頃の医学
では、血管に動脈・静脈の概念が無かったので、
確かに「ガセビアの沼」で言うようにそれは違うと
思われる・・。
中世の頃、ヨーロッパで理髪師は修道院などにいた。
髪を切ったりヒゲを剃るだけでなく、

【瀉血(しゃけつ)】

や色々な人々の要望に応じて、やけどや骨折などの
治療、抜歯などの外科的治療も行なっていた

ちなみに【瀉血(しゃけつ)】とは、患者の静脈
から血を少しだけ抜き出す治療の事
だ・・。

今でこそ【瀉血】はほとんど行われていないが、
昔は健康維持や病気の治療のために、悪い血を
抜かなくてはならない!と信じられており
【瀉血】が盛んに行われていたという。
でも、個人的な認識になるが、女性は生理があり
静脈の血液を使い、排出する。
男性はどうしてもそういう事がないので、実際
には【瀉血】というか、現代では「献血」で外に
血液を出すのは造血作用が働き、良いと言われている。
だから【瀉血】も一概に「無謀」という訳でなく、
健康管理にはちょっと役立っていたと思う。

と話がずれたが【瀉血】を行っている間、患者は
ある【棒】を握っていた。
腕から出た血は受け皿に落ちるようになっていたが、
やはり腕から【棒】へ血が垂れる事も多く、この
【棒】は最初から真っ赤に塗られていた
という・・。

後に、この棒は【バーバーズ・ポール】と呼ばれる
ようになったと言われる
・・。
そして、【瀉血】が終われば、患者の出血を止める
ため包帯を巻いていた・・。
しかし、当時の包帯は非常に貴重なもので、
何度も洗って干し、再利用していた。
その干すのに使われていたのだがこの

【バーバーズ・ポール】

だった・・しかし、風などでそこに干した
包帯が巻き付いたりし、この巻きついた包帯
から、紅白の螺旋模様のポールが理髪店の
看板となっていたと言われている・・。
ちなみに、うちの店のロゴもその【赤】から
きています・・(大嘘)

そして、残る【青】だが、これは1745年の
イギリスで、理髪師と外科医が分離したのが
きっかけと言われる。
その時に外科は紅・白の看板を、理髪師は
赤・青・白の看板を掲げるように決められたが
当時は定着しなかったとされる説と、血液を
表す赤と包帯を表す白の2色に、アメリカに
おいて同国の国旗(星条旗)のカントンの
色である青が加えられたとも言われている・・。

いずれにしても、どれが間違いとかいう事で
なく、中世当時は理髪外科医と呼ばれていた
名残
である事は間違いない・・。

安いだとか、早いだとか、お金や手を抜く事で
語られる業界になってしまったが、こうした

【誇り】

は、この先、自分だけでも大切にしてゆきたい
と思う・・。