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俺のフレンチ・イタリアン赤坂【ワイン編】

今回、「俺のフレンチ・イタリアン赤坂」。
自分としては、料理だけでなく、ワイン
にもビックリした・・。
なんと、全てのワインが

【ほぼ定価】

なのだ・・。
その【ほぼ定価】に【999円】が加算
される仕組み・・しかも、自分でワイン
を持ち込んでも【999円】が加算される
だけなのである・・。

もうワインは入れ値の3倍、持ち込み
には持ち込み料が別途かかるのが
当たり前の飲食店の常識を根底から
覆している仕組みにもうビックリ
である・・。

でも料理と同様、従来のシステムの
店が悪い!安くしろ!と言っている
のではない・・。
これで成り立っている事がやはり
ビックリするのである・・。

で、社長曰く

「ワインは凄く儲かる!」

やはり大量に仕入れる事になるので、
仕入れは相当安くなるという・・。
仮に普通の酒屋で定価3000円で
売っているワインがあったとする・・。
単純に常識的に7掛けで店が仕入れる
とすると

定価3000円×70%=2100円

となり、それを普通、飲食店でお客様
に提供するのは入れ値の3倍ですから、

2100円×3倍=6300円

という事で、飲食店で我々が飲む時には
6300円支払う事になる・・。

しかし、ここ「俺の~」では、

定価3000円+999円=3999円

となり、我々が飲む時には3999円
支払う事になる。
もうかなり安く感じる訳だ・・(^-^;

ではこれをちょっと逆に分解してみる・・。

3999円÷3=1333円

となる・・という事は3000円のワイン
をなんとか4.4掛けの1333円で
仕入れる事ができれば、普通の
飲食店の3倍売りをしているのと
同じになる・・。

もっと言うならば、店としておすすめ
していたワインが、2100円のワイン・・。

2100円+999円=3099円
3099円÷3=1033円

なんと5掛けで仕入れられれば、この
ゾーンは普通の飲食店の3倍売りを
しているのと同じになる・・。

ここまで来ると気づくと思うが、この
システムは加算部分の【999円】が
変わらないのですから、高いワイン
ほど、店としては儲からなくなる
仕組みなのだが、安いワインを
注文してくれる程、儲かる仕組みで
ある事がわかる・・実に見事である。

そういえば、お客様で激安酒店を
やっている方がいるのだが、その方も

「実は安いワイン程、儲かるんですよ・・(-。-*)ボソッ」

と笑っていたのを思い出した。

でもそうは言うものの、ココが不思議
なのが、パウチをして特別メニュー
として持って来るワインやシャンパン
は6000円台とかなんだよね(笑)
大抵、店がプッシュして来るものは、
利幅が高いものなので、恐らく
半値以下の仕入れ・・。
仮に半値で考えてみたい。

まずベースになる普通の店で7掛け
仕入れで3倍の値付けとすると、

6000円×70%=4200円
4200円×3倍=12600円

となり、12600円で飲むワイン
となる・・。
1万円を超えるワインとなると、
普通は1日の中で1本出るか
出ないかのワインになる・・。
仮に普通の飲食店で毎日この
ワインが1本出るとすると、

12600円-4200円=8400円

8400円の利益となる・・これが
普通の店・・。
では、「俺の~」が50%仕入れだった
場合を考えてみる。

6000円×50%=3000円
6000円+999円=6999円

となり、6999円と、ほぼ普通の店の
半値で飲むワインとなるだけでなく、

6999円-3000円=3999円

3999円の利益となる・・。
なんと2本出れば、普通の店の1本
の利益とほぼ変わらなくなる事が
わかる・・(^-^;
これまた見事である・・。

客数的には普通の店は1回転に対し、
この店は「3回転」で、半値提供・・
こりゃ、料理よりもワインが儲かると
社長が豪語する訳である。

でも、この店は先に書いたように、
自分のワインの持ち込みも【999円】
が加算されるだけ・・(^-^;
一番、利幅が出ないのがこのパターン
なのだが、条件があって、

「最初にワンドリンクを頼んでくれればOK!」

と、なっている。
仮に全員が最初にビールを頼んだと
すると、この店のビール提供がエビス
の580円。
生ビールは利益率70%くらいと
言われていますので、

580円×70%=406円(計算上400円とする)

これ、人数が1人なら利幅は

400円+999円(持ち込んだ時の加算分)=1399円

となり、この店においての2100円の
ワインを提供した場合と同じくらいの
利幅だが、人数が4人なら利幅は

400円×4+999円(持ち込んだ時の加算分)=2599円

となり、原価率70%だとしても4000円
のワイン、原価率50%だったら5000円
のワインを提供したのと同じレベルになる・・。

結果、一番利益率が低くなるのが、
一人客・・。
それを圧倒的にカバーするのが2人以上
の客・・(笑)
大勢程、儲かるシステムというのもいやいや、
本当に見事である・・ <(_ _)>