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カネボウ白斑問題を考える【後編】

【前編】からの続き・・!

そんな中、多くの医師が「原因不明」
としているのに、トリガーを指摘した
大阪府内の大学病院の医師、
たった1人の医師の指摘だけで
商品回収を決断するのは
なかなか難しい・・。

結果、相当数の同症状が出て
来ない限り、開発費がかかって
いる以上は引くに引けないメーカー
事情もわかる・・。

ただし、結果論で論じるならば、
カネボウ白斑被害の製品の

「使用中止から半年後に6割近く(58%)の症状改善」

という報告がある以上は、カネボウ
の化粧品を使っていた方々に
関しては、カネボウが開発した
美白成分の「ロドデノール」が
原因というのは間違いないで
あろう・・。

でもそうなると、こうした事件は
放置のままで良いのか?
2003年の時の調べなのだが、
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市販薬副作用?で10人死亡、発毛剤では3人
(2003年09月26日・読売新聞)
 厚生労働省は26日、薬局・薬店で購入できる一般用医薬品で、2000年4月から今年6月までの3年余の間に、副作用が疑われるとして報告を受けた死亡 例は、8製品で10人いたことを明らかにした。この中で最も報告例が多かったのは男性用発毛剤「リアップ」で、使用していた3人が亡くなっていた。
 リアップについて、製造販売元の大正製薬(本社・東京)は「リアップと3人の死因との関連はない」と説明、同省も「副作用とは考えにくい」と否定的で、注意を呼び掛ける緊急安全性情報の配布指示などの措置は講じない方針。
 リアップ使用中に死亡したと報告されたのは、50歳代、60歳代が各1人と、年齢不明の1人。死因はいずれも、急性心不全や心筋こうそくなどの心疾患。 同社によると、3人はいずれもリアップの使用開始から2―5か月の間に胸が苦しくなるなどの症状を訴えた後、死亡したという。3人のうち1人は心臓病の持病があった。同社は、2000年5―10月にかけて同省に報告した。
 同社では、「3件の死亡例は、家族らからの届け出をそのまま国に報告した。成分の『ミノキシジル』が頭皮から血中に吸収される量はごくわずかで、科学的に死因との関連はないと考えている」としている。
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と、コレ以外にも、「リアップ」は、
1999~2003年の間に500件
もの循環器系への副作用が
報告されている・・。

これは放置されたままだ・・。
もちろん、製薬会社と化粧品会社
という厚労省への見えない力関係
の具合でも違っているんだろうけど、
カネボウの【第三者調査報告書】
レベルで考えるならば、死ぬ
可能性がある以上は、回収を
されなくちゃまずい製品なはずだ・・。
でも、野放しのままな訳だ・・。

となると、どこで回収を始めるのか?
上記のように、因果関係が不明
ならば、死亡者がいたとしても、
回収をしなくても良い・・という
例がきちんとある・・そう考えると
今後の化粧品会社の引き際は
相当難しい・・。

なぜなら、化粧品というのは白班は
別格としても、今までにも

「好転反応」

という名目で一時的に肌の症状が
悪くなる化粧品も多いからだ・・。

そろそろ、何かを劇的に改善する
化粧品もしくは薬は、やはり副作用
も大きい事は、消費者も頭の片隅
で理解しておかなければならない・・。

ただ、化粧品は今の肌環境を整える
レベルから逸脱はするべきではない
・・という自分の考え方は間違って
いない事も確認できた事件だった・・。