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猿の惑星・創世記(ジェネシス)【ネタバレ注意!】

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映画通のお客様からも友人からも「良かった!」
と言う声が多かったので、観てきました!
>【猿の惑星・創世記(ジェネシス)】
本当は、上映期間中にUPしたかったのですが、
なかなか書き終えられずに、ズルズルと・・(^-^;(笑)

最初のあの名作【猿の惑星】は、すでに人間と猿の
立場が逆転した世界を描いていた・・ラストこそは
衝撃的だったが、そもそも最初の謎である

【人間と猿の立場がどのような形で逆転したのか?】

については、まあ、ひとまず理由云々でなくそういう
ストーリー設定だった!という所から否応なく開始
していた・・。今回はその【猿の惑星】をふまえ、

【なぜそうなったのか?】

を描いている・・。
舞台は21世紀初め・・主人公のウィルは 遺伝子工学
の研究者で、アルツハイマー治療薬【ALZ112】の
研究をしているところから始まる・・。
設定に難癖つける訳ではないが、21世紀初めにおいても、
まだアルツハイマーが治せないらしい・・(笑)
・・と、ウィルの父親はアルツハイマーを患っていて、
その後、治療薬【ALZ112】を自分の父親に投与、
今までの能力以上になってアルツハイマーが治る事が
わかる・・。

しかしその後、父親へ薬がどんどん効かなくなり、
逆にもっと症状が悪くなる副作用が見つかり、
ウィルはさらにその強化版の【ALZ113】を開発
するのだが、父親は「もう充分だ・・」という
意思表示をし、ウィルは研究を断念する決意をする。
でも、研究所の方では研究を継続、この新薬をテスト
するために注射された猿が突然暴れだし、逃亡しよう
としたため銃殺される・・が、その猿は妊娠しており、
その赤ちゃんが猿の主人公となるシーザー・・。

母親を介して、新薬による驚異的な能力をもった猿
となる・・その後シーザーは事件を起こし、霊長類
保護施設に収容され、酷い扱いを受ける事から
人間不信に陥る・・。
そこで猿たちで力を合わせ施設から脱出する事を
決意する・・手話が出来るオランウータンの登場が
ちょっと強引だが(笑)、まあ、短い尺での表現
をしなければならないので仕方ない・・。
そもそも、ほぼ人間のような秀でた知能を持つ
シーザーは緻密に施設から脱出するルートを研究、
脱出に成功!その足で、ウィルの家まで自力で戻り、
ウィルが父親に使わず、保管していた強化版新薬
【ALZ113】を持ち出し、施設の中でバラまく!
それにより、施設内の捕獲された他の猿達が人並み
の知能を獲得、驚異的な進化をする・・。

シーザーがリーダーで一気に猿の反乱が始まり、
施設の人間は抹殺され、外へ逃げ出してからも、
壮絶な警察のと闘いとなる・・。
しかも、シーザーが戻る本当の家が、ウィルの家
ではなく【森】であるという葛藤もきちんと
描かれている・・。本当におもしろい!

また、この猿の動きやら何やら全てがCGだと
いうのだから驚く・・(◎_◎;
本当に壮絶で、うまく描かれていて、本物の猿が
人間的知性を持ったら、こんな感じで反乱するん
だろうなぁ・・と本気で思わせる・・凄い!
それだけでも結構ウットリする・・。

途中で気付くのだが、実は、シーザーがウィル
の家で遊びまくるシーンが結構長い尺で時間かけて
作り込まれている事に気付く・・。
ここが短いと、単なる製薬会社の内輪もめと家族
問題の物語みたいな展開になってしまい、確かに
飽きが来る・・。
それを一気に吹き飛ばし、映画という画面を最大限
に奥行きや幅を広く感じさせるスピーディーな
猿アクション!
そして、2回目のシーザーの遊びまくるシーンは、
今度は【森】となり、しかも、これまたかなり長く
そのシーンを続け、フィニッシュに今後の【自由】
を示唆するかのような、一番高い梢から「こんな世界
があるのか・・」とでもビックリしているような
サンフランシスコ湾を一望する、まるで昔のSONY
のWALKMANのCMを思わせるショットが素晴らしく、
まさに【圧巻!】という程だ・・。
それを伏線とし、一転して狭い施設への監禁へと、
一度我々の目線や心境を閉じこめ、フィナーレの
施設の脱走&警察の闘いへと、用意周到に監督の
作戦に我々もまんまと導かれ放たれてゆく・・。
実に素晴らしい!

それだけでなく、シーザーは当たり前だが進化の
過程では、言葉を話せない訳で、という事は、嬉しさ、
楽しさ、哀しさ、怒り、憎しみ・・と猿の表情や
仕草だけで、あらゆる表現をしなければならない・・。
それがCGと思えない程にきっちりと【瞳】を中心
に表現され、いつしか、自分たちがシーザーと
重なってしまう程なのだ・・。
これからご覧になる方は、是非、シーザーの【瞳】
に注目して頂きたい。

よって、実は個人的にちょっと疲れ気味で、眠さ
が絶頂の時に観たのだが、もう始まるとちょっと
オーバーではあるが、瞳孔が開きっぱなし状態な
感じだった・・(笑)
猿が知性を得て、言葉を絞り出すまでの設定も、
無理なく難しい事も考えないでいられ、なかなか
わかりやすく辻褄が合い、納得できる展開である・・。

さあ、では猿が人間を闘いで殺戮し【猿の惑星】に
なってゆくのか?というと、そこにはきちんと伏線
があり、先の強化版の新薬【ALZ113】は、猿には
大丈夫だが、人間に入り込むと伝染性の出血性の
病気になり死亡するという、今後起こってもおかしく
ないようなゾッとする副作用の【オチ】があり、
無駄なく、人間が自分たちの手によって終了して
ゆく・・と、ひとまず乱暴に完結する・・(笑)
でも、猿の隆盛と人類の衰退をひとつの要素に
まとめたのはわかりやすし、本当にうまい!

実際今回だけでは、まだ【猿の惑星】ではなく
【猿の反乱】という感じだ・・別に【猿の惑星】
のくくりでなくとも良い感じで、新しい物語と
考えても良い程だ・・。
これを起点に、次回作でシーザーの生涯をかけて
この後どのように【猿の惑星】になっていくのか?
を丁寧に描いて頂けたらなぁ・・と切に思う・・。

正直言うと、【猿の惑星】は何度もやっているネタ
なので、おもしろいという評判とはいえ、実は半分、
興味本位で映画館に入館したのですが、ごめんなさい
大変面白かったです・・はい・・(^-^;(笑)