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ネットワークでつくる放射能汚染地図 ~福島原発事故から2か月~

2011年5月15日(日)、5月20日(木)とNHKで放送された
ファイル 1719-1.jpg
【ネットワークでつくる放射能汚染地図 ~福島原発事故から2か月~】

を先日、と言ってもリアルタイムで観ていたのだが、
ココに書き終える迄にちょっと時間がかかった・・(笑)
福島原発事故後の2ヶ月間を描くドキュメンタリーで、
おとなし目に始まったからのんびり展開してゆくのかな?
と思っていたら、初っぱなから驚愕の事実にぶっ飛んだ・・。

このドキュメンタリーで、中心人物である放射線衛生学を
研究する科学者の

【木村真三氏(43)】

木村氏はかつて【放射線医学総合研究所】に務め、あの
衝撃の【東海村臨界事故】の調査を手がけ、その後、
厚生労働省の研究所に移り、自主的にチェルノブイリの
調査に出掛けたという人物・・。
しかし、今回の福島原発の事故が起こると職場の幹部から
なんと【自発的な調査をしないように】と指示
が出る・・。

いやいや・・凄い事である・・調べてはいけないのである。
どれだけ隠蔽したいんだよ・・政府・・_| ̄|○

「今までチェルノブイリ、東海村臨界事故、うん、
 そういうものにずーっとかかわってきた。」

「その事故というものが起きるであろうという想定の
 もとにやってきた研究が、一切、そのフィードバック
 できない。指示がでないと動けないという窮屈感と
 いうものが、ものすごく大きくありました」

と、木村氏は辞表を出す事となる・・。
この日本において、裏では報道への圧力だけでなく、
科学者にまでも、こんな事実がまかり通っているのだ・・。
と、個人的に憤るが、これが現実なのだ・・木村氏は
自分以上に憤っている事だろう・・。

3月16日(震災から5日目)木村氏は土壌採取を始める・・。
3月12日に福島第一原発1号機で水素爆発、3月14日
福島第一原発3号機で水素爆発があった事により、実は
3月16日は大気中の放射線量が最大になった日である。
こんなにも迅速に行動するのも、かつて東海村臨界事故
の際に、初動が遅れ、半減期が短くてすぐに消えて
しまう放射性核種を補足できなかったからだそうだ・・。
こんな科学者魂の固まりのような方のお陰で我々は
【真実】を知る事ができる・・本当に感謝である・・。
さらに、京都大学原子炉実験所の今中哲二氏、広島大学
の進藤暁氏&静間清氏、長崎大学の高辻俊弘氏と、この
4人の科学者にきちんとその土壌を送り、最新の測定方法
で測定してもらう・・科学者というのはすごい・・。
自分の測定だけでなく、きちんと別々の人間達に依頼し、
きちんと裏付けも取り発表するのだ・・。
よってこうした部分からも、この番組の数値は【真実】
と位置付けて間違いはないだろう・・。

まず木村氏は原発から35キロ西にある田村市立常葉
中学校を訪ね土壌を採取する・・その土壌を分析した
結果、9種類の放射性核種が見つかる事となる・・。
中でも多いのは【ヨウ素131】・・量は1平方メートル
あたり【515万ベクレル】・・と35キロ地点でも
恐ろしい数字・・。
放射能から逃げるには本当に最初が肝心である事が
わかる・・。

その後、ドンドンと原発に近付き10キロ圏内に突入し
しばらくすると【300マイクロシーベルト/時】を
超えてガイガーカウンターが振り切れる
・・(◎_◎;
何という恐ろしさ・・_| ̄|○
だが、その場所を過ぎると、今度はメーターが
【40マイクロシーベルト/時】まで下がる・・。
そう・・【ホットスポット】というピンポントの
【高濃度放射能汚染地帯】だった事もわかるだけ
でなく、本当に風向きで被曝量が変わる事が良く
わかる・・。
さらにその先に進むと、道が分断される・・。
そこに乗り捨てられ停まっている車・・。
それを測定すると、【300マイクロシーベルト/時】
を超えてこれまたガイガーカウンターが振り切れる
・・
というその場に居続ける事により、この車のように
どんどんと放射性物質が【累積】してゆく恐ろしさ
画面越しにヒシヒシと重々しく感じる・・(◎_◎;

今度は原発から4kmの地点に戻り、【300マイクロ
シーベルト/時】を振り切っている【ホットスポット】
と思われる民家の土壌を採取・・その土壌を分析。
すると、1平方メートルあたり【1億6600万ベクレル】の
【ヨウ素131】、【2120万ベクレル】の【セシウム134、
137】を検出
する・・なんというとんでもない恐ろしい
数値なんだ・・【億ベクレル】って何だよ・・_| ̄|○

こうして【セシウム】を中心に調べてゆくと、同じ
20〜30キロ地帯でも、いわき市の末読町と葛尾村では
15倍の開きがあるという放射能汚染には放射性物質が
風向きや、風に乗ったが山などにぶつかり、雨や雪に
含まれ降下し【ホットスポット】が点状に生じ濃淡が
あるという経緯、100メートルの違いで汚染度が大きく
変化をする事などを番組全体で説明していた。

避難する人々、競争馬を育て故郷に残る人々、放射能
汚染被害により途方に暮れる農家の人々、小学校の
汚染土の現状、文科省と原子力安全委員会の食い違い
による混乱と苦悩・・。

福島の2ヶ月間から伝わるこんなほんの一部の【真実】
からだけでも、背筋が凍る放射能汚染の【真実】の
凄まじいまでの恐ろしさ・・そして【原子力発電】を
絶対にやめなくてはいけない・・と改めて再確認する

秀逸な作品だった・・。

この続編【続報 放射能汚染地図】は、NHK教育で
6月5日(日)22時〜放送です!見逃すな!(゚-゚)b