記事一覧

SONYショック!

トヨタショックの次はSONYショックだ・・。
最初、軽くニュースを聞いていた時には、人員削減というから、
まあ、派遣と請負の非正規雇用の多少の削減かな?と思ったら、
詳しくみてゆくと、SONYの液晶テレビやデジタルカメラなどを
扱う【エレクトロニクス事業】において、全世界で約1万6000人
以上の従業員を2010年3月までにリストラするよというもの。
内訳は、派遣と請負を8000人以上、正社員を8000人程。
派遣と請負に関しては【以上】という表現からみると、8000人
が最低人数という事になるので、それ以上どれだけ増えるか?
はわからないという事だ。
今までの大手家電メーカーの削減は数百人単位だったので、
そんなレベルかと思いきや、さすがは世界のSONY・・リストラ
の時もスケールがでかい・・(-_-;)
派遣と請負の8000人削減もすごいが、正社員の約8000人削減
にはちょっとビックリした。
SONYは、すでに、10月23日に液晶テレビやデジタルカメラ
などの需要減により、売上減だけでなく、円高の影響などを
含め、2009年3月期の連結営業利益見通しを前期比58%減に
当たる2000億円へと大幅に下方修正しているが、現実的には
1800億円くらいまで下降するのではないか?という予測・・。
だが、まだSONYの削減計画は2010年3月までの事。
実は、こんな事よりも大きな問題が日本には残っている。
それが、

【製造業派遣労働における2009年問題】

2006年3月からの製造業派遣労働者の派遣期間が法改正されており、
それまで【1年】という期間を【最長3年】にと延長された。
もちろん、派遣労働者にとってはうれしい法改正だった。
そして、その3年間の間に、スキルを上げたり、社内での実績を
認めてもらったりするチャンスを夢見る事ができた訳である。
そして、その3年契約期限が来年2009年の3月に迎える・・。
ここで企業は、3つの選択を迫られる。

1)直接雇用(正社員)に切り替え
2)契約期間の定めがない「請負」に切り替え
3)派遣契約を打ち切る

しかし、今の景気悪化時代を考えると、ほとんどの企業は(3)を
チョイスする可能性が高い・・(-_-;)
2006年6月の時点で、全国の製造業派遣労働者は約24万人という
データがある・・これらの人間達が大量失業する懸念があるのだ。

10年くらい前に、グローバル化や、外資の圧力もあって、一部の
力を持った経営者達が、【日本的経営(終身雇用、年功序列、等)】
は古い!と言いだし、企業は社員や社長など働いている者のモノ
ではなく、株主のモノである!グローバルスタンダードにしろ!と
いうのが日本でも主流になった。
しかし、こうした時代になって、【終身雇用】がどれだけありがたい
事だったか・・【年功序列】は人を育てる上でも、人間が老化する
事をふまえても、プラス面がいくつもある。
【年功序列】を正しく理解していないと、仕事をしない年配者が
ふんぞり返っているだけで、高給もらいやがって!と映る。
しかし、それは年金じゃないが、年齢を重ねたら若い社員のような
フットワークの軽さはないので、フットワークの軽さがいらない
ポジションで肉体をあまり使わない役職にしましょう!その代わり、
若い人間を育成して下さいねという敬いがあった訳だ。
もちろん、年配の社員も若い時には、俺らはがんばっているのに、
こんな給料しかもらえない!と思っていた。しかし、年齢を重ねた
時にはそうしたポジションに【年功序列】という事で行ける約束が
あったから、若い時にくじけずに転職もせずにがんばったのである。
さらに、今は下の人間に自分のノウハウを全部教える訳にいかない。
抜かれて自分の地位をを失う可能性があるからね。
しかし【年功序列】【終身雇用】が保証されたいたらどうだろう?
安心して肝の部分を教える事ができるのだ。
もちろん、これが全てだとは言わないが、少なくとも、日本の
高度成長にはこの背景があってそのメリットは活かされていた。
それが失われた結果、合理化の結果、アメリカをマネした結果は
今の世の中を見ての通りだろう・・。
安易な人員削減に向かわなかった日本の雇用システム・・。
メイド・イン・ジャパンの力をもう一度みせて欲しいものである。