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ロシアの戦略的外交(後編)

■ロシアの戦略的外交(中編)■
https://www.hearts.jp/user-cgi-bin/diarypro/diary.cgi?no=1256

中編からの続きぃぃ〜

その後、ソ連は一人でやっていける時代には

【領土問題は解決済み】

と日本無視の戦法をとる。
だが、記憶にも新しい1991年にソ連が崩壊、ロシアとなるが、
そもそもグチャグチャになっていたソ連がロシアになっただけ
ですから【自国が経済ピンチ!】である事は変わりはない。
そこで、ロシアのエリツィン大統領は日本に飴玉を巻く・・。

【平和条約が領土問題の解決を含む】
【四島の帰属問題を解決することによる平和条約の締結】

など、そもそもやる気もないのに、日本が喜びそうな文言を
連発、北朝鮮の拉致問題の作戦みたいな事を始める。
で、その作戦に日本はまんまとはまる事になる。
1997年に【橋本・エリツィン・プラン】などという経済援助
と引き替えに、2000年末までに平和条約を締結するよう
全力を尽くす事で合意する。
これが未だに締結できていない訳ですから、結果、日本は
お金を取られ、ロシアは約束をのらりくらりと上手に交わし、
きちんと国益としての戦略的外交を行っている事がよくわかる。
で、ロシアは今度は大統領がプーチンに代わる。
すると、プーチンは【橋本・エリツィン・プラン】の時と同様に、

【今までの全ての合意に基づき、四島の帰属問題を解決する事
 により、平和条約を結ぶための交渉を継続】

と主張してくる。当たり前だよな・・(笑)
【四島の帰属問題を解決】と記しても、返還する事ではない。
この事をよくわかっているから、北朝鮮と一緒で、答えは
ぼやかしたままで、日本にはギリギリまで色々な事を
協力させる方がいいからね。
そのままのらりくらりを繰り返し、現在に至る・・。
結果、残念だがロシアの一人勝ちという事だ・・。
どこをどうみても【北方四島(歯舞諸島・色丹島・国後島・択捉島)】
は、我が国の領土であり、いまだかつて一度も正式に外国の
領土となった事がないのはハッキリしているのと、ロシアは
法的立場が弱く【強硬論】しか主張できない事はわかって
いるのに、50年間やっても何の成果もない・・。
しかも成果がないだけではないのだ。日本は

【自国の領土を返してくれ!】

と言ったら、なんと【経済援助】という形でロシアに
お金を払い続けているのだ。
この構図・・北朝鮮の拉致問題と全く一緒だ。凸(-""-)
さらに【力で奪われたものを返せ!】と言っている点でも
北朝鮮の拉致問題と全く一緒なのだ。
この先、四島を返してくれるという甘い言葉に乗って
いったい日本はいくら経済援助し続けるのだろう・・。
北方領土問題は無関係でどこか遠くの事・・と逃げても、
みんな我々の税金が使われているのである・・。

と話を今回の【日露首脳会談】へ戻そう。
これらをふまえ、麻生首相は2006年、外務大臣の時代に

○日 本→歯舞諸島・色丹島・国後島の全域+択捉島の25%
○ロシア→択捉島の残り

という【面積二等分論】を掲げていた。
そして、首相になり、今回の【日露首脳会談】の会見で

【向こうは2島、こっちは4島ではまったく進展しない。
 役人に任せているだけじゃダメ。政治家で決断する
 以外に方法はない】

と、またおかしな寝言を言い始めた。
自分の持論の【面積二等分論】あたりをロシアに打診した
のかもしれない・・で、喜んだメドべージェフ大統領が、

【新たな、独創的で型にはまらないアプローチ】

を支持した形かもしれないとまで推測してしまう。
よって、もしかしたら、今までの日本の【四島返還】の
方針が変わる可能性が出てきた。
だとしたら、麻生首相も政権が終わる事が近いから、
つまらない所に力が入っているとしか思えないな・・(-_-;)
そのくせ、ロシア側が北方四島への渡航の際に、日本側へ
【出入国カード】の提出を要求し、北方領土へのビザなし
交流が中止されたというとんでもない問題・・。
これについて麻生首相は打開できなかった・・。
しかし、この【出入国カード】の問題は、変な形でロシアに
譲ったら、今度はパスポートを要求してくる可能性も出てくる。
となると、日本が北方四島がロシア領である事を認める形に
なる訳で、絶対に阻止しなければならない。
しかしこれも、もちろんロシアはわかっていてやっている
戦略的外交であろう。
さらに【サハリン2】も6割のLNGは来るにしても、事業の
最終段階でロシア政府が強引に経営権を奪取した・・と
実行支配はロシア・・と、日本はボヤボヤしているうちに、
着々とロシアの戦略的外交の成果はあらわれている。
そうこうしているうちに、北方領土における日本の世論も
年を重ね、色々な形に変わってきた。
実際には日本のその弱い部分に対して、ロシアが揺さぶり
をかけてきていると個人的には予測する・・。
いずれにしても、日本の【四島返還】、【出入国カード】
の問題は毅然としていなければならない。

でも、この日本がなめられる根本的な構図は攻撃をする
権利を持つ軍隊がない事、憲法で戦争の放棄をうたい、
日本から攻撃する事は100%ありえない安心感から・・。
だから、平気でロシアは漁船を拿捕(だほ)するし、
中国も怖がらずに境界海域を突破して調査に来たりする。

【話し合い】の対義語は【争い】・・。
そして、世界の価値観において、決して戦争はやっては
いけない事ではないという事は、平和ボケしている
日本人はハッキリ認識しなくてはいけない。
日本の国内の秩序の乱れや争いがこの程度で収まって
いるのは、【警察】がいるからである。
隣国においての秩序の乱れや争いを収めるのはやはり
【軍隊】の力である事はどの国においても一緒・・。
やはり日本も、使わずとも世界へ力を見せる核の用意、
空と海の境界線などにおける毅然とした行動(攻撃)を
する姿は、戦争放棄の一言で思考を停止するのではなく、
きちんと目を開いて考えなくてはいけない。