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振り逃げ3ラン

もう一週間も前の話だが、7月28日・高校野球・神奈川県
大会準決勝【東海大相模×横浜高校】。
野球をやっていた者としては、どうしてもみたいシーンがあった。
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4回表3点を先制し、なお2死1、3塁。
カウント、2-2(ツーストライク、ツーボール)からの
横浜・落司のスライダーを菅野はハーフスイング。
これを横浜捕手がショートバウンドで捕球する。
一塁塁審へスイング確認をすると、塁審からスイングの判定。
球審も右手を上げてスイングを認めた。
この時点で振り逃げの権利が発生した。
だが、捕手は打者にタッチせず、1塁へも送球しなかった。
ベンチに引き揚げた横浜ナインを尻目に、3者がホームイン。
審判の協議の結果【振り逃げ3ラン】が認められた。
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見たいと思って探したら、やっぱりあったYoutube・・(笑)

【振り逃げ3ラン(https://www.youtube.com/watch?v=SiS2-t5s4ig)】

「(菅野の)おしり付近にタッチした」と横浜高校の
キャッチャーの小田君は試合後に語っていたが、よく
目をこらして見る必要もなく、横浜高校のキャッチャー
は完全にタッチしていない。>これは全面的に横浜高校
のキャッチャーのミス・・。
横浜高校の渡辺監督は猛抗議していたが、これは抗議
するまでもない。
でも、抗議としては、タッチの問題ではなく、きっと
主審が手を挙げた段階で

【アウトの宣告をしているだろう!】

という指摘か、

【バッター(東海大相模・菅野君)がダートサークル
(ホームプレートを囲む土の部分)を出ていた】

という指摘のどちらかだと思われる。斉藤球審は

【スイングのコールはしたがアウトは宣告していないし、
 捕手のタッチもなかったのでインプレーと判断した。
 菅野君もダートサークルを出ていなかった】

と冷静に退けた。
と、まあ、実際は、このケースは難しいと言われる
ケースではなく、プロの試合でも何回も見かける
全然【当たり前】のケース。
そもそも、ここでアウト宣告をする素人審判は
絶対にいないです。(笑)
それよりも、高校野球でも普通に出てくるケースなのに、
横浜高校のように相当な試合数を積んでいそうなチーム
がなぜ?という疑問の方が個人的には大きいなぁ・・。

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■振り逃げ■
公認野球規則六・〇九には、(1)走者が1塁にいないとき
(2)走者が1塁にいても2死の時に、捕手が第3ストライク
と宣告された投球を捕らえなかった場合、打者は走者となる
詳しくは(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%AF%E3%82%8A%E9%80%83%E3%81%92
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ここで野球に詳しくない人間においては、ちょっと疑問
が出るはずだ。

【キャッチャーは後ろにそらした訳じゃなく、ワンバウンド
 でちゃんと捕球しているじゃないか!】

という疑問だ。しかし、ここでいう【投球を捕らえなかった】
というのは【ノーバウンド】で捕球しなかったボールも含まれる。
今回は【ワンバウンド】しましたので【投球を捕らえなかった】
というケースにあてはまる事になります。
この時のキャッチャーのするべき事は、記事内容にもある通り、

【打者にタッチしアウトにする】
【1塁に送球しアウトにする】

の2つしか方法はない。
東海大相模・菅野君が、不思議そうに、誰もいない
ダイヤモンドを1周しているのも、ここで

【キャッチャーがタッチをしていないはずがない】

と考えるし、三振のショックがでかいでしょうから、
仕方ないでしょうね。(笑)
プロでも、振り逃げを忘れて、ぼんやり三振後のショック
に浸っている人も多いからね・・(笑)
これは、東海大相模・門馬監督のファインプレーだ。
良く見ているなぁ・・すごい。
監督だって【ああ〜三振かぁ・・】とくやしがって
後ろへ体を向けたり、天を仰いでいたりしたら、
この回は何事もなく終わっていただろうしね。

でも、勝つには勝ったが、東海大相模にとっては
かなり後味の悪い勝利だろうなぁ・・。
しかし、高校野球は負けたらその季節は終わって
しまうサバイバル・・。
東海大相模の野球が一枚上手だったという事だ!