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美容師の男性カット、理容師の女性カットがOKに【前編】

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美容師の男性カットOKに 厚労省通知を廃止
(2015年7月18日・日本経済新聞)
 厚生労働省は17日、美容師が男性客に散髪だけのサービスをすることを禁じた1978年の通知を廃止する新たな通知を出した。かつては男性は理髪店に行 くことが多かったが、今は美容室に行く男性も多い。実態は男性にカットだけしている美容師も少なくないため、新たな通知で現実とのギャップを埋めることに した。今回の通知では理容師がパーマを行うことも認めた。政府の規制改革会議は、これまでこうした規制を「時代遅れだ」と指摘していた。
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なんとも今頃・・(笑)
随分前に書いていたのにUPするのを
忘れていました・・(^-^;
今まで、理容所と美容所に関しては、

【昭和53年12月5日環指第149号厚生省環境衛生局長通知】

というもので、一般の方々には何の
恩恵も無い「ケンカ両成敗」の形が
取られていた・・(^-^;

そもそも何のケンカなのか?というと、
大きな枠で書くならば、法律的には、
当時、理容所はカットが中心の法律、
美容所はパーマが中心の法律だった
のだが、昭和49年頃から、男性の
ロングヘアブームが来て、法律として
認められていない

「理容所で男性にパーマをかける」
「美容所で男性をカットする」

という事が行われるようになっていた。
結果、美容師の方からは当然、

「美容師の法律業務のパーマを理容師がやっている」

というクレームがつく・・法律でそう
なっているのだから、当然である・・。
逆に、美容師がそう言うのなら・・と
理容師からも、

「美容師も理容師の法律業務の男性のカットをやっている」

と、クレームがつく・・こっちも
法律でそうなっているのだから、
当然だ・・。

そこで上げた拳をひとまず下し、両業界
同士が話し合い、反映されたのが以下の

【昭和53年12月5日環指第149号厚生省環境衛生局長通知】

である。
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○ 理容師法及び美容師法の運用について ( 昭和 53 年 12 月 5 日:環指第 149 号 各都道府県知事あて厚生省環境衛生局長通知 )

 理容師法第 1 条第 1 項に規定する理容の行為及び美容師法第 2 条第 1 項に規定する美容 の行為の範囲については、昭和 23 年 12 月 8 日衛発第 382 号厚生省公衆衛生局長通知 をはじめたびたび通知してきたところであるが、近年における理容及び美容技術の変化、 利用者の社会風俗の変化等に伴い、理容所又は美容所において行われる行為について種々 疑義が生じている向きがあるため、今後は次により運用することとしたので、この旨十分 御了知のうえ、貴管下営業者に対する指導につき遺憾のないようされたい。なお、昭和 2 3 年 12 月 8 日衛発第 382 号厚生省公衆衛生局長通知「理容師法の運用に関する件」の うち第 2 項は削除し、昭和 30 年 10 月 6 日衛環第 74 号福岡県衛生部長宛厚生省環境衛 生課長回答及び昭和 49 年 2 月 21 日環衛第 39 号鹿児島県知事宛厚生省環境衛生局長回 答は撤回する。

         記

1 理容又は美容には、それぞれ理容師法第1条第1項又は美容師法第2条第1項に明示する行為のほかこれに準ずる行為及びこれらに附随した行為が一定の範囲内で含まれるものであり、理容師又は美容師は、それぞれこれらの行為を業として行い得るものであること。

2 1の趣旨にもとづき、理容師のコールドパーマネントウエーブに関する行為及び美容 師のカッティングに関する行為並びに染毛については、次により取り扱うものであること。
 (1) 理容師の行うコールドパーマネントウエーブについて 理容師が、刈込み等の行為に伴う理容行為の一環として男子に対し仕上げを目的とするコールドパーマネントウエーブを行うことは差し支えないが、これ以外のコールドパーマネントウエーブは行ってはならないこと。
 (2) 美容師の行うカッティングについて美容師が、コールドパーマネントウエーブ等の行為に伴う美容行為の一環として、カッティングを行うことは、その対象の性別の如何を問わず差し支えないこと。また、女性に対するカッティングは、コールドパーマネントウエーブ等の行為との関連の有無にかかわらず行って差し支えないこと。しかし、これ以外のカッティングは行ってはならないこと。
 (3) 染毛について染毛は、理容師法第1条第1項及び美容師法第2条第1項に明示する行為に準ずる行為であるので、理容師又は美容師でなければこれを業として行ってはならないこと。

3 店頭等における表示においては、 2に反する文言は使用しないよう指導されたいこと。 なお、その詳細は追って通知する予定であること。
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ま、簡単に端折ると、

「美容所で【パーマを伴うカット】は【男女を問わず認める】が、【パーマをしない男性】の【カットのみは認めない】」
「理髪店で【男性のパーマは認める】が、【女性のパーマは認めない】」

との内容で通知、現在に至っていた。

そして今回、厚生労働省は2015年
7月17日付けで
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【理容師法及び美容師法の運用について】
(平成27年7月17日 厚生労働省健康局長)
理容師法第1条の2第1項に規定する理容の行為及び美容師法第2条第1項に規定する美容の行為の範囲については、昭和53年12月5日環指第149号厚生省環境衛生局長通知に基づき運用してきたところであるが、近年における利用者の社会風俗の変化等に伴い、今後は下記により運用することとしたので、 この旨十分御了知のうえ、貴管下営業者に対する指導等を行われたい。
なお、昭和53年12月5日環指第149号厚生省環境衛生局長通知は廃止する。
<記>
1 理容又は美容には、それぞれ理容師法第1条の2第1項又は美容師法第2条第1項に明示する行為のほかこれに準ずる行為が一定の範囲内で含まれるものであり、理容師又は美容師は、それぞれこれらの行為を業として行い得るものであること。
2 1の趣旨にもとづき、理容師又は美容師が行い得る範囲等については、次により取り扱うこととする。
(1) 理容師がパーマネントウエーブを行うことは差し支えないこと。
(2) 美容師がカッティングを行うことは差し支えないこと。
(3) 染毛は、理容師法第1条の2第1項及び美容師法第2条第1項に明示する行為に準ずる行為であるので、理容師又は美容師でなければこれを業として行ってはならないこと。
*「理容師法及び美容師法の運用について」、昭和五三年一二月五日、厚生省環境衛生局長通知(環指第一四九号)
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という事で、理容室、美容室の両方で
パーマもカットもOK
になった・・という
一般の方々からしたら、

「はぁ?」

って感じ(笑)なのだが、今となっては、
美容室にはそもそも法律を無視しても
男性をカットしなければならない背景が
ある・・。

【後編】に続く・・(^^*)