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経済の専門家がいない民主党と眠る日銀

11月27日【ドバイ・ショック】と共に東京外国為替市場の円相場は、
一時【1ドル=84円82銭】まで急騰、1995年7月以来14年4カ月ぶり
の円高水準になっただけでなく、日本の株式市場も大幅下落と直撃した。
民主党は、この円高、株安対策で、11月29日に首相公邸で緊急協議。
しかし致命的なのが、この内閣には経済の専門家がいない・・(-_-;)
で、日銀は日銀で今後3年間は物価が上がらない・・藤井財務大臣は
まだ見守る・・などと暢気な事を言っている・・。

この円高、大きな引き金のひとつがアメリカで、低金利政策を
このまま進めるという事で【ドル安を容認】する→【アメリカドル】
が売られ急落する・・。
さらにファンドや投資家達は、アメリカの低金利政策を利用し
【アメリカドル(金利0~0.25%)】で調達し、このドルを為替市場
で売り、現在高金利である【オーストラリアドル(金利3.5%)】
【南アフリカランド(金利7%)】【ブラジルレアル(金利8.75%)】
に替え、利ざやを稼ぐという動きが世界的に標準化【アメリカドル】
は【円】とは無関係なところでも、さらに売られる事になる。

そこにきて、元々、民主党の政策は皆さんご存知の通り【内需拡大】
路線を発表している。気付いていない方もいるかもしれませんが、
この民主党が掲げる【内需拡大】というのは為替的にはどういう事を
意味するのか?乱暴に言えば

【円高で日本へ物が入ってくるのは消費者が安く物が買えるので
 悪くはない→円高容認】

という事に受け取られる・・おお!日本は円高のままで良いのか!と
いう事で、さらに【アメリカドル】が売られ、皮肉にも高くなる事が
決定の【円】が買われる訳だ。
そこに拍車をかけて致命的なのが、先に書いたように、この内閣には
経済の専門家がいない・・元・日銀の大塚金融副大臣がいるが、
言いたい事も言えずになんだかモゴモゴうごめいているだけのため、
結果、この内閣は経済に関してはとことん動きが鈍い・・。
そんな円高決定路線のところに【ドバイ・ショック】が訪れ、日本だけ
でなくヨーロッパを中心に世界的な株安が起こる・・。

さて【ドバイ・ショック】とは何か?
昨年、一昨年と記憶に新しい【原油高】で建設ラッシュになるだけ
でなく、政府系投資会社【ドバイ・ワールド】の2008年上半期の
資産総額は約1千億ドル(約10兆円)というレベルに達するなど
ドバイにはバブルがやってくる。
しかし、2008年9月にあの【リーマンショック】が訪れ、世界中が
金融危機に陥る・・もちろんドバイの財務状況も例外なく急激に
悪化、金融不安に陥り、建設は止まりバブルは一気に崩壊・・。
2009年に入り、ドバイの債務返済が厳しいとの見方が強まり、
アラブ首長国連邦中央銀行が支援に乗り出したり、ドバイ政府は
巨額の債券を発行するなど資金調達を試みるが、ドバイの信用
状況は悪化・・で、11月26日に政府系投資会社【ドバイ・ワールド】
と傘下の不動産開発【ナキール】が債務返済猶予を要請する・・
となると、市場はドバイは【危険水域】に達したと判断、ここに投資
や大きな取引をしていたのが、ヨーロッパ系の銀行という事で、
ヨーロッパの株式が急落・・同時にユーロが売られ【ユーロ安】となり、
一時しのぎの先として信用が高い【円】が買われる訳だ・・。

そうは言うものの、日本もアメリカと同じ低金利政策をとって
いるし、不景気でデフレ・・なのになぜ各国は【円】を買うので
しょうか?そこには金利とは別に考える必要性があります。
実は日本は世界一の【対外純資産】を持っている国なのです。
さて、この【対外純資産】とは何なのでしょうか?
いわゆる国全体を考えて、政府、企業、個人が外国で保有
している資産(外貨準備、他国への援助、日本の銀行の他国
への融資、日本企業の他国への直接投資など)から、他国の
日本への投資(日本にとっては負債)を指し引いたものを
言います・・ここにおいては日本は大幅黒字が続いていたので
実は17年も連続で世界最高となっている・・。
というように、日本は世界的に見ると世界的な危機が起こった
場合は、ひとまず日本の【円】を買っておけ!という事になる
訳だ・・でも、現在の日本にとっては【円高】は

円高→輸出企業業績悪化→給与減少→輸入品の価格が下落
→全般に物価下落→デフレが増幅→さらに企業が業績悪化
→雇用悪化→国民の所得額低下

とドンドンとデフレの最悪のパターンが加速するために、
国内経済にマイナスという事で日本の株価が下落してしまう。

そこにきて、藤井財務大臣は【介入した方が良い】と、とにかく
日本単独でも円を売ってドルを買うという是正をしたいと発言。
予算に組み込む【財務出動】は時間がかかる。
少なくとも日本が【円安政策を取る!】と断言すれば円高に
歯止めがかかるのに・・。

しかし、日銀はデフレになりました・・しかも今後3年間は物価は
上がらないでしょう・・みたいに人事のように言っているだけ・・
今流行のツイッターじゃないっつの!(笑)
今後3年間もデフレが続いたら、民主党がというより、日本は
大変な事になるかもしれない・・それでも日銀は眠っている・・
グースカと眠っている・・。(-_-;)

ならば、政府が単独で金融緩和に踏み切る勇気があれば良い
のに、先に書いたように民主党は経済の動きに関しては、
非常に腰が重い・・。
今回、補正予算で中小企業への融資政策を打ち出しているが、
いくら融資をしても、その先に仕事がなければ全く意味がない・・。
現実、【円高】と大不景気とデフレの3重苦の影響で中小企業
は仕事&お金がなくて困っている中、借金がいっぱいある・・。
モラトリアムができるようになるので、中小企業側はをやりたいが、
正直なところ一般の銀行は引き受けたくない。
だが、日銀にたくさんの金がある。ならば日銀が中小企業の債権を
買い取ればいい・・そして返済期間を延ばしてあげれば良い。
さらに日銀は国債を引き受け政府が金を出すか、前にも書いたが、
今こそお札を刷るべきだろう・・。
超法規的に政府紙幣として【100兆円札】を1枚刷って日銀に
預ける・・それを使い日銀は国債を買い取る。
これによって、市場には100兆円弱が残る。
そのお金を使って中小企業に仕事を出してやればいい。
できたら1ドル=100円以上に戻し、理想的には110円くらいに
戻ってくれれば全てが解決する。
そして、緩やかなインフレが実現し、物価を安定させるまでの
超法規的な措置であるという事をきちんと政府は説明し、日銀は
物価が異常な上昇を示したら、即座に利上げで抵抗する準備を
して待機していればよい・・。

今後、バブルのように理想的なインフレが来る事が予測される
のならば、暢気にしているのも手だがデフレが続くだろうという
予測の元であるならば、この先の手段としては、紙幣を刷るか、
預金を封鎖するしか赤字国債の解決方法はない・・。
それをいつかやらなくてはいけないのだとしたら、次世代の
時に我々のツケをぬぐわせるのではなく、今、自分たちの時代
に責任を持ってやらなくてはいけないと個人的には思う訳です。
それが今と思うのは自分だけでしょうかね?

と書いていたら、やっと日銀が動いた。
12月1日午後、臨時の金融政策決定会合を開き、新たに
10兆円規模の資金を市場に供給する金融緩和策を決めた。
遅すぎるし少ないよ・・意味無し・・_l ̄l●lll ガクリ