記事一覧

お涙頂戴で終わらせては困る問題

*******************************************************
強制退去処分を受けた日本生まれのフィリピン人、
カルデロン・のり子さん(13)=埼玉県蕨市立第一
中学校1年=の家族が在留特別許可を求めている問題で、
3人の滞在を一時的に認めた仮放免期限の1月14日、
父・アランさん(36)と母サラさん(38)が東京入国
管理局に出頭した。東京入管は3人の滞在期限を2月13日
まで延長することを伝えた。
*******************************************************
マスコミは、こぞってこの問題は穏和な報道ですな・・。
実際【東京入国管理局(以後、入管とする)】も、

【家族3人一緒に暮らしたいのなら、フィリピンに帰れ】
【のり子さん本人に在留特別許可が認められたとしても、
 両親については難しい】

という姿勢を示したというのも、間違いなく世論や
マスコミを意識しての表向きの姿勢であり、かなり
温情的な妥協案を提示してきたよな・・(笑)
どちらも厳しい内容だとの非難もあるが、それはおかしい。
先の家族3人でフィリピンに帰れ!というのも、のり子さん
が日本語しか話せないのにかわいそうだなんて言っている
奴もいたが、親の都合で海外に引っ越しする子供も一緒。
両親が強制送還の場合も、世の中、両親を失って施設で
生活する子供達はたくさんいる。
他国とはいえ、離ればなれでも、親がどこかにいる
というだけでも十分幸せだ。
もしかしたら、もっと暖かく支援者のところで暮らせる
道もあるかもしれない可能性もある・・。
先に個人的な結論を出しておくならば、まあ両親も、
10年以上不法滞在していた事を考えると、しばらくは
日本に入国はできないだろうから、家族でフィリピンで
暮らすのが一番だと思いますがね・・。

入管としては、すでに、不法滞在発覚後2006年9月に、
母・サラさん逮捕、2006年11月に強制退去処分を受け、
処分取り消しを求めた訴訟も2008年9月に最高裁敗訴が
確定している事もふまえれば、とっとと強制送還したい
ところ・・。そもそも入管がのり子さんに在留特別許可
を出すという事自体、特例中の特例・・。
しかし、マスコミの力もあって、お涙頂戴で1万4000人
余りの署名が集まっちゃったりしている・・。
この1万4000人余りの署名・・きちんとこの問題を理解
して署名しているとは思えないな・・。
というより、1万4000人余りの署名をした人間達は、
これで、仮に万が一にも家族3人に在留特別許可が
認められちゃったりしたら、今後起こるであろう
問題に責任を持てるのだろうか?
悪いが、お涙頂戴で終わらせては困る問題である。

まず、この夫婦、父・アランさんは1993年、
母・サラさんは1992年に、それぞれ

【他人名義のパスポート】

で入国している。これ・・大変な極悪犯罪である。
この今回のケースは、偽造パスポートを使用しての
悪質な不法入国だし、病気でもないし、国に帰って
殺される訳でもないし、裁判だとか人権だとかという
レベルの話でもなく、どこの国でも完全に【強制送還】
の事例である。

しかし、この問題を複雑にしているのは、実は日本の
辻褄があわないシステムの問題がある・・。
2008年1月時点で、日本においての外国人の不法滞在
は約14万人と発表されている。
だが、そもそもその数字はどうしてわかるのか?
今回のフィリピンを始め、大抵の国でそうらしいのだが、
カルデロン夫妻がフィリピンなので、フィリピンを
例に挙げると、今回のカルデロン夫妻のように、例え
【偽装】で入国しても、日本にいるフィリピン人を守る
という観点から、フィリピンはフィリピンの日本大使館
で、なんと【正式なパスポート】を発行してくれるのだ
そうだ・・(^-^;
しかも、この後付けで発行したパスポートで、日本の
市町村の役所へ行けば、なんと【外国人登録証明書】
を発行してもらえるのだそうだ。
それにより、結婚、出産、義務教育、銀行口座開設、
納税をする事ができるようになってしまうという
おかしな日本のシステム・・。
ただし、その後付けパスポートでは【外国人登録証明書】
は出すが【在留資格は与えない】という事で

【在留資格なし】

という文言が証明書に書かれてしまうそうだ。
さらに、その資格が無いために、仕事をしてはいけない
のだそうだ・・。
だから、のり子さんもきちんと日本の義務教育を受ける
事ができた訳だ。

さあ、ここで疑問なのが、日本はどうして後付けで
発行したパスポートで【外国人登録証明書】を出して
しまうのか?
そこには日本としても、外国人の不法滞在者をできるだけ
把握しておきたいという部分が見え隠れしている・・。
でも、そのおかげで、こうして不法滞在の人数が
把握できるという皮肉・・(笑)
だが、役所もそうした在留資格のない外国人が来た場合、
きちんと入管に連絡を入れるのだが、その時点で入管が
動く事はないのだそうだ。そこには、入管の人数不足で
対処しきれないという事情がある・・。
現在の約14万人の不法滞在者に対して、入管は約2500人
しかいないそうで、誰がどう考えても対処は難しいという
図式になるよな・・(笑)
さらに【外国人登録証明書】に書かれている住所が嘘で
ある事が多く、どこ行っちゃったかわからないという事情。
摘発しても、収容可能な施設は3000人分しか無いので
摘発できないというお寒い事情・・(笑)
そんな事が重なってしまったために、カルデロン夫妻の
ように、子供作っちゃって、長年暮らしちゃって、
ああどうしよう・・という外国人がまだまだわんさか
いるらしい・・。
この辺のシステムを変えるべく、今年の国会に提出予定の
【外国人台帳制度】で、在留資格のない外国人には
【外国人登録証明書】を出さないという事になるそうだ。
安易に発行し、問題を先延ばししたたあげく、こういう
問題になる訳だから当然の措置だろう・・。

先にも書いたように、今回のカルデロン一家においては、
偽造パスポートを使用しての悪質な不法入国だし、病気
でもないし、国に帰って殺される訳でもない。
その上で、不法滞在していた外国人が子供を日本の学校に
通わせていたという、そもそも法務大臣が【在留特別許可】
を出す理由がない事例・・。

ここで【在留特別許可】とは、どういう時に出るのか?

○日本人との子供
○難病にかかっている
○日本に相当期間滞在している
○日本への定着性

という事をふまえての話だそうだ。

○日本に相当期間滞在している
○日本への定着性

という所へ、年数などの定めはないそうで、わざと曖昧に
しておき、あくまでもそれは日本が決める事であり、
当人が権利を自己主張できないようにするためだそうだ。

そのどれにも当てはまらないのに、今回、子供だけが
残れるという特例が選択された場合、不法滞在者同士
でも子供作り、感情論でごり押しすれば、日本で子供は
暮らす事ができるという犯罪者が法に勝つ例を生み出して
しまう事になるのは良くない。
もっと悪く言えば、完全に強制送還の事例なのに、子供と
マスコミを使う事で、在留の許可をもらい、日本人の税金で
日本のインフラ(生活保護、年金、健康保険など)の権利を
満喫できる事になり、後に5万人もの同類の子供達が控えて
いるという予測の他に、今後、また新たに楽園日本に
不正外国人が押し寄せ子供を作る懸念も出てくる・・。

とはいえ、日本では外国人の長期労働が基本的に許されて
いない・・入管の人手も足りない・・という事は、結果
この先も不法滞在は減らない・・。
さらにこの先、日本は人口がどんどんと少なくなってしまう
現状をふまえれば、例えば、会社の推薦や、きちんと一定額
以上を納税しているだとかを鑑みたりして【良質な外国人】
と判断された不法滞在者については、門戸を広げる対策も
徐々に必要なのではないだろうか?
そして、それ以前に、外国人の正規の長期労働をもっと
積極的に許可し、不法移民となる要素を抑える事も必要だ。
でも、日本で我が物顔で闊歩する在日の質を見ている限り
では、個人的には厳しいままでいいけどね・・(^-^;(笑)