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ONE FOR ALL, ALL FOR ONE?

始まりました!の甲子園・・。その直前の激震事件!

群馬県警太田署は7月31日、女子高生の体を触ったとして、強制わいせつ
容疑で2年ぶり9度目の甲子園出場を決めていた桐生第一高校2年生で
野球部に所属する男子生徒(16)を逮捕した。調べでは、生徒は7月22日
午後9時頃、太田市の路上で、帰宅途中の女子高生に背後から近づき、口で
手をふさぎ服の上から体を触った疑い・・県大会準々決勝の試合後、
学校で新チームの練習を行った後の時間帯だった。現場付近では7月に
同じような事件が数件発生・・警戒中の署員が7月30日に深夜、現場
をうろついていた生徒を見つけて任意同行。
事情を聴いたところ、容疑を認めたという。
生徒は【性的欲求を満たすためだった】と供述し、同署は余罪を
調べている・・という、とんでもない事件だったが、日本高野連は
8月1日の全国理事会において、桐生第一高校の出場を認めた。
出場を認めても認めなくても、高校側が出場しても辞退しても
反発意見は出るだろうこの事件・・。
色々な側面において非常に難しい問題だと思う。

日本高野連や高校の判断や野球部員であるという事はひとまず棚上げ
して、1つの【強制わいせつ事件】として考えた時に、一番考えなくては
いけない部分は、一番の被害者である女子高生だ。ここで

【被害者である女子高生の怒りがどこに向かっているのか?】

という事を考えた時に、それが高校か?野球部全体にか?と言ったら、
どちらでもなく

【加害者である2年生の野球部員】

であるはずだ。
しかし、【出場停止】!となったら、昨今の場合、甲子園に
出られなかった腹いせなどが、この女子高生に向かうかもしれない。
住所や名前が暴露されちゃったりしてね・・。
被害者が【出場停止】を学校に望んでいないとすると、【出場停止】
という事になると、被害者にとっても重すぎる処罰になる可能性がある。

それに、一番の責任は?と言った時には、学校?野球部?の
どちらでもなく、未成年である以上、

【親】

であるという事・・。

また、よく【選手の気持ちを考えると・・】という人達がいるけど、
そもそも団体スポーツをチョイスしている時点で、色々な形で
【連帯責任】という事は常に絡んでくる事だという事、だからこそ、
みんなの事を考え、個々の行動には責任を持たなくてはいけないという
事は、部活をやっている中で普通は、常々、教えられているし、
考えていなければいけないんですよ。高校生レベルならね。
この桐生第一高校だって甲子園の常連校ですから、そうした教育は
されているはず・・。

大人でも少年でも、必ず人の心の中には【悪の部分】がある・・。
そこを大人だから・・両親の事を考えると・・子供の事を考えると・・
相手の事を考えると・・将来の事を考えると・・などの部分と共に、
自己の善のモラルを絡めて【悪の部分】を人間は抑えている訳で・・。
そうした誰かの気持ちになって自分の行動を考えるという事も【教育】
と考えると、今回の出場許可は【教育】ではないという事になって
しまう・・。
また、大人の部分として、監督や学校の【指導責任】という側面を
みても、出場許可は首を傾げないといけない。

ただ、基本的には、以前は不祥事の際はチームの【連帯責任】という
方向だったが、最近は【連帯責任】の判断は状況に応じてというように
なってきてはいるというように結論を簡単に出せない背景に、日本高野連
の明確な基準がないという部分があるんだよな。

でもね、それらをさらに棚上げして、いわゆるスポーツという純粋な部分
に対して、個人的に今回ちょっと首をかしげたのは、

【今回事件を起こしたのはベンチ入りしてない部員だから・・】

レギュラーじゃないんだから・・みたいなニュアンスの部分・・。
レギュラーじゃなくとも、今回の強制わいせつ事件は、一緒のチームメイト・・。
野球に限らず、勝った時の美談として、ベンチに入れなかった選手の力も
合わさっての優勝です!みんなでひとつのチームです!みたいな事を
言うじゃない?マネージャーだって10人目の選手だ!だとかさ・・。
スクールウォーズじゃないけど、団体スポーツには、

【ONE FOR ALL, ALL FOR ONE
 (1人はみんなのために、みんなは1人のために)】

といった部分が強いけど、こうした事件の時には急にそうした精神が
なくなりレギュラーじゃないから、甲子園出場のチームとしては無関係
になるという事は本当は心の底ではみんなでひとつのチームなんて事は
思っていないという事だよね。
少なくとも、桐生第一高校の野球部に関しては、そういう事を証明した
形になるよな・・。
こうなると、所詮【プレイの場】だけのかけ声であるという卑怯な
言葉であって、都合良く使われる言葉なんだなぁ〜と思ってしまう
のは自分だけでしょうかね?
日本高野連が許しても、少なくとも【ONE FOR ALL, ALL FOR ONE】
として、選手達の方から、【全員で事件をきちんと受け止める!】という
【アマチュアリズム】の熱さが欲しかったよ!
って・・もう高校野球はアマチュアリズムじゃないけどな・・(笑)