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ラグビーワールドカップ日本開催

第9回ラグビーワールドカップ日本大会は
11月2日の決勝で、南アフリカ優勝して
44日間の熱戦に幕を下ろした。
自分も含め、にわかラグビーファンに
なった方々も多い事だろう・・。
その位に4戦全勝で初の8強入りを果たした
日本チームの躍進の貢献は大きい・・。

ちょっと残念だったのは、準優勝の表彰式
でのイングランドチームの態度・・。
悔しいからと言って、銀メダルを観衆の前
で直ぐに外すという愚・・。
悔しさはそうした態度で表すべきでない事を
あの年齢になっても長年スポーツをやって
いても未だに学んでないノーサイドもクソも
ないチームである事も含めて、南アフリカが
優勝するべきチームだったという事だ・・。

ま、そうした部分はマスコミにお任せして、
今回、Twitterで回って来たイギリスの
大手新聞「The Guardian」の記者である
Andy Bull氏が書かれた日本vsスコットランド
の試合に関する記事が秀逸だ・・という事で、
Taigaさんという方が全訳して下さり、
本当に美しく、詩的で、裏方さんなどにも
光の当たった素晴らしい記事だったので、
皆さんに読んで欲しいという事なので
自分もご紹介したい・・。
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黙祷は、1分にも満たない、短いものだった。しかしそこには、過去に例を見ない状況で開催される、この試合に対する、相反する感情の渦巻き、衝突が含まれ ていた。台風がつい数時間前に過ぎ去り、スタジアムの周りは洪水であふれ、救出作業も終わっていなければ、修復作業など始まってすらいない。
その黙祷が、一体誰に向かって、何人の犠牲者へ捧げられたのかは、誰も知る由はなかった。被害者の数は、未だに確定していなかったのだから。明け方は4名 とされていた死傷者数は9名へ、試合開始時には24名に、ハーフタイムに26名、試合が終わり少し経つ頃には28名へと増えていった。
そんな状況で、彼らは試合を開催するべきだったか。あなたは疑問に思っただろう。ラグビー協会はそのことを日曜早朝に話し合い、日本人の組織委員に判断を委ねることを決定した。なぜこんな状況でスポーツをするのか。なぜスポーツを見るのか。
未だに多くの人が行方不明で、堤防は壊れ、川は溢れ、会場の横浜から東へ16マイルしか離れていない川崎では100万人が避難し、30マイル北に位置する相模原では、土砂災害でなくなった人の、正確な数さえ把握できていない状況で。
 災害への一種の清涼剤としてかも、もしかすると、日常を取り戻すためかも、台風に対する挑戦かもしれない。いや、それ以上、「私たちは今生きていて、少な くとも今ここにあるものは楽しむことを決意した」と言う極めて重要な意思表示の1つとしてかもしれない。彼らは試合の開催を決めた。
ホスト国としてのプライドもあっただろうが、会議に出席した委員会幹部は、「世界に向けて、自分たちはできると言うことを証明したい」というのが、開催を決定した最たる理由だと、繰り返し主張した。
この会場の被害が甚大でなかった理由の一つは、鶴見川から溢れ出す水を、建物の下へと流す貯水設備の上にスタジアムが建っているからだった。スタジアム自体が街の災害対策設備の支柱なのだ。そしてこの試合で、日産スタジアムは、街の『精神的』支柱にもなった。
組織委員たちは、台風が去ったら一刻も早く動き出せるよう、土曜の夜はスタジアムに泊まり込んだ。明け方には整備班が現地入りし更衣室から水を吸い出し、消防隊は全ての機械設備の点検を3度行い、ピッチに流れ込んだ泥やゴミをホースで一掃した。
同時に、組織委員会は政府や地方自治体と協力し、水道局、道路局、バス会社や鉄道会社などの各種交通機関と連絡を取り、複雑な課題を解決していった。
日本では、このワールドカップにおける『おもてなし』とは何か?と言う議論が活発になされてきた。私も正確に翻訳することはできないが、この国で4週間を過ごして、漠然とだが理解したかもしれない。それは、客人を喜ばせるために全力を、いや、何かそれ以上を尽くすということだ。
しかし、彼らの『おもてなし』は、私たちの予想をはるかに上回っていた。試合前、多くの人が全くの勘違いをしていたのは、そのせいかもしれない。
「日本人はみんな、この試合が中止になり、過去に勝利したことのないスコットランドとポイントを分け合うことを望んでいる」という勘違いを。中には「日本は故意にスコットランドの妨害をしている」という、壮大な陰謀論を唱える者までいた。
スコットランドラグビー協会の最高責任者、マーク・ドッドソンも、完全な勘違いをしていた。怒りに任せて「巻き添え被害」(ポイントを分け合うこと)にあえば法的措置を検討しているなどと口を滑らせた。これは、日本人たちがどう覚悟を決めたかのプロセスに対する、恥ずべきミスリーディングだ。
黙祷に続いて、日本の国歌、君が代が流れた。日本人はこの国歌に複雑な思いを抱いており、歌わない人もいる。そのため大会中、ファンたちに国歌斉唱を促すキャンペーンが開かれている。この日、会場の多くの人が参加した国歌斉唱は、感動的で荘厳だった。
選手を鼓舞する歌声が、大きく大きく、街中に響き渡るほど広がっていった。あの瞬間、あなたは思い知っただろう、スコットランドが対面しているのは、ラグ ビー文化を持たない極東の島国ではなく、強大なサポーターを持つ、己の真価を世界に証明しようと言う覚悟の決まったチームだということを。
前半の30分間、日本は魔法のような、激しく、獰猛で、集中したラグビーを見せた。次に対戦する南アフリカも含め、トーナメントに残った、全てのチームを凌駕するほどの。スコットランドも善戦したが、より頑強で、より鋭く、より俊敏であった日本に、完全に圧倒された。
日本のラグビーファンたちは、今なら何だってできる、どこが相手だって倒せると信じているだろう。そして、日曜日の夜に彼らが偉業を成し遂げた今、日本人だけではなく世界中の誰しもが、同じように思っている。

【元記事へのリンク】
Japan show world their defiance and skill in face of typhoon destruction(The Guardian)
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今回個人的には、もちろん日本チームの
ベスト8に衝撃と感動を頂いたけれども、
こうした日本に驚く海外の反応が色々な所で
拝見できた事が凄く嬉しかった!(*^^*)

また、こうして日本でのワールドカップと
いうレベルでラグビーを振り返ると誰の
目にも分かる程、国同士の喧嘩も暴動も無い。
しかも、酒を飲んでいるのにだ・・。
となると、サッカーってどれだけファンの
レベルが低くて幼いんだよ・・って話になる。
世界中のサッカーで暴れているサポーター?
ファン?は猛省すべきだよな・・。

最後に改めてラグビー日本代表の皆様。
ベスト8おめでとうございます!
そして感動をありがとうございました。