「GAME 」

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「何か忘れていないかナ、帰ってきたら必ずしなきゃいけないこと・・・」
「何にもないよ」
「じゃ、お弁当は?」
「・・・今からもってくる」
いわなきゃいいのに という意思とやや涙目な目線を感じるが、もちろん言い直すことはない。うっかり忘れていたのは確かなのだ。それはたいしたことではないが、洗い物をするほうとしては、やっぱり困る。
黙って目に涙を浮かべるのは、いつものことなのだ。

「・・・・でさぁ、正吾くんの家にはたくさんあるんだよぉ」
「???何?何の話し?」
「・・・ゲームだよ」
「ゲームってTVGAMEか?」
「そうそう、この間遊びに行ったとき、やらせてもらったんだぁ ねぇ、何で家にはゲームがないの?」
「だって、おかあさんがダメだって言っているだろう?」
「イマドキ、みんな持っているんだよ、ねぇ買ってよ・・・・」
そう言ってくれれば、こちらも対処のしようがある。なんとか、その場は言いくるめて、
「○○できるようになったら、買ってあげる。でもできなかったらちょっとねぇ・・・」
とできる。
しかし、黙ってせんべいをかじっているところからなかなか脱却できない子供を、いったいどう導けばいいのか。こちらから、欲しがっているものを目の前にぶら下げたところで、
「○○できるようになったらあげる」
といったら、
「じゃ、いらない」
といわれそうだ。
ぎこちない空気を乱すことなく、階下に戻った。(Page.3へ続く)

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