| 「GAME 」 |
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荷物の整理ができないままに、ダンボールに埋まっている自分がいる。日常使うものについては、ある程度分かりやすい位置においてあるんだが、それ以外には開けてもいない箱がある。前にあったままをそのまま持ってきたものだ。それこそ、整理がつけば荷物は半減するに違いない。どこかに大学時代の教養課程で使った数学の教科書がある。前に見かけたのだから、捨ててはいない。ただ、そういうカテゴリーはダンボールに記していない。せいぜい「大学関係」か「書籍」のどちらかにあるとしかいいようがない。 そんなものは一般の図書館でも閲覧することは可能なのだが、いかんせんこの雨だ。出歩く気にもならない。もっというと図書館カードすら見つからないのだ。 かたっぱしから開けていく。何度も積みなおし、また開ける。中身の確認よりも箱の開け閉め、積み直しに時間を取られる。いいかげん諦めて、かたわらのダンボールに背もたれた、その箱には「くつ」と書いてあった。そういや、靴はすぐに使うし、きれいにすることもないから、まとめてビニールに包んで適当な箱にいれたっけ。その中には長靴も入っている、ついでだからという気分で包みを開ける。案にたがわず、長靴はすぐにでてきた。みんなこうすぐに見つかればいいのに・・・。 箱の底の方には別の包みがあった。これは記憶にない。何を入れたという記憶もないが、書籍を包んだ記憶もない。とりあえず開けてみる。 息を呑んだ。そこには実に自分が中学校のころ夢中になったもの、ファミコンがあった。なんでこんなところに??大体、12年前に実家を新築した際にもこんなものは見かけなかった。その時分これを渇望し、ついに果たされなかったがこんなところに埋もれていたのか。引き出されていく当時の記憶に翻弄されて、立ち尽す自分がいた。 |
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作:shun | |