| 「GAME 」 |
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| 東京はもう6日間も雨だ。夏は異常に暑かったし、確かに狂っている。机に向かうのは日常ではあるが知識をためるのは年に2回あるかないかだ。しかし、いいかげんに飽きてきた。この時期になると試験のことで憂鬱になる。マジメにやっていないわけではない。が、しかし受からない。要領が悪いといってしまえばそれまでだが、やはり毎年はプレッシャーだ。大体、試験後の手応えというものがあるのだが、もっとも手応えを感じたのは2年前だろうか。それは大学にフラれ続けた最後の年に似たものだった。なんとなくやりとげたという感覚。説明のつかない、静謐な心に自分でも驚いた。それもデキがよくて確信を得たのではなく、アナだらけの答案だった。大学はよかったが2年前はそうはいかなかった。公私ともに再出発という時期でヤマの当たったこともあり、かなり自信があった。結果、失速し、次の浮上のきっかけは今年であった。昨年はその前をまだ引きずっていた。テンションは下がったままに、一応対策に時間をかけて試験を受けた。確実に知識は増えたものの傾向の変化に対応できなかった。対する姿勢も多少だらけて出たのに味をしめ、一か月前まで何もしなかった。よくよく考えれば、解答が発表されないのを理由に、試験後の答え合わせをしなかった。一番記憶がしっかりしている時期をムダにしていたのである。このツケがどうなるかはわからない。とりあえず、準備をしようと思う。 「ただいまぁ」 どたどたと階段をあがり、勢い良く扉があく。 「よう、おかえり」 「また勉強?」 「しょうがないだろう、受かんないんだから。受かってもそれはそれで、次があるだけどね」 「いつになったら終わるの?」 「ん〜っ、今日はもう終わりにするよ・・・・、上におやつあるから食べよう」 家族と一緒の生活は、やはり制限がある。どうしたって家族をないがしろにすることはできないし、変に気を使ってもらってもこっちも困る。 そういう意味でも、常日頃からきちんと準備をするべきなんだが、ズボラな性格が災いしている。 酒のつまみのようなお菓子を食べながら、聞いた。(Page.2へ続く) |
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