| 「GAME2 」 |
Page.2 |
|
| 後ろに勢いよく倒れこんで天井を見上げる。目の奥がしくしく痛むようだ。カセットによって、少々画面の状態は変わるのだが、鮮明に見えることはない。1つでもマトモに動くようならいいのだが、どれも中途半端で困る。中にはゴーストすらもまったく見えないものもあり、これはすぐにあきらめがついたので、絶望感はその分、不思議と少なく感じた。 「ねぇ、できない?」 「う〜ん、今はね。なんとかなると思うけど、ちょっと調べてみるよ」 「うん」 電源も切ったし、本体も配線ごとテレビの前からのけてしまったので、「そんなことがあったのか」というような態度で、普通にテレビを見始めた。 子供の手前、あっさりと降参する気にはなれなかったし、何より自分がファミコンをやりたいのだ。なんとしても復旧したい。 ゴーストめいているとはいえ、一応、反応は見られるし、実際ゲームは動いている。ということは配線の機能的にはなんら問題はないように思われる。考えられるのは、接触不良だ。端子部分が汚いとか、長いこと奥のほうに押し込んでいたので、変形しているかもしれない。考えられることに対してひとつひとつ試してみるしかない。 他にいいアイデアもないので、とりあえずネットで情報収集だ。すぐに接点復活剤というものが効果的であるということがひっかかった。購入先はホームセンターだ。今までみたこともいいたこともない、たぶん電設関係の箇所にあるのだろう。一方では、楽器を取り扱うところにもあるのだそうだ。 早速、ホームセンターに出かけてみるが、それらしいものはない。ならばと、電気製品の大型量販店で聞いてみるが、店員に説明した挙句、当店にはないとのこと。いくら品揃えがよく安いとはいっても、それはコンスタントに売れる商品についてのみに当てはまるものらしい。それにいまさら、ファミコンで遊んでいるものなど少ないに決まっている。イマドキ、ゲームといえばプレステが主流だし、もっというとパソコンでやることのほうが多いかも知れない。だから、会社帰りにちょっと寄った店(それも大型量販店、しかも最右翼)で見つけたときは、これでようやくなんとかなると考えたのと同時に、これでダメならこれ以上は悪あがきしたくないな、と考えた。 帰宅後、早速復活剤を端子に塗り、専用布で拭き取ってみる。確かに布はやや黒ずんだが、思ったほど劇的に汚れが取れた気がしない。結果は思ったとおりよろしくない。ならばと、本体そのものの端子にも塗って拭き取る。こちらのほうは手が届きにくし、気休め程度と覚悟した。やはり、30分から1時間はかかったか。残ったものは疲労感と、役立たずの復活剤であった。 万事休す。自分の中であきらめは完全についた。復活剤を買って試したことを子供に言う気にもならなかった。しかし、自分はいいが子供に少々でも期待を持たせた挙句に、このザマでは子供のやる気をそぐのではないか。 別にゲームが子供の性格を変えるとは思ってもいないし、そもそもまだ早いとは思っている。しかし、その心への影響を考えて、どうするべきなのか、また一週間ほど途方にくれてみるか・・・。 |
||
|
|
ご意見、ご感想はこちらへ!!
|
作:shun |