「証し」

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 何も考えてない。脳に深く切り込んだ割れ目は磨耗し、風化し、しわは消えつつある。新しいしわを作り出すこともなく、現状の割れ目を維持しようともせず、なすがままになくなっていく。せっかく出てきた感情もその表面を滑りおちた。
 夢を見る、だがそれは夢じゃない。もう一つの現実、いつもの日常が繰り返される。オリジナリティーを、変化を忘れた夢は夢じゃない。
 そして、夜はふけ朝が来る。いつものように容赦なく、いつものように非情なくらい変化なく朝はやってくる。生きているってなんだろう。考えてごらん、生きている証ってなんだろう。
 ふと数秒前を思いだす。たしかにそれはすでに過去。そう思ったその瞬間、すべては過去へと変化する。もうもどれない、もどれないんだ。現在は一瞬、とどまることなく時は刻まれ、自分もまた自分だけの時を刻んでいく。
 ・・・なぁ、あせらないかい?こわくないかい?真夜中にひとりっぼっちのふとんの中で眼が異常に冴えて感情に押しつぶされそうになることがないかい?
 振り返るのは簡単さ、そこに流れ去ったものを思い出すのも簡単さ。でももう戻れない、あの自分は終わっている、そして自分が少しずつかもしれないが、ある終末に向かっているって感じてしまうのはなんてぞっとしないことなんだろう。前を見ていても後ろを見ていてもいずれそれはやってくる。・・・だったら精一杯この一瞬を生きてみようよ。笑ってみようよ、そのときまで。そうすりゃ感じられるよ、'生きているってすばらしい'って。そして誰にでもわけなく感謝したくなるよ。

 ・・・そのココロの透明感は、いつ何度味わってもすばらしい、
 ・・・だから今日も生きてゆく。

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作:shun

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