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代理出産を実子と認める画期的な判決

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タレントの向井亜紀さん(41)と元プロレスラーの高田延彦さん(44)夫妻が、米国女性に代理出産を依頼し生まれた双子の男児(2)について、出生届を不受理とした東京都品川区長を相手取り、処分取り消しを求めた家事審判の即時抗告審で、東京高裁(南敏文裁判長)は9月29日、 「夫妻の子であると確認される」として、区長に出生届を受理するよう命じる決定をした。
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画期的な判決が出た。不妊のカップルには何よりの朗報だろう・・。
しかし、画期的なだけで、民法の解釈によると、

「出産者を母とする」

とある以上、感情論ではなく、法治国家の日本では、法改正が
されていない以上、受理をしない品川区や国の立場も理解
できる。さらに、高裁の判決文の中に、

「夫妻が法律的な親として養育することが、子供の福祉に
 最もかなう」

とあるが、この事だけに関して言えば、代理母から
「養子縁組」すれば解決する。
しかし、内緒の代理出産の大半は海外で得た出生証明書
を基に日本で実子として届け、他の地域では、実際には
きちんと受理されているそうだ。
その辺を考えると、マスコミなどで目立ってしまったから
不受理?の感もぬぐえない。
ただ、法整備がされていないのに、裁判所が勝手に先行
すると、色々な問題になる。例えば、奥さんの方がキャリア
&仕事を失いたくないために、自分の身体で妊娠はしたく
ないが、代理母で出産をした。
なんていう両親のエゴのような場合でも今回のように
「子供の福祉」に重きを置いて考えれば、裁判所は同じ
判決を出さなければならない。
やはり子宮を全摘出したなど、やむをえない場合のみ
だとかの制約も必要だ。あとは、

女性を出産の道具のように扱う事を認めていいのか?
愛人など別の女性から卵子を提供された場合は
どうするのか?
代理母が出産をし、飛行機の墜落など不慮の事故で
頼んだ側の両親が死んでしまって代理母も血縁関係
を望まなかった時にはどうするのか?
代理母が突如、契約違反でも血縁関係を望んで
しまった場合はどうするのか?

などなど、代理母を認めるにしても、個人で簡単に
思いついただけでも色々な問題が山積みだ・・。

いつの時代も望まない子供で殺したり虐待したり
するいる人もいれば、こうして、切に子供を願う人もいる。
全てが逆になれば丸く収まるのに、残酷なものだ・・。