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ミャンマーという悲しい国

1988年に軍事政権でビルマからミャンマーに国名を
変え、今回、反軍政デモに対する武力鎮圧で流血の
事態となったミャンマー・・。
【人権の弾圧】としては。北朝鮮の次にひどいと
言われている国、さらに、欧米を中心とした各国の
経済制裁を加えているので、お金が無くなって
今回の値上げにつながっているという悪循環・・。

今回は、8月15日に何の前触れもなく、ガソリンなど
の燃料などの大幅値上げ。
お金持ちはお米だとか、日用品の買いだめに走り、
ガソリンの値上げが発端でミャンマー全体の全ての
物価も上がってしまう・・。
バスなどの交通費は5倍にも大幅に跳ね上がり、
出勤できない人たちもいるそうだ。
そりゃそうだ・・ミャンマーの平均的な月収は
約3000円で、今までは自宅から会社までのバスは
片道10円だったそうだ・・それが8月15日に突然
朝起きてバスに乗ろうとすると50円になっていた
という・・。
8月14日までは往復で20円×25日=500円だったのに、
8月15日からは、往復で100円×25日=2500円、
月収の3000円−2500円=500円が生活費・・。
今まで生活費に2500円使えたものが500円に・・。
日本で考えると、月収30万円として、バスが往復で
2000円×25日=50000円だったのが、往復で
10000円×25日=25万円という風にいきなり変わった
というのと同じレベルだ。
バス代だけで25万じゃ、どんな日本人でも怒るだろう・・。

でも、このミャンマー、天然ガスや木材、石炭、
マンガンなどにも恵まれているそうだ。
しかし、これらで稼ぐ外貨は5000万人強の
ミャンマーの人口の内、ひと握りの富裕層と軍事政権
が独占、さらに日本はミャンマーにODA(政府開発援助)
を33億円以上も出しているが、このお金が軍事費に
使われているだけとも言われている。
しかし、制裁措置により、ほとんど鎖国状態で経済が
破綻しているだけでなく、一部の人間達がお金を
たくさん持つという腐敗状態・・。
しかし、国連も手をこまねいていた訳ではない。
制裁決議を出すが、その都度、中国とロシアが邪魔をする。
なぜなら中国〜ミャンマーの原油&天然ガスの1万キロ
以上のパイプラインが建設中、また、中国&ロシアから
ミャンマーの軍事政権に武器を輸出し儲けている背景も
あり、強硬な姿勢は取れないというバカバカしい国連情勢。

しかし、ミャンマーも民主化に進むチャンスが無かった
訳ではない・・1990年5月に総選挙をし、新しい政党が
決まったら、その政党に政権を譲りますよ!という事で、
1990年にアウン・サン・スー・チーさん率いる【国民
民主連盟(NLD)】が大勝した。
しかし、軍事政権側は権力の移譲を拒否。
やはり手にした権力は譲りたくないという事で、アウン
・サン・スー・チーさんを軟禁。
解放→軟禁→解放→軟禁と解放期間は少しあるものの
もう20年近くも自宅軟禁状態というひどい状態。
じゃ、軍事政権側も、アウン・サン・スー・チーさんを
【国外追放】などにしてしまえば手っ取り早いじゃないか?
と思うが、このアウン・サン・スー・チーさんのお父さんは、
イギリスからの独立を主導した国民的英雄・政府軍創始者
アウンサン将軍(ビルマ建国の父)として今も敬愛を
集めている人物なため、あまりひどい行動には出られない
という背景がある。でも、自宅軟禁でも十分ひどい扱い
だが・・(笑)

今回の10万人のデモの中心は、ミャンマーの僧侶。
僧侶は、普段、政治には口出しも参加もしないそうだ。
しかし、今回は上記のようにひどすぎるために立ち上がった。
同時に、アウン・サン・スー・チーさんの解放も訴えて
いるが、残念ながら、軍事政権側の武力制圧が終わった
と聞いている。

この先の道は、軍事政権側にもアウン・サン・スー・チー
さん寄りの人間達が少なくないという。
その人たちが民衆側について反乱を起こし、軍事政権を
【力】で押さえつけない限り、なんだか、民主化は
難しい様相だ。

日本という国はどれだけ幸せな国なのだろう・・と
ホント実感する・・。