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柏崎刈羽原発・放射能洩れ

日本の国土には、今現在、全部で55基の原子力発電所
(以下、原発とする)がある。今回、震源地から東京電力
柏崎刈羽原発までの距離が約9kmという事で、地震の揺れが、
耐震設計の想定の2.5倍の揺れが観測、想定をはるかに
超えていたという・・。
で、排気筒のダクトのずれや廃棄物のドラム缶の転倒など
50件ものトラブルが起きた。
黒煙を上げた敷地内の3号機の変圧器での火災も

【変圧器の絶縁用の油が燃えた】

って・・地震の揺れで【絶縁用の油】がそんなに簡単に
燃えちゃうの??(◎_◎;
さらに、その消火に【約2時間】もかかったという恐ろしい事実・・。
東京電力では、どの原発でも火災が生じた場合、自主的に
消火する事にしているという。
しかし、今回は【消火用水の水圧が低下】していて機能せず・・。
また、別の場所では【消火用の水を送る配管が損傷】し全く機能せず。
職員4人は現場で傍観・・。
結果、地元の消防隊の到着を待たざるを得なかったというお粗末ぶり・・。
地震の際には、当然、地元消防署も消防車が出払って1台も
いない可能性は十分にある訳で、その時はどうするのか?と思うが、
なんと、今回の地震で、

【地震による火災については国の指針にも明示的な規定はない】

と、その際の対策はなされていないだけでなく、マニュアルすらも
なかった事も発覚している。しかも、それが【全原発】において
存在しないという恐ろしさ・・(-_-;)

それだけでなく固体廃棄物貯蔵庫では、【低レベル廃棄物のドラム缶】
が転倒でフタが開いてしまっているというバカバカしい内容・・。

【低レベル廃棄物は転倒しただけでフタが開くレベル】

で保管されていた・・というお粗末さも露呈・・。

使用済みの燃料を保管するプールも、もちろん地震では揺れる。
よって、放射能を帯びた水が飛び出す事も想定できる。
しかし、そんな事はきちんと考えられているのか?と思ったら、
6号機ではそれも簡単に外に出てしまった・・さらには一番新しい
7号機では、排気筒のダクトのずれなどというあらかじめ想定できる
内容で、しかもマニュアルでは送風機を止めなきゃいけなかったのに
忘れてて回しっぱなしにしちゃったから、放射性ヨウ素なども放出
しちゃった!新しいのにごめんね!ウフ!みたいなお粗末さというより
他人事の恐ろしさ・・(-_-;)

今まで何度も電力会社は胸を張って

【日本の原発は地震がきても安全】

と眉唾的な発言を繰り返していた。さらに、日本の原発耐震指針
は昨年9月に約30年ぶりに

【マグニチュード(以下、Mとする)6.5の直下地震を想定】

と強化された・・が、今回の地震は【M6.5】・・(-_-;)
柏崎刈羽原発は旧指針に基づいているから・・というが、結局は
原発耐震指針が強化されようが、胸を張ろうが、全て【根拠のない嘘】
である事が今回の地震で露呈した。
しかも、柏崎刈羽原発は一番古い1号機でも1985年、7号機だと
1997年という国内でも新しい方の原発である。これが老朽化していた
原発だったらどうなっていたのか?(^-^;

やはり、80年代の反原発運動の時から、反原発側が何度も
原発そのものが怖いだけでなく、

【原発に携わっている人間達の危機管理が低い事】

が怖いのだと叫んでいた。
それだけでなく、北海道、東北、東京、北陸、中部、関西、中国、
四国、九州、沖縄電力と10電力会社が存在するが、これらの
電力会社で、原発においての意見交換や事故の事例の共同の
取り組みなどは、ほとんどなされていないという怖さもあると
指摘されていた。
どういう事か?というと、中部電力で原発の事故があったとしよう。
するとその情報は中部電力内で隠されてしまうために、他の電力会社
にその情報がいかないのだ。
だからせっかくの事故が何も生かされないのが原発なのだ。
そこに国民を守ろうという事ならば、その事故を全ての電力会社
に伝え、総点検するなり教訓にするなりできるのだが、自分たちの
ミスを知られたくないがために、情報公開せずに隠し、自分たちの
立場を守る事に必至なのが原発なのである。

話はそれたが、あれから20年たっても、まだ【原発に携わっている
人間達の危機管理が低い】ままである事は今回、きちんと証明された。
かわいそうなのが、この状態においても地元としては【止めろ!】
と言えない背景があるという。
東京の電力のために、地元民達は血縁をぶったぎるレベルで本当に
苦しんでいる・・。

【原発&放射性廃棄物】を自分のそばに欲しいという人は誰もいないだろう・・。
だから今まではお金が欲しい過疎地の自治体を札束でひっぱたいて
原発を造ってきた。そろそろどうだろう?いっその事、国&東京電力は
80年代に広瀬隆氏が掲げていた

【新宿中央公園に原発を!】

という事を実現したらいかがであろう?>自分たちの電力は自分たち
の都市で作る。その際のリスクとして、自分たちの電気のための
事故の結果もきちんと受け止める。

【大都市では有事の際は大きな被害が出る!】

という人もいるだろうが、そもそもそうならないように原発は
造られていると胸を張っているのだから大丈夫なんでしょ?(笑)
電力会社&国の皆様・・。
でも、仮に今回のように有事の際は、自分の知らない田舎で起こる
出来事だから知らね!という都会人の無責任な希薄さを改善する
ためにも必要な事だと思うのと、そうなっては困るのであれば、
自分たちで独自で調べる第三者機関の調査介入も認めるように
【法】を作ればいい・・。
何度も言うが【原発に携わっている人間達の危機管理が低い】の
だからそれは当然だろう・・。この様に、少なくとも、政令指定都市
は自都市で電力を作る事を義務づけてはいかがであろう?

あと、罰ゲームじゃないが、電力会社の建物には屋上にでも敷地内
にでも【ミニ原発】を造り、自分たちの頭の上で稼働する原発を
毎日見つめながら対策を考え、危機意識を高めて頂きたい。

地球温暖化を背景に、二酸化炭素をほとんど出さない原発には
世界的な追い風が吹いているそうだが、二酸化炭素放出以前に
放射能を出すのでは京都議定書どころか本末転倒である。
今や東京電力の生産電力の42%も占めるのが柏崎刈羽原発で、
このまま停止では夏の電力不足が懸念されるとな・・。
しかし、他の原発の対策のためにも今回のすべての【どうして?】
の部分をキッチリ解明してからでないと始動しては困る・・。