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小学校の校内暴力

「公立小学校の児童が2005年度に起こした校内暴力は2018件
(前年度比6.8%増)で3年連続で増加し、過去最多となったことが、
 文部科学省の「生徒指導上の諸問題の現状」の調査で分かった。
 このうち、児童が言動を注意され逆上して足をけるなど、教師への
 暴力は過去最多の464件で、前年度比38.1%増と急増ぶりが目立った。
 校内暴力のうち、最も多いのは児童間暴力の951件(4.1%減)で、
 他に器物損壊の582件(7.0%増)など。校内暴力で11人が警察に
 補導された(学校外15人を含めると計26人)。
 また、小5の男児1人が器物損壊で10日間の出席停止となった。
 問題行動を繰り返す児童生徒がいる場合、他の子どもの学習権を
 保障するため市町村教委が保護者に命じる制度で、出席停止の用件を
 明確化するなど適用しやすくした学校教育法改正(2002年1月施行)
 以来、小学生では初めて。」

自分の子供のクラスの話などを聞いていると、人ごとではない・・。
本当に先生が困っている。ここでは「暴力」の数字だが、言葉の
暴力は入っていない。今、言葉の暴力は凄まじく、

「ウザイ」「キモイ」「死ね」「ハゲ」「デブ」・・・

毎日、遊び感覚で生徒達に言われ続けている先生の姿を想像して
欲しい・・さらに

「静かにしなさい!」「前を向きなさい!」「一列に並びなさい!」

こんな事を6年生に毎回言わないといけないだけでなく、言っても
聞かない・・しかし、先生は体罰をしてはいけないから、悪い子を
殴れない、立たせる事も出来ない、うるさいからと「授業を受けたく
ないのなら教室から出て行きなさい」と言おうものなら、本当に
教室から出て行き、学校の外へ遊びに行ってしまう始末・・。
さらに子供達は

「体罰をしたら先生はやめさせられちゃうんですよね!」

という事を平気でいう。確信犯なのだ。
さあ、この現状、あなたが先生だったらどうしますか?
やはり日本の縦社会ではないが、「教える者」と「教えられる者」の
垣根が低くなり友達感覚なのと、親が無能になっているのと、先生の
「薄さ」が見抜かれているのが大きな原因と自分は考える・・・。

その証拠に、NNNドキュメントで描かれていた「スウィングキッズ〜
熱血教師と少女の絆」に登場するすぐ頭に血が上る大西隆教諭(57)など

「体当たりで接しなければ子どもの気持ちが離れてしまう」

といつも怒っている。(笑)大人から見ても、思わず「気を付け」を
してしまうような迫力の先生だ。
でも、子供は努力し、ついてゆく・・。
小学生ではないが、同じくNNNドキュメントで描かれていた
「書道ガールズ」を率いる愛媛県立三島高校の服部一啓先生(36)も
優しそうな顔で、偏見かもしれないが、書道部なのに、体育会系並の
相当なる迫力の先生である。だから、その先生の言葉も重い。

「字の上達は墨と紙の量に比例する」
「指導者は生徒を上回る努力をして当たり前」

と、どんなに夜遅く家に帰っても筆を握り

「自分が生徒の書くような筆遣い、速度で書いてみる」

と生徒に合わせて「生徒が悩んだら生徒の目の高さで考える」という。

「生徒のためにというよりも自分の勉強」
「生徒の(手本)だからと手を抜くと自分が何をする時も手を
 抜くようになる」

と自分にも常に厳しい。
きっと、先生の凄さもそうだが、こうした先生を育てるべく、
校長先生なども、逃げたり自分の立場だけを考えるのでなく、

「問題が起きたら校長のこの私が全部受け止める。心配するな!」

位の器が、きっとあるのではないか?と想定する。
百マス計算で有名な陰山先生も「必ず、できるようにしてやる!」
と断言して生徒の気持ちを盛り上げていた。
子供達は目的さえ与えてやればがんばるのだ。
塾の先生の飽きさせない授業の工夫や、わかりやすさ・・それらを
体験してしまった今の子供達は、塾の先生よりも学校の先生のレベル
が下である事がわかってしまった。
ある塾の夏休みの合宿をあるテレビ番組が追いかけていたが、それは
それは先生が厳しい・・。
部屋で靴が乱れていようものなら、すかさず先生の怒号が飛ぶ。
お風呂でのマナーもそれはそれは先生が強烈な語調でまくしたてるか
のように注意を促す・・。

やはり先生はそれで良いと思う。
学校のルールを守らない者には、その生徒が恐ろしがる程の迫力で
教育する。必ず怖い先生には一目置くのだ。
そして、その迫力を持つ先生達をつくるのは、校長先生や教育委員会が
がんじがらめにするのではなく、器を大きくする事だと思う・・。
そして、先生・・国旗・国歌の起立にうつつを抜かしている場合じゃ
ない・・。