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和田義彦氏・盗作疑惑

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「今春の芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した洋画家の和田義彦氏(66)が、主な受賞理由となった昨年の展覧会に出展していた作品 「盗作」を多数指摘する匿名の投書が4月に社団法人日本美術家連盟にあり、今月半ばには同庁にも寄せられたことから調査を開始。現時点では十数点が似ていると判断している。」
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あまり気にしていなかったが、
テレビで観てビックリした。(^-^;
盗作されたと主張するローマ在住
のイタリア人画家アルベルト・スギ氏
(77)の作品と芸術選奨文部科学
大臣賞を受賞した和田義彦氏の
作品を並べてみるとこれは素人目
にみても

「かなり似ている、というよりそっくり!」

でしょう!(笑)
構図などが似ている、ある群像画
では、踊る人の手足の形など
細かい姿勢が一致。背景以外が
酷似した人物画や抽象的な描線
まで似た作品が十数点あるという
のだから、どう考えても

「意図的」

でしょうね。和田氏は「似た作品」の
存在は認めながら

「スギ氏とは交流があり留学中に影響を受けた。酷似しているのは一緒にデッサンしたり同じモチーフで制作したもので、盗作ではない」

「1970年代にイタリアに留学して以来、スギ氏とは長い付き合いで、留学当時は一緒に習作やデッサンをして芸術的な影響も受けたが、盗作ではない」

さらに和田氏は、

「はめられていますよね完全に。無差別テロに。絵描きの専門家が私の絵とスギさんの絵を見たら、そんなの明らかに違いますし、そんな事はですね、絶対にタブーなんです。盗作というのは!」

と強気な主張している。
共作だとしても、下記の画像の絵は、
向かって左がスギ氏の「妻と夫」で
1976年発表、右が和田氏の
「宴の後」2005年発表と、和田氏は
共作作品を30年も後に発表して
きた事になる(笑)

ファイル 677-1.jpg

一方、スギ氏は

「コピーであり、やりすぎだ。あり得ない話」
「彼の作品は私の作品から盗作したものです。恥知らずのやり方で盗んだんだ。」
「2人の共同作業は一切なかった。彼(が来た時に)は私のアトリエで写真を撮って帰っただけだ」

と、和田氏は、以前にスギ氏の所へ
行くとスギ氏の作品を写真で1枚1枚
撮影していたと主張。
しかし、スギ氏によると、その強気な
和田氏だが、実は5月にローマの
スギ氏宅を訪問し、泣きながら謝罪
したという。
その時に、スギ氏に

「ただひとつお願いがあります。私を訴えないで下さい。肺の重い病気で先も長くない。」

と訴えたという。それを聞いたスギ氏は

「ここで、泣きながら謝る、病気で死にそうだとそういう人に、似た絵を描いてどうしてくれる?と言えますか?私は何も言えませんでした。とにかく、訴えたりしないと言いました。」

すると、和田氏からスギ氏宛に
後日、FAXが届いたという。それは

「1つだけお願いがあります。あなたが何度も約束してくれた事を、書面で保証してもらえないでしょうか?つまり私を訴えないと・・」

という内容だった。
ずいぶんと自分の保身しか考えない
「むしのいい話」だよなぁ・・(^-^;
盗作疑惑に強気なのも、スギ氏から
訴えないという確約をもらっていたから?
という部分を、素人目にも強く感じる。

しかし、余計なお世話ですが、こうして
スギ氏や色々なマスコミによって、
外堀を埋められてしまっては、もう、
先に記者会見をしても疑惑を払拭
するのは難しいんじゃないかな?

いずれにしても、今となっては、
全ての面で、和田氏とスギ氏双方
の言い分が違う・・とは言うが、
それ以前に、啓蒙されただの感化
されただのはわかるが、和田氏
自身は自分の感性があって自分の
絵を描いているんでしょうから、
何もあとからこうして指摘される
ようなマネをする必要は無いと思う。

自分の感性で描けば良かった。

でも実は芸術家というのは、その
自分の感性が無い場合には新しい
アイデアというのはすぐになくなり、
何も浮かんでこなくなったあかつき
には「盗作」に走ると言われている。

あとは、知らず知らずのうちに自分
の地位が上がってしまい、自分の
感性ではそれを守れない感性に
廃れてしまったが、今の自分の
地位をどうしても守らなくては
ならない!って時にも、やはり「盗作」
してしまうと言われている・・。

和田氏はそのどちらにも合致して
いるように思う。

でも、簡単に書いたが、感性を
研ぎ澄まさせ続けるというのは
大変な事であり、同時に、その位、
芸術界で生き残るのはすごく
大変なんでしょうね・・。(^-^;

美術評論家の瀬木慎一氏は

「ほかの作家の作品を使う行為は多くの巨匠もしているが、これは全然違う次元の問題だ。」

と話している。

 文化庁芸術文化課は「絵が似て
いるのは事実。両者の意見を
確認し、どう見るかの判断を
専門家にしてもらったうえで
対応したい」と話している。

さらにスギ氏から盗作の正式な
指摘が出れば、芸術選奨を選考
した審査員に諮る方針だという。

そして5月31日、和田氏が
2002年に「安田火災(現損保ジャパン)
東郷青児美術館大賞」を受けた
作品も、スギ氏に同様の構図の
作品があることが分かった。

盗作と認定されれば、授賞取り消し
も検討するそうだが、スギ氏にも
謝罪もしていて、これだけ似ていりゃ
仕方ないだろう。(^-^;