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【17型コラーゲン】という光(Part.2)

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原因は、たんぱく質減少 治療薬開発へ、仕組み解明 医科歯科大チーム
(毎日新聞・2016年2月5日)
 加齢によって薄毛になる仕組みを解明したと、東京医科歯科大の西村栄美教授(幹細胞医学)らのチームが5日付の米科学誌サイエンスに発表する。毛を作るのに必要な毛包幹細胞(もうほうかんさいぼう)を保護するたんぱく質「17型コラーゲン」が加齢に伴って減少、毛包幹細胞が毛穴の奥から皮膚の表面へと移動して、フケとして落ちてしまうという。【斎藤広子】
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まず始めに、このブログにも

「17型コラーゲンを含む食品」

の検索が凄いが、通常のコラーゲン
同様、 仮に【17型コラーゲン】を
多く含む食品を口から摂取しても
【17型コラーゲン】が増える事は
ありません
・・。
この先、出てくるであろうと予測される

「【17型コラーゲン】健康補助食品」

とかには、特に騙されないようご注意
してくださいね!(゚-゚)b

それを前提で、今回の東京医科歯科大
の発表・・やはり【17型コラーゲン】
がキーなのか・・という事が印象付け
られた形だ・・。

で、「【17型コラーゲン】という光」と
いう事で、そもそも【17型コラーゲン】
ってなによ?という事を詳しく知りたい
方はそちらで説明してあります
から、
今回は説明を省きますが、それも今から
5年前に東京医科歯科大と金沢大、弘前大、
北海道大、などの研究チームが、2011年
2月に米科学誌セル・ステムセルに発表
したのも同じ時期・・。

その5年前にわかった事は、
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○17型コラーゲンがTGFベータのシグナルにより、毛包幹細胞をつなぎ留め、毛包幹細胞が自ら増殖すると共に角化細胞を生み出すという機能を維持するのに必須である。
○17型コラーゲンが毛包幹細胞に隣接する色素幹細胞の働きをも維持している。
○毛包幹細胞を含む基底細胞でのみ17型コラーゲンを発現させると一連の異常がすべて回復する。
○17型コラーゲンが、毛包幹細胞から欠損すると、隣接する色素幹細胞にTGFベータのシグナルが入らなくなり消滅し、毛包幹細胞をも消滅させてしまい毛が生えなくなる。
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という、【17型コラーゲン】が

【TGFベータ】のシグナルを受けて、

【毛包幹細胞】のを分裂・増殖・分化

させる事により【維持】し、白髪と
脱毛を抑制するという

【ニッチ細胞(幹細胞を支える細胞)】

として機能する事がわかった!という
光のあるメカニズムだった。

通常は上記から【毛包幹細胞】において
【17型コラーゲン】があると自ら増殖
し、それを維持し、異常が発生すると
回復させるのだが、今回は、
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○加齢に伴い、【毛包幹細胞】の【DNA】に損傷が蓄積されると、【働かなくなった毛包幹細胞】において【17型コラーゲン】を分解する物質が分泌される
○やがて【毛包幹細胞】は加齢と共に自己複製をしなくなり、徐々に表皮へと移動して、最後はフケやアカとして落ちてしまう
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という【働かなくなった毛包幹細胞】は
加齢と共に【17型コラーゲン】が分解され、
やがて髪を作る【毛包幹細胞】が皮膚上に
押し出され剥がれて無くなってしまう事
がわかった。

なるほど!こうなると、今まで自分の
現場でも「毛穴」がある所は、まだ
髪が生えて来る望みがあるのだが、
「毛穴」が無くなった場合には難しい
とされてきた線引きの部分である。
しかし、なんで「毛穴が消滅するのか?」
については、確かに何も情報が無かった
に等しい・・。
その理由が今回の理論でハッキリした
事になる・・。

そして、マウス上では

【17型コラーゲンが失われないように遺伝子操作】

する事はできるようだ。
という事は、この先「遺伝子治療」が
できるようになる時代がくれば、いとも
簡単に色々なものが治せる時代、そして、
逆に色々な人を意図的に病気にできる
時代がくるんだろうなぁ・・(^-^;

と話が逸れたが、これがわかると、次の
疑問が湧いてくる・・。

加齢によって、実は男性においては
ヒゲや脇毛、陰毛、胸毛など体毛が
年齢と共に濃くなる事はあっても、
どんどんと薄くなるとは聞いた事が
無いという現象が起きる。

とすると【17型コラーゲン】が、男性
はヒゲや脇毛、陰毛、胸毛、眉毛、
耳毛など特定部分の体毛では活性化
している事が考えられる・・。

では、なぜそれらの部分だけ、加齢による
活性化が起るのか?

まぁ、今後【働かなくなった毛包幹細胞】
になる前に【17型コラーゲン】が活性化
する薬が出来たら、活性化し過ぎている
体毛などの【毛包幹細胞】は、もっと
活性化してしまうだろうから、それが
クリアされる薬は、自分が生きている間
にはできないだろうなぁ〜と思う・・。
それだけ人体は凄い!という事でも
あるんですけどね・・(^-^;(笑)