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64回目の【原爆の日】に考える

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何度も書いているが、8月6日、8月9日を中学生、高校生が
この日が何の日なのか?知らない子供達が増えている現状は
悲しい限りである・・しかし、それも無理はない・・。
8月6日は広島市、明日9日は長崎市で64回目の【原爆の日】を
迎えるのだが、今年も、日本のテレビは自国民が【虫けら】に
扱われた【広島&長崎の原爆投下】をニュース以外では伝えない。
この大人の姿に中高生だけ責めるのは不条理だ。
これまた前にも書いているが、若者に向けてSMAPや嵐でも
使って原爆の特集番組でもやればいいのに・・。

で、今年はオバマ米大統領が4月のプラハ演説で

【アメリカは、核兵器国として、そして核兵器を使った事が
 ある唯一の核兵器国として、行動する道義的責任がある。】

と核兵器廃絶を訴え、アメリカは核廃絶に向けて行動する
【道義的責任】を負う認識を表明した。
しかし、この演説にフランスは

【核なき世界に不快感】

を示し、ロシアも

【アメリカのMD能力が制限されない限り、核弾頭数を
 1500発以下に減らす事はできない】

自国のアメリカにおいては、ウォールストリート・ジャーナルは

【覆うべくもない広島への謝罪】

だとして、核使用を決断した当時のトルーマン大統領の

【功績への侮辱】

だとし非難している・・と正直あまり相手にされてない。
アメリカは日本のせいにして正当化をしてきた原爆に対して
謝罪なんて真っ平ごめんだ!日本は【核の傘】で守ってもらいたい
という事で、利害関係は強引に一致していた訳だからね。
が、アメリカがこうした発言に切り替えてきた裏には【経済危機】
がある・・もうアメリカ自体が軍事競争をしてゆく余力が
無くなってきているのだ。
さらにアメリカだけではなく、イギリス、フランス、ロシアも
同じく余力がないだろう・・事を見込んで発言している。
しかし、経済成長著しい中国は違う・・。
軍事費を上昇させ、核武装だけでなく、軍備を着々と進めている。
そこに北朝鮮も混ざり始め、後進国は核武装しないければ安全
でないだけでなく、発言力も無い事に気付いてしまっている。
そう、今までは先進国のみで、ああだこうだやっていれば
良かったが、昨今はすごいスピードで【新しいバランス】に
切り替わっている事、そこのスピードを抑えるためには、世界の
核弾頭の90%以上を保有しているアメリカ&ロシアの核削減が、
まず先決である事をアメリカはわかっているのだ。

日本は、その後、アメリカの大統領が、オバマ大統領からまた誰か
に替わったら、違う事になってしまう可能性を考えたら、オバマ
大統領の時代に、プラハ演説に乗っかって核廃絶に向けてアメリカ
を誘導する勇気をもつべきである。
個人的には【経済危機】も手伝ったが、アメリカへチクチクと
小さな圧力になっていたひとつに1996年12月5日に世界遺産に
登録された【原爆ドーム】があると思っている。
世界遺産の登録にあたっては、アメリカが猛反対したが、やはり
世界で初めて核兵器が使われた結果としての歴史的存在存在感は
凄かった訳で、アメリカの力をもってしても登録阻止はできなかった。
その代わり【世界で初めて使用された核兵器】の文言を削除させた
という往生際の悪さを露呈してね・・(笑)
日本という国は【原爆ドーム】を見て、【原爆記念館】を見て、
【原爆記念館】の中においても、あれだけの犠牲が出たのに、
アメリカの戦争責任について触れないだけでなく、自分のように
【アメリカの原爆は2発は実験だ!】などと罵る事もなく、淡々と
原爆の悲惨さを無言で醸し出している。
それらを、アメリカもその目でみたら、例え、アメリカとしては
正当防衛であっても、ジワジワと

【人道的な責任】

を良心の呵責に苦しんでいくはずである。
原爆投下は間違っていなかった!としても、その苦悩からは、
今後も解き放たれる事は無いはずである・・。
でも、オバマ大統領のプラハ演説がアメリカの苦悩を解き放つ1歩
だとするならば、今後は核縮小と同時にアメリカが謝罪をして
日本がそれを赦す・・そこを上手に誘導してゆく力を持つのは、
やはり被爆国の日本だけだと思う・・。
オバマ大統領自身【私が生きている間には達成できないだろう】と
認めているように、核兵器廃絶の実現には極めて難しい・・。
個人的には、悪いが【出来る訳がない!】と思っている。
でも、そんな自分の発言が頭の狂った奴の戯言・・と
笑われる時代が訪れて欲しいと願う・・。