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プライマリーバランスと赤字国債(前編)

小泉政権以降、

【プライマリーバランス(基礎的財政収支→行政サービスに
 使う政策的経費を借金せずに税収などの毎年の収入で
 まかなわれているかどうかをみる指標)の黒字化】

という【国際公約】を受け、【赤字国債】の発行を抑制して
きた。福田康夫前首相も「バラマキと【赤字国債】はダメだ」
と厳命していた。しかし、今回、麻生内閣が【追加正予算案】
において、極力抑えるが、

【赤字国債発行もやむなし】

的な流れになってきている・・。
ご存じの通り【赤字国債】というのは、国民に国が借金をする
という事であり、現在すでに300兆円超えの【赤字国債】の
残高がある所に、さらに発行(借金)をする事を考えている。
とはいえ、日本の【国債】はその殆どが国内で消費されている
という日本独特の大きな利点がある。この利点はアメリカのように
【国債】を海外に頼りきっている国とは解釈がかわってくる。
ニュースなどではよく、この【赤字国債】は【家庭の借金】という
事で例えられますが、これは別に奥さんがどこかで外でサラ金や
友人とかから、ご主人に内緒で借金をしてくる事ではない。
ここを間違えて理解している人が多い。
あくまでも、家庭内の収支の中で、奥さんがご主人のお小遣いを
前借しているようなものなのだ。
だから【赤字国債】によって家庭内の収支に増減がある訳ではない。

簡単に説明すると、月に40万円のご主人の給料があった時に、
ご主人のお小遣いが5万円とした時に、奥さん【国】は、
ご主人【国民】のお小遣いから4万円を借金してきて、
ご主人には1万円のお小遣いが残る事になる。
この4万円が【赤字国債】なのだ。
しかし、今度は次の月になると、

【今月は返せないのぉ〜ごめんね!あなた!でも、今月もなんだか
 ピンチなのぉ〜あなたのお小遣いからまた借りるわね!ウフ!】

という事で、今月もまたご主人のお小遣いから4万円を借金する。
前月の借金も含めると、すでに8万円・・。
さらにその次の月に、またまたご主人のお小遣いから4万円を
借金する。前月、前々月の借金も合わせると12万円・・。
で、年間になると、4万円×12ヶ月=48万円・・(笑)
さらに10年で480万円・・となり、もう自分の子供の代になっても
返せないよぉぉぉ・・と悩んでいる奥さんが【国】という訳だ。
ただ、国債は期限が来たら国民に返さなければいけない。
奥さんとご主人の関係で考えるならば、ご主人が1年経ったので、

【おい、いいかげん、せめて1年分の48万円は返せよ!】

と言われた事と一緒になる。さあ、奥さんはどうするのか?(笑)
ここが凄いのだ!もちろん、奥さんの手元には、そんなお金はない。
全部、使っちゃっていますから・・(笑)
そこで、ご主人が今まで1万円のお小遣いを使わずに、必死に貯めて
いた壺の中にあるヘソクリのお金の中から、48万500円を奪い取って、

【はい!あなた・・48万円+500円は利子よ!ウフ!】

と返すのだ。(笑)で、ご主人は

【やった!500円の利子がついて返ってきた!うれしいな!】

という事で、壺のヘソクリの中へ48万500円を戻すのだが、自分の
ヘソクリが、すでに48万500円無くなっている事には気付いて
いない・・(笑)
というように、【500円の利子】は実際には国債の大部分を
日本銀行(以後、日銀)が持っている訳ですから、実際に利子は
日銀に払う事になる。これは日銀の【経常利益】となり、政府に
返す事になっている。つまり、政府は利子をそのまま受け取る事
になり、自分で自分に払う事になるから、実質、利子は払わなくて
よいのである。(笑)
この構図からも、国の【赤字国債】は財政破綻が話題にされるが、
先にも書いたように、ほとんどが外国から借りた借金ではないので、
決して財政破綻はあり得ないのだ。ただ、今現在、ご主人の
お小遣いが戻ってこないというだけの話・・。
だから、良く、国民の総預金額まで到達していないので、まだ大丈夫!
なんて意味合いの事を言っているのが、ここの部分なのである。
政治家も

【俺の代は返せないけど、後の人よろしく!】

という事でこの場は収まる。だから安易に頼るのである。

とはいえ、ご主人のお小遣いから借りたお金が、孫の代まで
奥さんが返せないという状況なのは確かだ・・。
そして、気をつけなければならないのは、ご主人のお小遣いを
前借りした奥さんが、家庭の大切な事に使うのでなく、ブランド品
のバッグや宝石などの贅沢品ばかりを買っていたら、家庭内の
生活は全然良くならない・・というように、国の【赤字国債】の
使い道がとても大切であり、国民が監視しなければならないのです。
マスコミは【歳出削減】をして、この先に【増税】で消費税UPは
やむを得ないといった方向の報道が多くなってきているが、
やはり学校の地震対策や、劣化した道路整備ではないが、必要な
所には、きちんと歳出しないといけない。
実際、優れた公共投資は、【所得】【雇用】【税収】というように
手軽に【一石三鳥】を生み出す・・常に【公共事業を!】と政治家
が叫ぶのは、【一石三鳥】で終わらず、さらに政治家自身への
見返りも見え隠れする投資であるという【一石四鳥】なのが
辞められない理由でもある・・(笑)

後編に続くぅ〜

■プライマリーバランスと赤字国債(後編)■
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