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無料はダメだって・・

東京都日の出町は9月17日日までに、75歳以上を
対象とした後期高齢者医療制度で、被保険者の
医療費の自己負担分を町が全額肩代わりし、
無料にする方針を決めた。
おいおいおい・・と難癖付ける前に、日の出町といえば
【廃棄物処理場】で有名な町・・。
そのため、実は東京都でも有数の金持ち自治体である。
こういった住民サービスは、個々の自治体としては特色
として魅力をアピールできるものなのかもしれないが、
全体としては社会のためにはならない・・。

【無料はダメだって・・】

これは、1982年に老人保健法が制定されるまでに、
老人医療を無料化した結果、治療が必要でない
老人で病院があふれ、病院が【老人サロン】と
化し、本当に病気でツラい人が待ちぼうけをくらい、
必要とする人達が適切な医療を迅速に受けられなく
なっただけでなく、病院で処方された薬を、

「飲むと具合悪くなるから・・」

と言って飲まずに捨てたり、肩が痛い、腰が痛い
と湿布をもらいながら、

「家族や知り合いにあげたり・・」

また、病院側も、飲まないのをわかっていながら

「薬を処方して儲けに走ったり・・」

と医療費を大量に無駄にした失策から、何も
学んでいない・・。

やはり自分もそうだが、人は無料にするとそれを
大切だと思わない。
その観点からも、医療を有難いと思えば、きちんと
その対価を支払うべきなのだ。
また、それを教えるのも自治体の責任である・・。
老人であっても、払える方にはきちんとお支払い
をして頂き、低所得で困窮している老人や、
個々の収入ではまかなえない本当に高額な
治療が必要な人に対して、補助を出せば良い・・。

申し訳ないが、将来に繋がるとは考えにくい事に、
今、急に手元にくるお金を浪費してしまうのは、
昔の政治手法でしょう?
長生きして欲しい!という観点から、どうせやるなら、
まだ将来につながる健康増進策に予算を割く
べきだろう・・。

日の出町・青木町長は、3億3000万円以上の
固定資産税収入を見込めるという、町が誘致した
大型ショッピングセンター

【イオンモール日の出】

のお陰でできると豪語していたが、所詮は
【打出の小槌】であり、一時的な補助金みたいな
ものだ・・。
ずっと必ず居てくれるならば良いが、記憶に新しい、
2008年4月に、イオンがやっている青森県・黒石市の

【ジャスコ黒石店】

が10年で撤退、地元商店街はこの大型SC進出の
影響で既に壊滅状態・・と企業など、採算が
合わなければすぐに撤退するからね・・。
同時に、このイオンのお陰で、青森の例のように
地場産業や地域商店街等に悪影響を与え停滞
するだけでなく、地場産業や地域商店街等が
壊滅する可能性もある・・となった場合、夕張市
ではないが、今度は、体が動ける多くの若い人が
外を目指し日の出町を出る・・。
そうならないためにも、やはり、【打出の小槌】に
頼らない街作り、若者が定住する街作りを
しなければいけない訳で・・。

ここいら辺で、読んでいる人は少し感じるだろう・・

【なんで、こいつは日の出町に住んでいる訳でも
 ないのに、文句を言っているんだ?こいつバカか?】

という自分に対する違和感・・(爆)●〜*
という事で、ここで、老人医療費の構成を説明
しないと、ただのバカになっちゃうので(笑)説明を
しますね・・。
読み終えると、きっとあなたも文句を言いたくなるはず・・。

老人医療費とは、現在の後期高齢者医療において
自己負担は1割であり、残りの9割を

【後期高齢者医療広域連合保険】

が支払います。
つまり、例えるならば、窓口で老人が1000円を
支払った場合、実際には病院には1万円の収入が
あり、残り9000円は【後期高齢者医療広域連合保険】
が支払うという訳です。
さらに、この【後期高齢者医療広域連合保険】の
9000円の内訳は1割は加入者である老人本人
(テレビでの天引きされていると問題視されている
部分がコレ)、5割は税金、4割が健康保険という
割り当てなので、9000円のうち、900円が加入者
の負担、残りの4500円が税金、3600円が健康保険
から支払われているのだ。
つまり、老人の自己負担額は1900円、残りは全部
他からお金を持ってくるという事である。

で、日の出町は窓口で老人が支払う1000円を
無料にする訳だ。
その事によって、先に危惧した、治療が必要でない
老人で病院があふれ、病院が【老人サロン】と化し、
毎日のように遊びに来るようになったらどうなるのか?
その9割の部分が、この日の出町の老人達にどんどんと
湯水のごとく使われてしまうのだ・・。

この様に、実は、この問題は日の出町だけの問題
ではないのである・・。

さらに、この先、この特権を活かしたくて日の出町
に移住してきた75歳以上の老人が増え、若者が消え、
その事で日の出町の医療費債務が仮に膨らんだり
した時に、同時に老人ばかりの街になり、買い物も
最小限しかしない事により、イオンが業績不振で
撤退・・一気に、日の出町が破綻・・などという事に
なったら、その赤字の穴埋めにはまた我々の税金が
使われる・・。
9割の部分を使い込まれるだけでなく、同時に、
もっと若い世代への負担を間接的にさらに増やす
可能性も秘めているのだ・・。

また、老人は年金生活で、お金がないのにこれ
以上の負担をさせるなんてかわいそう・・などという
事を本気で信じている人がいるとしたならば、
それはマスコミに洗脳されているので注意しましょう!(笑)

【個人金融資産1500兆円の世代別分布状況】

世代     資産   人口  一人当たり資産
29歳以下  10兆円   3918万人  25.5万円
30〜39歳  86兆円  1892万人  454.6万円
40〜49歳  172兆円  1568万人  1096.9万円
50〜59歳  330兆円  1924万人  1715.2万円
60〜69歳  494兆円  1577万人  3132.5万円
70歳以上  452兆円  1897万人  2382.7万円

【日経ヴェリタス(2008年6月15日発行)より】

と、なんと、日本の個人金融資産1500兆のうち
1200兆を、50歳以上の世代だけで所持している
のである・・。
老人全てを守る必要は無いのであって、本当に
困窮している老人だけを救えば良い事に普通の人
なら気付くだろう・・。

しかし、それがなぜできないのか?

選挙に高い確率で行く老人票を意識せざるを
得ないからである・・。
やはり若い人間が投票に行かないからこういう事
になる・・気付けば負担ばかりを強いられるのだ。

前にも後期高齢者医療の事を書いた時に
言っているが、

【おじいちゃんとおばあちゃんのお孫さん達の負担
 を軽くするために、おじいちゃんとおばあちゃん達
 からも少しお金を頂きますよ・・。皆さんで、この先
 にお孫さん達の喜ぶ未来を作ってあげましょうよ!】

という論点で、老人達にも伝えてゆけば必ず
わかってくれるはず・・。
少なくとも、両親や老人のお客様に自分が
そのように話した時には、10人が10人

「それなら仕方がないね」

と言ってくれます。
しかし、そうした論点の説得を民主党も自民党も
官僚もマスコミすらも全くやらない・・そう・・若い
人間が完全になめられているのである・・。
政治への無関心・・いや、知らない者には味方を
しないのが世の中だという事・・。