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負の連鎖が止まらない【1ドル=100円割れ】

凄まじい【ドル安=円高】だ・・。
何が凄まじいって・・2週間余りで急激に8円も
上がってしまっている・・(^-^;
今朝といっても、昨日の朝刊・・一般紙は

【1ドル=100円割れ】
【1ドル=99円台】

スポーツ紙は

【広末・離婚!】

と1面の見出しは対照的・・(笑)
ま、確かにスポーツ紙を読む人間に【1ドル=99円台】
と1面に置いても誰も手に取らないだろうなぁ・・(^-^;
と話は冒頭なのにずれたが、3月13日、欧州外国
為替市場の円相場が、米景気の後退懸念からドル
売り円買いが加速し、一時【1ドル=99円77銭】
を付けた。
欧州市場で99円台突入は1995年11月10日以来、
12年4カ月ぶりとな・・。
【ユーロ】の対ドル相場も過去最高水準で推移
しており【ドル独歩安】の様相・・。
しかし、米景気の後退懸念という理由だけでは
2週間余りで8円も上がってしまっている事への
説明にはならないだろう。
やはり、今回の急激な円高は100円の節目を狙った
投機的なドル売り、単純にドル安の局面なので
【ドル】の投げ売り殺到が加味されたと考えた方が
妥当だろう・・ただ、【ユーロ】や【ポンド】の
円相場はほとんど動いていないので、

【円高】

と叫ばれているが、単に【ドル安】というだけ・・(^-^;
【ユーロ高】はそのままという事は、当たり前だが
単純に考えると【ユーロ】を保持している者が多い
という事・・その局面で、

【ドル独歩安】

と、基軸通貨である【ドル】がこれでは、ちょっと
良くない。
例えば、原油を例にすると、1バレル=100ドル
だった時に、ドルが10%安くなると1バレル=110ドル
となる。しかし、【ユーロ】を持っている側、【ユーロ】
を基軸にしている側は、1バレル=110ドルになった
としても、自分たちの価値からすれば【ユーロ】は
変化していないので、何も変わっていない事になる。
従って、基軸通貨である【ドル】が安くなるにつれ、
どんどんと資源などが上昇してしまうので、日本に
とっての【円高】のメリットが出ないのだ。

しかし、それと日を同じくして、例に挙げたように
ニューヨーク先物相場で原油価格が1バレル=110ドル
を突破した。
金融市場がどこをどうみても非常に不安定なため、
ドル資産を原油や金などの現物商品へ避難させて
いる事が読める・・これは、さらなるアメリカの
景気後退を誘う可能性が高い。
さらに、ゴールドマンサックス証券は2008年〜2012年
にかけて、原油価格は1バレル=200ドルに達する
可能性があるというレポートを発表した。
これは、ちょっとやばい・・。
現在、アメリカは原油価格の上昇からガソリンなどを
中心に物価が上がっており、いわゆる【インフレーション】
になっている。通常、【インフレーション】の場合は

【買う人が多くて売る物が少ない】

場合に発生し、結果、好景気である場合が典型的な
教科書理論だ・・しかし今のアメリカは、そこに
【雇用者数の減少】【住宅価格の下落】【株価の下落】
と家計が悪化している所に、先に話したように、ガソリン
を中心に商品価格も上昇という【インフレーション】に
なっているために消費が減速してきている。
事実上、消費の自立回復が難しい状況・・。
【インフレーション】に【景気悪化】が加わる形になると、

【スタグフレーション】

という【雇用や賃金が減少する中で物価上昇が発生し、
貨幣や預貯金の価値が低下するため生活が苦しくなる】
という即効薬がない非常にやっかいな局面になる。
いや、もう、アメリカも日本もなっているといった方
が正しいかもしれない・・。

アメリカ政府は対策として、所得税の減税をし、それを
小切手で返すという政策を行っているが、実際、その
小切手が届くのは5月。さらに、来週にも追加利下げを
予定しているが、それが効果出るのは、今年の後半以降
というのが大方の予測・・。
しかし、日本はアメリカのように利下げする程の利率
もない所に、国会が空転、日銀の総裁が決まらない・・
と、この期に及んで何をやってんだか・・(-_-;)

そんな体たらく日本だが、実際、今回のような急激
なのは問題だが、このまま【円高】が持続するので
あれば、日本に悪い話ではない。原油などを輸入に
頼る日本にとっては、基軸通貨の【ドル】の下落は、
ドル建てをしている原油やその他の資源を安く買える
結果になる。という事は、このところの資源の高騰
の部分を相殺する面もあるからだ・・。
ただ急激な【円高】が進むと、輸出産業には打撃で、
自動車、電機など日本の輸出産業の競争力をそぎ、
業績悪化へ急速に向かってしまう懸念がある。
さらにそれを見越して、現在は、日本の得意なハイテク
や自動車関連株などが軒並み売られ、一昨日、日経平均
株価が今年の最安値をあっけなく更新した
だけでなく、昨日は、さらに約192円安の12241円・・
と前日の最安値をさらに更新してしまった・・。
でもね、そのお陰で東京市場の株価はバブル最安値の
時と同じくらいに割安・・。
しかし、割安でチャンスではあるけれども、バブルの
時と違うのが【行け!行け!】の雰囲気が何も無い
という事・・日経平均株価は9000円まで下落すると
読んでいるエコノミストが結構いる中、これは怖い
よな・・(笑)

それと【円高】は、ご存じの通り【海外旅行】や
【海外ブランド品】などの購入にはもってこいの
追い風展開だ。しかし、これも期待は薄い・・。
現在、【海外旅行】には【燃油サーチャージ】と
いう燃料の相場に連動した消費者が支払う加算料金
があるのだ。これが原油高のために【円高】部分を
相殺してしまう・・(^-^;
さらに、【海外ブランド品】だが、現在の日本に
人気がある、主流であるブランドは、ご存じのように
イタリアやフランスなどヨーロッパのブランドである。
そう、ヨーロッパは【ユーロ】である・・【ドル】は
関係ない・・(爆)●〜*
先にも書いたが、【ユーロ】との円相場は、ほとんど
動いていない・・。
という事は、現在の【ユーロ高】の局面では日本に
おける恩恵は少ない・・(笑)

そんな中、今回、はっきりと認識しておかなくては
いけないのは、日本経済の強さが評価されて
【円が買われた】のではなく、米国経済の不安から
【ドルが売られた】という事。
このまま【ドル安】がグングン続くとは考えにくいが、
現在【ドル】を下支えしているサウジなどの産油国が
【ドル安】がグングン続き、

【我々の資産が下がってしまう!】

という事で【ドル】から離脱するような事があると、
基軸通貨【ユーロ】の現実味が出てくる。このまま
【ドル安】が続いて、基軸通貨の【ドル】が揺らぐ
序幕なのか?それともアップダウンの中で単に
【ドル】が弱くなっているのか?のどちらかで
大きく変わってくる。

しかし、円高・株安・原油高の負の連鎖が止まらない
所に【スタグフレーション】の現実味・・。
この局面を、日本はどうやって乗り切るのか?
1980年代に原油価格が上昇して【スタグフレーション】
を招いたが、その時には原油価格がほぼ半値まで下落、
その後、物価が安定→バブル好景気に突入し、回避
されたそうだ・・。
やはり過去から学ぶならば、原油価格がカギを握って
いるという事か・・。
だとすると・・見通しは大変暗いと言わざるを得ない・・(-_-;)