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魅力的な人

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壮絶だったね・・1月27日の大阪国際女子マラソンでの
福士加代子・・昨年の12月の全日本実業団対抗女子駅伝
に登場して5区で13人抜きをし、福士選手が予想していた
より、あまりにも速すぎて、たすきを渡す相手がいない(笑)
アンカー湯田選手の準備が間に合わず数秒間の待ちぼうけ・・
なんてのを観ていて【すごいな!福士って!】と感動して
いた時と全く正反対の映像・・。

今年正月の箱根駅伝でもフラフラで倒れる選手が続出したが、
箱根の場合はすでに1回倒れた時点で大抵途中棄権していたが、
こうしたフルマラソンでも予測不可能なケガなどをふまえ
選手生命を考えると、ほとんど途中棄権するそうだ。
福士選手はその状態でも走り続けゴールまでにさらに3度、
前のめりに崩れ落ちた・・。
ちょうど、リアルタイムで抜かれる直前からゴールまで
昼飯食べられたので観ていたけれど、福士選手の膝の出血、
福士選手のお母さんの涙の映像も手伝って、もう最後は
自分も涙がボロボロだったよ・・。(T_T)

最初の方は、HDDプレーヤーで追っかけ再生で最初から
飛ばし飛ばし観ていたが、あれだけの強烈な独走状態だと、
その後失速しても大丈夫なんじゃないか?
とすら思うオーラを感じる程だったので、かなり安心感が
あったんだけどね・・。

【あんなにバネ使ってちゃ無理だよ、絶対に持たない。
 30km過ぎたらペースダウンするよ】

スタート直後の福士選手の走りを観た直後、高橋尚子を
育てた小出義雄氏は、こう分析し、小出氏の想像通り
予感は的中した。

急に福士選手の走りが当日変わった訳ではないだろうから、
永山監督は練習で福士選手のそのバネを使った走りを、
そうは分析していなかった事になる。
さらに、準備期間はわずか1カ月。30km走も1回だけ
という型破りな手法を選んだのも永山監督だろう。
結果、その1度も走った事のない30km過ぎという未知の
世界で急激にペースダウンした。それらの事を総合して
みても、やはり指導者の差というのは、こんなにも大きく
残酷なのだと実感する。

【10000mでもいっぱいいっぱいなのに、2時間も
 走りっぱなしなんて無理。映画1本見られる時間ですよ】

トラックでは日本では敵無しの福士選手だが、マラソン
挑戦をかたくなに拒み続けた。今回のフルマラソンの参加も、

【気が向いたから・・】

と、勝負の世界で、この淡々とした緊張を感じさせない
度胸というのは実はいざとなったら強かったりする。
その裏付けの自信がないと緊張はするものの度胸という
のは出てこないからだ・・。
今回も【競技場が見えてからは、まったく記憶がない】
という中、倒れながら笑っていたのも、福士選手そのもの
なんだろうな・・何も隠す事もない状態での【苦笑い】
みたいな・・(笑)
レース後、競技場を後にする際、初挑戦のマラソンの
感想を聞かれ

【おもしろかったかな】

と笑ったと報じられている。
最後のコメントまでも福士選手そのものを的確に表現して
いるんじゃないのかな・・。
だって【また、頑張れ!】なんて声をかける必要が全くない・・。
本人にはちゃんとわかっている。本当に魅力的な人だ・・。