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子供が子供らしく遊ぶ事が出来なくなる時代がそこまで迫って来た

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ボールよけ転倒死、男性の遺族が逆転敗訴 親の子供への責任「被害の予見可能性で線引き」 最高裁初判断
(2015年4月9日・産経新聞)
 小学校の校庭から蹴り出されたサッカーボールをよけようとして転倒した後に死亡した男性の遺族が、ボールを蹴った当時小学生の元少年(23)の両親に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が9日、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)であった。同小法廷は、「子供の行為が及ぼした被害に対する予見可能性の有無 で、親らが監督義務を尽くしたかどうかを線引きできる」とする初めての判断を示した。
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今回は、さすがは最高裁!
もちろん、亡くなったおじいさんは
不運だとは思うが、道路で子供達が
サッカーをやっていた訳でもなければ、
蹴ったボールが直接おじいさんに
当たったのでもない・・。
ましてや、骨折で死んだのでもない・・。

逆に、運転していたおじいさん側は、
そもそも学校の周りなら特に、常に
急な児童の飛び出しやボールが飛んで
来る事は想定して、有事の際には
きちんと停止できる徐行速度で走る
注意義務がある・・。

全てにおいて、地裁と高裁で両親側が
敗訴している事そのものが異常な世界
である・・。
二審の大阪高裁判決として

「校庭ならどう遊んでもいいわけでなく、
 この点を男児に理解させなかった
 両親は義務を尽くしていない」

って線路に石を置く・・じゃないが、
例えば、道路に向かってわざと事故を
起こさせるように狙い打ちしていた
のならともかく、普通にサッカーを
していて

「ゴールの枠から外れたシュートは
 いけない!」

なんて事を言いたいんだろうけど、
得点を狙って、100発100中ゴール
を外さないシュートなんて、プロに
だってできないだろうよ!凸(-""-)

全く、こんな裁判が日常茶飯事に
なったら、裁判の結果にかかわらず、
臭い物には蓋の理論で、学校での
野球やサッカーを子供だけでやっては
いけなくなる・・もしくは校庭を
使ってはいけなくなる・・。
それは防がないといけない・・。

これまでの子供が絡んだ色々な事例が
両親が監督義務を認め、両親側が敗訴
しているとはいえ、学校ではなく
両親を訴えている事がちょっと不可解
だった・・。

あくまでも個人的な妄想(想像)だが、
事故になって、おじいさんの損害保険で
骨折に対する補償は支払われていた。
恐らく、両親&子供も謝罪とそれなりの
金銭的な誠意は見せていたんじゃないか?
と思う・・。
しかし、その後、おじいさんが認知症に
なる訳だが、そこは恐らく保険が一切
下りなかった・・。
ならば、両親に、その責任はどうして
くれるんだ!と交渉しているうちに、
おじいさんが肺炎で亡くなった。

「そもそもは、お前らの子供が原因で、
 死んだんだから、死亡保障しなさいよ!」

という形の結果、タカりが始まった。

なぜ、そう感じるのか?

骨折の段階で、両親と子供がお見舞いに
行った際、おじいさんは子供に

「男の子は元気なくらいがちょうどいい。
 こんなんでくじけちゃいかん」

と逆に元気づけたと報道されている。
間違いなく、訴訟はおじいさんの意志では
無いという事だ・・。

両親は事故から1年半も経っているので、
直接的な死亡原因ではない・・と断った
ために、裁判になった・・みたいな展開。
そこに何らかの形で、弁護士が入り込んで、
複雑な形になった・・。

しかも、地裁、高裁と事故後1年半も
経っているのに、結果、肺炎で亡くなった
とはいえ、子供のサッカー行為と死亡との
因果関係を認めてしまうなど、狂った判決
が大きく味方した・・。

2004年から10年・・。

両親側が勝訴しても、子供の一番傷つき
易い「思春期」はこの事ばかりで過ぎ
去ったであろう・・。

先にも書いたように、これまでの事例も、
ほぼ無条件に親の責任が認められていた。
2005年キャッチボールの球が別の小学生
の胸に当たり死亡という事件、これは
両親に約6000万円の賠償命令(二審で和解)
2013年自転車で坂を下ってきた小学生が
女性と衝突これは母親に約9500万円の
賠償命令(二審で確定)、と、どちらも
二審、いわゆる高裁で結審(和解)して
いる・・。
そのため子供の事件は親が責任を取ると
いう手法の常識がある程度まかり通って
いたとも言える・・。

そこに歯止めをした今回の最高裁判決は、
大きい・・。

2つの事件の遺族には申し訳ないが、
子供側からしたらば、もしかしたら
この2件も最高裁まで持っていったらば、
もうちょっと判決が変わっていたかも
しれない・・。

とはいえ、今回の判決は親の監督責任を
「緩めた」と言うことでは無い・・。
たまたま偶然に損害を生じさせたという
出来事には、子供にそもそも責任が無い
と言う事と共に、親にも責任が無いと
いう事だった・・と受け取るのが正しい
と思う・・。

しかし、子供が子供らしく遊ぶ事が
出来なくなる時代がそこまで迫って
来た・・そんな事を危惧してしまうのは
自分だけだろうか?