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集団的自衛権・集団安全保障の一考察【Part.5(Last)】

【Part.4】からの続き・・!

という事で、そろそろまとめに入ろうと
思う・・(^-^;(笑)

まず、今の日本の平和であった現状は【第9条】が
あるから戦争をしないで済んだ・・のではない。
今までは【日米同盟】【日米安保】により、
世界最強軍備のアメリカが威勢を放って守って
くれていたから自衛隊は「運良く」【不戦】で
いられ、平和だっただけの話だという事・・。

そして、日本は、国際法上で認められた【自衛権】
を持っており、強引な憲法解釈でアジア最強の軍備
を備える【自衛隊】は存在し、国民にきちんと認め
られており、日本は戦争を放棄しているのではなく、
きちんと

「憲法は戦争を放棄したが、自衛の為の抗争は放棄
 していない」
「自国に対して武力攻撃が加えられた場合に、国土
 を防衛する手段として武力を行使する事は、憲法
 に違反しない」

という事で、これまた都合の良い強引な憲法解釈で
昔からそもそも自衛の為には「戦争のできる国」
であるという事・・。

また、今回の日本が今現在、論議している
【集団的自衛権】の話というのは、80%くらいは、
世界的に見て【集団的自衛権】ではなく、ただの
【集団安全保障】であり、PKO(国連平和維持活動
の事で、争っていた国&人間が、停戦後、再び争い
が起こらないように監視、話し合いの解決の手助け、
争いが終わったり国の仕組みや組織を整える手助け
などの様々な支援)での武器使用や、後方支援など
に代表される【集団安全保障】に関しては国連憲章
違反でもなければ、憲法違反でもない・・すなわち、
憲法改正の必要も無い・・。

そして、その【集団安全保障】の部分・・

【国連平和維持活動(PKO)・集団安全保障など

(武力行使に当たらない国際協力など)】

1)国連決議に基づく多国籍軍への後方支援

2)駆け付け警護

3)任務遂行のための武器使用

4)武装集団などに在外邦人の生命が脅かされた

際の領域国の同意に基づく邦人救出

例えば自衛隊のPKO参加時の武器使用(例として、
助けを求めに来た目の前でレイプされている現地の
少女を助けてるとか、武装集団に襲われて助けを
求めるNGOボランティアの人を助ける・・など)や、
駆けつけ警護(離れた場所で他国のPKO要員らが
襲われた時に自衛隊が駆けつけて武力を使って助け
守る)、後方支援(戦闘行為が行われる恐れがある
地域で自衛隊が他国の軍への物資補給など)などは、
国際法上の常識として、そもそも【集団的自衛権】
の行使には含まれない・・。
内閣法制局が、武器を使う可能性が出て来るために、

「武力行使との一体化」

などという世界的な「誤解」と「無知」により、
【集団的自衛権】の一部に入れて論議し、禁止
してしまったという事・・。

で、【集団的自衛権】においては、

「密接な関係のある他国への武力攻撃が発生・・。

日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から

覆される明白な危険がある場合に限り、日本の

自衛隊が一緒に反撃する」

という事で、公明党が手を入れたために、かなり
トーンダウンされ、実際にはほぼ【個別自衛権
(自国に対する他国からの武力攻撃に対して、
自国を防衛する為に必要な武力を行使する、
国際法上の権利)】の内容になった・・(-_-;)

【集団的自衛権】

1)武力攻撃を受けている米艦の防護

2)邦人輸送中の米艦防護

3)強制的な船舶検査

4)日本上空を横切り米国に向かう弾道ミサイルの迎撃

5)米軍が弾道ミサイル対応中の米艦防護

6)海上交通路における国際的な機雷掃海活動への参加

7)国際民間商船隊の防護

8)米本土が武力攻撃を受け日本近隣で作戦を

行うときの米艦防護

【グレーゾーン(武力攻撃に至らない侵害への対処)】


1)離島における不法行為への対処

2)公海上で訓練や警戒監視中の自衛隊が遭遇した

不法行為への対処

3)平時の弾道ミサイル警戒時の米艦防護

とはいえ、こんな事すら、個別の事例ごとに法案を
作ったり、毎回、国会で話し合っていたら迅速に
行動はできない事を考えると、世界標準では幼児
から大人になる第一歩の第二次成長期が来た中学生
になった感じの最低限の進歩だが、個人的には、
大変評価している。

なぜならば、

世界最強の軍備を持つアメリカが睨みを利かせて

くれていたから、戦後70年近く、日本が【不戦】
で
いられたたという【日米安保】【日米同盟】を
中心に
頑な日米関係による【抑止力】が成功して
いる
という「事実」と「実績」があるが故に、
実はいつまで
経っても日本はアメリカから
逃れられないまま
なのである・・。

表向きは、今回の【集団的自衛権】【集団安全保障】

は、もちろんさらなる日米関係の強化という側面
を
持ち、同時に反米勢力から敵対視される可能性
の
危惧はありつつも、実は、自衛隊側(日本側)
の
防衛的側面から見ても、外交的側面から見ても、

自立するための一歩を築くと同時に、将来的には、

アメリカに追従する外交関係から、例えば、簡単な

事で言うなら、米軍の基地を日本の自衛隊が
借りる
事も出来るようになる・・みたいに、それなりの

対等関係に今後発展するだけでなく、他国との
関係強化というアメリカ追従とは別な選択も
できるようになる訳で、将来的には、自国の
パートナーを自国自身が選ぶ事も可能になる
という事にもなる訳だ・・。

その代わり、関係する国が増えれば増える程、

その選択を間違えれば、敵対視される可能性も

アメリカ追従の現在以上に増大する可能性・・
という、
その先のメリットとデメリットは、

【表裏一体】

であるが、それは、仮に日本が将来的にアメリカ

から自立し、独立国家を目指すのなら、独立を

しなくとも、対等関係にするのならば、必ず

背負わなければならない宿命・・。

ただひとつ言える事は、今の段階では、日本は
自力では自国を守れないという事・・どこかの
国にお世話にならないといけない・・。
それが従来のアメリカにお願いし、アメリカ
追従型で自衛隊の防衛を最小限でとどめるのか?
アメリカ追従型を少しずつ減らし、他国との
連携などを含め、自国のパートナーを自国自身
が選ぶ大人の国の姿に変わるのか?
世界の、アジアのパワーバランスが刻々と変わり、
今、日本に、そして我々にその決断を迫られている。
いずれも、最悪の結果の時には血を流さない道は
ない・・。

個人的には、「戦争」「血を流す」「徴兵制」の
トリオで怯え、悪意を持って語るのはやめにして
むしろ戦争をしない為に、さらに今より一歩進んだ
【集団的自衛権】のステージを掲げ、各国と連携し、
結果、抑止力を強め、戦争で果てしなく血を流す
決断ではなく、多くの国で守るから、日本に戦争を
仕掛けるなよ!と抑止力で最低限の血を流す事で
自国を守る手段を、中国が世界の最大軍事大国に
なる前に日本は整える必要があると思っている。

さあ、今回の日本の【集団的自衛権】のレベルは、
小学生のレベルから中学生のレベルにランクアップ
するレベルではあるが、それでもあと2年はかかる
だろう・・。
まずは来年の通常国会での【集団的自衛権】に
関連する法律の整備が必要だからね。
ひとまず、今回の叩き台としての政府の提案は
大賛成である。