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阪急阪神ホテルズ&リッツ・カールトン大阪の食材偽装の凄さ!

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リッツ大阪:7年前から食材偽装 把握後も3カ月公表せず
(毎日新聞・2013年10月26日)
「ザ・リッツ・カールトン大阪」(大阪市北区)でメニューと異なる食材が使われていた問題で、同ホテルは26日、ホテル内の中華料理店で約7年間に わたり異なる記載をしていた事実を今年7月の社内調査で把握していたと発表した。記者会見したオリオル・モンタル総支配人は「公表が必要という認識が欠け ていた。深刻に受け止めている」と謝罪した。25日は取材に対し、阪急阪神ホテルズでの問題発覚を受けた今月22日からの調査で判明したと説明していた。
 同ホテルによると、問題の表示があったのは中華料理店のエビ2種類、ルームサービスで提供していた自家 製パン3種類、フレッシュジュース。このうちエビについては、他のホテルでの問題発覚を受けた調査で、ブラックタイガーを「車エビ」、バナメイエビを「芝 エビ」と表示していたことを7月22日に把握。すぐにメニュー名や食材を変えたという。
 パンとジュースは今月22日以降の調査で判明した。エビとパンは少なくとも2006年4月から異なる表示をしていた。ホテル側はこれらの調査結果を24日、消費者庁に報告した。
 同ホテルは返金に応じるとしており、週明けに専用窓口を設け、ホテルのホームページで告知する。提供した数や個別メニュー名などは公表しなかった。【石戸諭】
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いやいや、激震!である・・(^-^;
6年前の今頃、偽装で廃業した船場吉兆の記者会見だった。
その記憶を甦らせるかのような食材偽装問題が発覚した。

阪急阪神ホテルズが経営する8つのホテルの23の店舗で、
メニューやパンフレットの表示と異なる食品が47品目
もある事が発覚!
期間は2006年3月から今年9月までの7年半という長期
に渡り、利用客数は約7万9千人と8万人近くの客が
知らずに食べたという事件・・。
さらに、ザ・リッツ・カールトン大阪までもが、7年前
から食材偽装・・。

しかし、それに伴って行われた阪急阪神ホテルズの
出崎弘社長の会見、リッツ・カールトン大阪のオリオル・
モンタレ総支配人の会見は本当にひどいなぁ・・。
そもそも、偽装とは

【周囲のものと似た色や形にして姿を見分け
 にくくすること】

なのだが、出崎弘社長

「当社の従業員が意図を持って食品が誤った表示をして
 それで利益を得ようとした事実はございません。私も
 そういう認識でございます。」

「あくまでも偽装ではなく誤って表示した誤表示で、
 こちらの認識不足・知識不足・意思疎通・連携不足」

オリオル・モンタレ総支配人

「今回の件は誤表示(ミステイク)で偽装という
 認識はない」

ときた・・。
しかし、残念ながらそれを額面通りに受け取るのは
難しいほど虚偽表示は、驚くべき広範囲に渡っている・・(-_-;)
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○第一ホテル東京シーフォート・グランカフェ
 鮮魚のムニエル→冷凍もの含む
○吉祥寺第一ホテル・一寿し
旬鮮魚のお造り→マグロ冷凍もの
○ホテル阪急インターナショナル
ルームサービス
フレッシュジュース類→ストレートジュース使用
○ホテル阪急インターナショナル・春蘭門
霧島ポーク料理→産地異なる
○大阪新阪急ホテル・宴会場
芝海老料理→バナメイ海老使用
○大阪新阪急ホテル・ビーツ
ビーフステーキ料理→牛脂注入牛肉使用
○大阪新阪急ホテル・モンスレー
魚市場直送の鮮魚料理→冷凍もの使用
○大阪新阪急ホテル・レインボー
自然卵料理→自然卵に液卵混ぜ
○大阪新阪急ホテル・シィーファー
津軽地鶏料理→地鶏ではない「津軽鶏」使用
○大阪新阪急ホテル・シィーファー
九条ねぎ料理→普通の青ねぎ・白ねぎ使用
○大阪新阪急ホテル・シィーファー
津軽地鶏料理→地鶏ではない「津軽鶏」使用
○大阪新阪急ホテル・シィーファー
柔らか地鶏のバンバンジー→地鶏ではない「津軽鶏」使用
○大阪新阪急ホテル・シィーファー
フレッシュマンゴー→冷凍カットマンゴー使用
○大阪新阪急ホテル・シィーファー
手作りチョコソース→既製品使用
○大阪新阪急ホテル・関西文化サロン
レッドキャビア添え→トビウオの魚卵(トビコ)使用
○ホテル阪神・香虎
有機野菜料理→一部普通の野菜使用
○宝塚ホテル・宴会場
やわらかビーフソテー→牛脂注入牛肉使用
○宝塚ホテル・くすのき、デューク
フレッシュジュース類→ストレートジュース使用
○宝塚ホテル・ザ・ガーデン
柔らか牛肉→牛脂注入牛肉使用
○宝塚ホテル・フェリエ(宝塚大劇場内)
鮮魚料理→冷凍もの使用
○宝塚ホテル・フェリエ(宝塚大劇場内)
サイコロステーキと鮮魚フリッター→牛脂注入牛肉と冷凍もの使用
○宝塚ホテル・ポプラ(関西学院会館内)
和洋御膳(ステーキ)→牛脂注入牛肉使用
○宝塚ホテル・フローラ(阪神競馬場内)
手捏ね煮込みハンバーグ→市販品使用
○六甲山ホテル・宴会場
鮮魚・自家菜園野菜→冷凍ものと一部市販野菜使用
○六甲山ホテル・宴会場
小山農園の焼き野菜→一部市販品使用
○六甲山ホテル・宴会場
六甲山ホテル自家菜園野菜料理→一部市販品使用
○六甲山ホテル・宴会場
自家菜園サラダ添え→一部市販品使用
○六甲山ホテル・宴会場
鮮魚料理→冷凍もの使用
○六甲山ホテル・宴会場
鮮魚のテリーヌ→冷凍もの使用
○六甲山ホテル・宴会場
鮮魚のポワレ→冷凍もの使用
○六甲山ホテル・宴会場
自家菜園サラダ添え→一部市販品使用
○六甲山ホテル・宴会場
自家菜園ハーブサラダ→一部市販品使用
○六甲山ホテル・レトワール
神戸牛フィレ肉グリエ地元産野菜を添え→一部地元外品使用
○六甲山ホテル・レトワール
自家菜園ハーブサラダ→一部市販品使用
○六甲山ホテル・レトワール
ホテル菜園の無農薬野菜料理→一部市販品使用
○六甲山ホテル・レトワール
鮮魚料理→冷凍もの使用
○六甲山ホテル・レトワール
地元産野菜を添え→一部地元外品使用
○六甲山ホテル・トップオブロッコー
自家菜園のサラダ→一部市販品使用
○六甲山ホテル・トップオブロッコー
フレッシュジュース類→ストレートジュース使用
○六甲山ホテル・ジンギスカン
ホテル自家菜園野菜→一部市販品使用
○京都新阪急ホテル・ロイン
鮮魚の鉄板焼き→冷凍もの使用
○パティオ(大阪市立大学医学部附属病院内)
沖縄まーさん豚→沖縄産外の豚使用
○パティオ(大阪市立大学医学部附属病院内)
天ざるそば(信州)→信州産外の蕎麦使用
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この莫大な7年半の事例・・(-_-;)
これが偽装じゃなかったら、全ての飲食店は
この言い訳をしてくるだろうな・・。
となると、完全に挑戦的な記者会見である。

会見の質問にも「手ごねハンバーグ」を実際に
やっているかやっていないかは現場がわかると
思うが、当初は実際に「手ごねハンバーグ」だった
が、既製品の仕入れ物に入れ替えた時に、当然、
調理・仕入れのものは充分知識として持っていたが、
それをメニューにきちんと反映することが抜かって
いた・・って、少なくとも、メニューと自分の料理
が違う・・そんな事を把握していない&許す料理長
なんているか?どんだけ素人なんだよ?

でも、このレベルのホテルのレストランでメニュー
を決める場合、料理長やメニュー担当の人間だけで
決まってゆくものではなくて、レストラン全体の
会議で決めてゆくため、嘘の付きようが無いそうだ。
また、メニューに使う文言は、他の部署のチェックが
必ず入り、ダメなところは確実にチェックされ言って
くるので、何年もメニューがチェックされないという
事はありえないそうだ・・。

また、「芝海老とイカのクリスタル炒め」の件は、
約半額のハナメイエビでホテル側が発注するという
意図的な偽装も、森本正伸常務は、調理の担当の者
が芝エビと表示していいと指示したため誤表示に
なった・・ってそれを偽装と言うんでしょうよ・・(-_-;)
その事については、ある番組で面白い比較をしていた。

「お父さんを、親父、パパと呼ぶのは構わないけど、
 おじさんを、お父さんと呼ばないでしょ!」

そのくらいに違うものである・・と(笑)

そもそも、実際に芝海老はそんなに取れないそうで、
芝海老を冠としてメニューに書くのは普通は難しい
そうで、鮮魚関係者でも、まずメニューの冠に芝エビ
と書いてあったら本当か?と疑ってしまうほど・・
らしい・・。
しかし、実際、本物の芝海老はめったに見られない
ので消費者には偽装はほぼわからないそうだ・・。
さらに、芝海老は天然、ハナメイエビは冷凍加工品で、
冷凍加工品には身自体に【保水される加工】がされて
おり、調理すると、身のプリプリ感がより強調される
ために、普通の素人は2つを食べ比べると、ハナメイエビ
の方が美味しいエビに感じてしまうのだそうだ・・。

日本のホテル業界は特殊で、こうしたシティーホテル
と呼ばれるホテル宴会やレストランが売り上げの
7割を占めるそうだ・・。
しかし欧米は宿泊で7割の売り上げを上げる・・。
という事は、日本のシティーホテルでは、レストラン
のコストをダウンするとかなりの利益を得るという事
になる・・。

さあ、「処罰できるものなら処罰してみろ!」と、
完全に挑戦的な2人の記者会見であった訳だが、
今回、消費者庁は早急に調査を行い、こんな言い訳が
絶対に許されない様、少なくとも

【景品表示法違反(消費者に誤認される不当表示の禁止)】
【不当競争防止法(原産地・品質などの虚偽表示を規制)】

の2つでは完全に処分してもらわないと、この甘えた
体質は無くならないでしょう・・。

まぁ、この事件の本質は、

【お客の事よりも刑事事件で裁かれたくない!】

って保身から来るメッセージなんでしょうけどね・・(笑)
もう、リッツ・カールトンまでもが、このレベルの
記者会見をしたという事は、自分(ホテル)の保身の
為には、ホテルは「お客様のため・・」という言葉は
全部嘘だと示唆してでもホテルを守るという事ですな・・。
いやいや、ホテルが全て本当にクズに見えてきた・・(-_-;)