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結局、正しいレベルに戻った(笑)

昨年11月の野田佳彦前首相が総選挙実施を表明し、
安倍首相が当時「金融緩和をする!」との発言から
始まり、今年1月の【2%インフレ目標設定】で、
さらに上昇、4月の黒田日銀総裁の【異次元金融緩和】
の後、8割をも上昇した日経平均株価・・。

その日経平均株価は先週、今週と乱高下を続けながら、
どんどんと下がり、ついに昨日、1万3000円を割り、
【異次元金融緩和】の前の水準に戻った・・。
ドル円相場も1ドル=96円台の円高にジワジワと
戻しつつある・・。

安倍政権の掲げるアベノミックス三本の矢・・

1)大胆な金融緩和
2)機動的な財政出動
3)成長戦略

だが、以前、ココで、

「アベノミックスの3本目の矢の【成長戦略】が
 中身の無いものだったりすれば金融緩和は全て
 無意味になるリスクはあります」

と書いた。そのアベノミクス【成長戦略】実現
として、今までに2つ発表されて来た・・。
第一弾は待機児童ゼロなどにし【女性の活躍】、
そして第二弾は巨大な財政出動をして農業中心に
企業などが【世界での競争力の強化】、そして
今回発表された第三弾が【民間活力の爆発】・・。

中でも、目玉のつもりだった【国民総所得】の
3%アップする、すなわち

【一人当たり国民総所得を10年で150万円アップ】

する・・という池田首相の時の【所得倍増計画】
をなぞったような内容・・(笑)

で、【一人当たり国民総所得】ってなあに?
って部分だが、ここで注意しなければいけない
のがいわゆる国民の所得ではなく、【国民総所得】
つまり国内総生産に海外からの所得を加えたもの
で国民の豊かさを示す指標・・そう、国民の所得
プラス、企業の儲けプラス、企業が海外に投資した
儲けも入ってい・・。
それを150万円アップするという事。
ちなみに2012年度の一人当たり国民総所得は
384万円である。

で、次に【所得倍増計画】って何だったのか?

池田勇人首相の時に、1961年から1970年の
10年間で

【経済成長率7.2%】
【国民総生産26兆円(1960年の13兆円の倍)】

を輸出増進による外貨獲得を主要な手段として
国民所得(国民総生産)を増強させ、雇用を
拡大、官民一体になり農業近代化、中小企業の
近代化、工業の分散などを目指そうと掲げ、
その結果経済成長率は10%強となる。
【一人当たり国民総所得】が、1970年には
1961年の3.5倍となり所得が驚異的伸びた・・。

ただ、この時は環境が現在とは全く違い、
人口は増え続け、技術革新による生産性の向上、
かなりの円安だったのも追い風で輸出が拡大した。
また状況は全く違うが官民一体となって
取り組んだところは、今回も参考になるだろう・・。

さらに、安倍首相は国家戦略特区を作り、技術、
人材、資金面において国際的なビジネス環境を
整えて行き、目指す都市はニューヨークや
ロンドンで、そのための規制緩和をする!と
言っている・・。
例えば、建物の容積率容積率の規制緩和をして
もっと大きく建てられるようにする・・。
ま、海外から沢山の人が来ても住居不足を防ぐ
という事も含めているんだろうな・・。

また、外国企業の誘致・・というが、これは、
世界一高い法人税を下げなければ、全く意味の
ない政策・・。
実際には、こんなチマチマした政策なんかよりも、

【法人税率と所得税率を一律10%にする!】

みたいなレベルの【成長戦略】を発表すれば、
今の倍くらいまで株価は上がるのにな・・。
また、それと同時に、
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正社員崩して解雇しやすく 規制会議、経済成長へ提言案
(2013年5月30日・朝日新聞)
 【山本知弘】政府の規制改革会議の雇用ワーキンググループ(WG)は、正社員より解雇しやすい「限定正社員」を増やすルールづくりや、派遣労働の規制を大幅に緩和する提言案を固めた。正社員中心の働き方を崩すことで、会社が雇う人を増やしたり減らしたりしやすくし、経済活動を活発にするねらいだ。
 6月初旬に規制改革会議が発表し、並行してとりまとめが進む政府の成長戦略への反映を目指す。
 限定正社員は勤務地や職種、働く時間をあらかじめ会社と約束する働き方。長時間残業や全国転勤できない人でも、雇用が安定した正社員として働ける、とされる。介護や子育てを抱えて職を離れた女性の活躍の場が広がるなどとして、拡大策を検討していた。
 提言では、その仕事や勤務地がなくなったとき、正社員よりも解雇できる基準が緩いことをルール化すべきだと求める。解雇しやすいことがはっきりすれば、企業は「余剰人員」を抱え込む心配をせずに雇う人を増やせるためだ。
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これが迅速に実現できれば、日本は大きく変わる・・。

しかし、安倍政権・・やはり参院選前ではこの
大きな部分は何ひとつとしてアナウンスされず、
結局は、こんな低レベルでしか語れなかった・・。
よって、こんなに支持率もあり、1回失敗している
経験もある中、誰も敵に廻す事のできない程度の
覚悟は、結局は市場には見透かされた・・。

ただ、薬のインターネット販売の解禁、民間資金を
活用するPFI手法を推進した空港や高速道路の老朽化
対策を含むインフラ整備に今後10年間で12兆円投入。
官民一体で公的な負担を軽減し無駄を無くす事が
できれば、これは良い政策・・。

さらに、そうした日本の世界有数の高レベルな

【インフラ術】

を輸出し、2020年までに30兆円を見込む・・。
でも、法人税はちょっと明るい兆しも見えて来た。
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法人税減税、成長戦略で検討対象に…菅官房長官
(2013年6月7日・読売新聞)
 菅官房長官は6日の記者会見で、民間活力を重視する成長戦略に関連し、法人税率の引き下げについて、「当然、検討対象になっていく」と述べ、今後、具体的な議論を進める考えを示した。

 海外の主要国と比べて高水準にある法人税実効税率の引き下げを求める経済界の期待に沿うもので、税制改正を通じて投資拡大を探る狙いがある。
 企業の国際競争力の回復に向けて、菅氏は「経済の成長について、国際競争に勝つことができる環境を整備することが大事だ」とも指摘した。
 政府は2012年度から、法人税の実効税率を約40%から約5%引き下げたが、東日本大震災の復興財源に充てるため、同年度から3年間は法人税額 に10%分を上乗せする臨時増税を行っている。臨時増税終了後の15年度を視野に、実効税率をさらに下げる議論が本格化するとみられていたが、菅氏の発言 を受けて政府・与党内の議論が前倒しになる可能性もある。
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株価下落を受けてか、慌てて出して来た・・(笑)
でも、結果、ドル/円相場と株価は、乱高下を
続けているから何とも言えないが、今現在では
正しい基準に戻った・・市場とは面白いものである。