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これぞ【首脳会談】である

アメリカのオバマ大統領と中国の胡錦濤国家主席は
1月19日、ワシントンのホワイトハウスで
【首脳会談】を行った。

オバマ大統領は中国へ人権への進展を求めるが、
胡錦涛国家主席は

「中国は人権の普遍的原則を認め尊重しているが
 同時に私達は人権の普遍的原則は、必ず各国の
 国情と結びつけなければなりません。」

と、中国が巨大な人口を持つ【発展途上国】なので
多くの課題があり、発展段階などを考慮すべきだ
といった内容を述べるにとどまる・・。
都合の悪い事は全て【発展途上国】なので許される
べき事とすり替える・・。

さらに朝鮮半島問題も、オバマ大統領は

「北朝鮮のさらなる挑発行為は控えるべきだ」

に対し、胡錦涛国家主席は、

「東アジアの平和と安定のために協力を強化する」

という表現にとどまり、北朝鮮の【挑発行為】には
言及していない・・と、これも中国の外交上、
北朝鮮を守る立場はきちんと貫き通した・・。

人民元引き上げについても、オバマ大統領は、

「私達は経済関係全体を見る事が重要です。
 通貨の問題はそのひとつの部分に過ぎません」

と、めちゃくちゃトーンダウン・・(笑)
それもそのはず・・胡錦濤国家主席は、実は400人
もの人間を引き連れて今回は訪米している・・。
その400人の中国企業から、ボーイング社が航空機
200機の受注を含め、自動車部品、農業関係、機械、
化学など多岐に渡る中小企業をも含んだアメリカ企業
70社から250億ドルものアメリカ製品購入、11の
投資案件で32億4千万ドルの投資&契約といった
対中国輸出商談が合わせて

【総額450億ドル(約3兆7千億円)】

もの規模で合意、見事に成約した。
報道によると、これは米政府の試算だが、この今回
の対中国輸出商談でアメリカ国内の23万5千人の
雇用を支える事ができるという、アメリカ国内の
雇用率増加、過去最大と言われる対中国の貿易赤字
を埋めるという大きなメリット・・。

一方、中国にとってはアメリカに経済大国第1位と2位
として、切っても切れない関係である事を理解させ、
人民元固定化による対米貿易の不均衡を和らげる事に
より、アメリカに一番言われたくない

【人民元引き上げ発言】

をトーンダウンさせ押さえ込んだ・・本当にしたたか
であり、もう見事である・・。

こんな外交を今の日本の政府にもやって頂きたいもの
だが、皆さんおわかりの通り、残念ながら菅内閣に
この力はない・・。
せいぜい廊下で数分のお話をするか、カンペを
見ながらの棒読みお話会を実現させたレベルで
あるという雲泥の差・・。
どれだけ日本の外交レベルが低いのか・・どれだけ
日本が相手にされなくなってきているのか・・今回の
【米中首脳会談】でまざまざと見せつけられた・・。
日本にとってもショックである・・。