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中国が人民元を引き上げる動き【前編】

中国が今の世界の経済を担っているのは
世界の誰もが認めるところだろう・・。
そんな中国がすでに【バブル】の様相を
醸し出している。

【バブル】といえば、過去の日本の反省
を踏まえるならば、はじけるもの・・(笑)
という所から、ここにきて中国の舵取りが
注目されていた・・。

中でも、不動産【バブル】の様相はすごい。

昨年1年間で、上昇率が50%以上という
所も少なくない・・。
もちろん、中国政府も指をくわえて眺めて
いた訳では無く、中央銀行は2007年
だけで金利を6回、預金準備金比率を
10回も引き上げた。

しかし、2008年にリーマンショックによる
世界的金融危機が発生した事で、この
コントロール政策を中止、逆に金融危機
への4兆元の投資刺激策を出し、結局は
その刺激策で不動産【バブル】が加速
する事になる・・。

さらに、今年の2月には結構厳しい内容で
【不動産投機抑制策】を打ち出したが、
思うように効果は出ていない・・。

そんな中、現在の中国は経済もすごく
発展し、不動産を先頭にインフレの速度
も速いのだが、実は世界に対しては
物価が安いままなのである・・。

これは中国の【人民元】が大きく関係
している・・。


発展している割には【人民元】の価値が
まだ低いままなのである・・。
普通、日本、アメリカ、欧州を始め、
先進国は

【変動相場制】

を採用している。現在、アメリカの経済力
が世界一だったので【ドル】を基準とした
【基軸通貨】を中心に、為替レートで
毎日通貨の価値が変わる・・。
いわゆる我々に身近な円でいう

【1ドル=90円】

というあれだ。

それを日本に例えるならば、日本も昔は
【固定相場制】だった。
かの有名なレートを覚えている方も
まだ多いだろう・・そう戦争が終わって
アメリカの言うままだった

【1ドル=360円】

だったあれだ(笑)

そのため日本は円安だったので、質の
良い日本製品は売れ、高度経済成長
に入った・・。

では、なぜ【固定相場制】が変わったのか?

【固定相場制】のままだと日本ばかりが
儲かっていく→円安のために日本製品
が売れすぎる→日本だけが突出して
しまう→そこに【変動相場制】を取り入れる
事により、国力の差を平均化する・・。

中国は2005年まで【固定相場制】の
まま輸出を行い大きな成長を遂げた。
そこでアメリカから人民元を上げろ!
という圧力が来る・・。

しかし、中国は円高になった日本の姿を
見ている・・その教訓からも、このままの
方が輸出に有利なため、【人民元安】を
保っている・・。

またそこに文句を言えない世界の実情
もある・・そう、あのリーマンブラザーズの
破綻により、世界で物が売れなくなって
いるが、その不況下の中で中国では物が
売れている・・しかも、輸出でもドンドン
物が売れている→世界の景気が良くなり
始めている。(世界が助かっている)
よって、中国がこのままの【固定相場制】
ではいけないと言いたくても言えない
という現状がある・・(笑)

さらに人民元上昇は実はアメリカにとって
【もろ刃の剣】であるという実情もある・・。
中国は、対米貿易黒字で稼いだドルで
大量のアメリカ国債やアメリカ政府機関債
を買ってアメリカの経済を支えている・・。

これは何を意味するのか?

今現在、不安定なアメリカの経済状態の
中で、一番怖いのが【ドル暴落】である。
この【ドル暴落】を最後に支えるというのが、
中国の【人民元】であるともいわれている
からだ・・。

その他の危惧もある・・。

【人民元】が【変動相場制】になり、仮に、
予想以上に上昇し、【人民元高】に
なったとしよう・・。
すると世界中において中国の輸出が
低迷する事になり、同時に中国の
アメリカの国債の引き受け能力が
低迷する事になる・・。
するとアメリカの長期金利が上昇して
しまう恐れがある訳だ・・。
ただでさえ苦しいアメリカの財政が
さらに悪化する可能性がある訳だ・・。

しかもアメリカにとどまらず、世界中に
大量に流れている中国製品の価格が
為替相場に応じて急激に上昇する事
にもなり、世界的物価上昇にもなる
可能性もあるのだ・・。

〜後編へ続くぅぅぅ〜

■中国が人民元を引き上げる動き【後編】■
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