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残念だが【辺野古案】しか無理!

米軍普天間飛行場移設問題が最大の争点となった名護市長選で、
1月24日の名護市長選で基地受け入れ反対、県外移設を掲げる
無所属の新人候補で、前市教育長、稲嶺進氏が当選した。
これで辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部へ移設される側の
民意は【NO】を突き付けた形である。
この選挙が【YES】と出たら、鳩山首相の決断はいとも簡単な
ものになっていた。

【辺野古の地元民が民意で基地を認め来て下さいと決めた】→
【社民党さんそういう事だから今後はおとなしくしてね!】→
【マニュフェストで県外移設としたが、地元民が来てくれと
 いうのですから、その民意に従い、マニュフェストは訂正
 します】→【オバマさんちゃんと民意も含めて解決させたよ!
 だからトラスト・ミーって言ったろ?】→めでたしめでたし!

という事で、ホッと胸をなで下ろす・・こんな簡単な結末が、
この選挙結果でとんでもないものに変わった訳だ・・(笑)
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     日米同盟・日米安全保障・アメリカ感情
          【日本の国益】
   アメリカ      ↓       社民党
【辺野古移設現行案】→鳩山首相←【国外・県外移設以外NO!】
             ↑
   ・辺野古(名護市)地元【NO!】
   ・普天間【早く返還して!】
   ・徳之島地元【NO!】
   ・伊江島、下地島地元【NO!】
   ・【嘉手納基地統合案】嘉手納地元【NO!】
   ・沖縄県民全体【国外・県外移設以外NO!】
   ・硫黄島【そもそも島が小さすぎ、火山変動あり】
   ・日本の沖縄以外の都道府県【基地が来て喜ぶ所など無い
    のと、沖縄に押しつけておけるなら押しつけておきたい】
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・・と、全ては対立の構図・・(笑)
【辺野古の地元民の民意はNO!】これを受けて社民党は
【絶対に国外・県外移設を曲げない!】となる。
それを曲げさせようものなら【連立離脱】をちらつかせる。
アメリカは恐らく【5月の結果まで交渉のテーブルにはつかない】
というレベルで【現行案】で突っ張ってくるだろう・・だって
そもそも交渉をする必要がないからね・・だって鳩山首相が
オバマ大統領と【トラスト・ミー】って約束したからね・・(笑)
さらにアメリカは何も悪くないし、ただの日本の国内事情な
だけですから、強気の姿勢を崩す必要はない。
その他は、全て地元【NO!】って当たり前!(笑)
そこに、日米同盟・日米安全保障などを含めた【日本の国益】
をきちんと考えなくてはいけないという、自分で複雑化させた
とんでもない数の【連立方程式】を解かなくてはいけない・・
と、そもそも、鳩山首相が具体的な展望のないまま県外移設に
言及し、連立政党挙げて【沖縄の民意】を重視する発言を
繰り返した結果、当たり前だが、沖縄の【もしかしたら・・】
という期待が過剰に高まった上、名護市の選挙で拍車をかけて
問題解決が難しくなった・・。

さて、鳩山首相・・

【5月末までに結論を出す】

としているが、これどんな答えを出すのか?
上記の【連立方程式】を解いた答えをきちんと出すのか?
もしかしたら、ただ地名を言うだけという茶番を演じよう
としていたりして・・(笑)
そう言いたくなるほど、今現在、どの閣僚も口を揃えて
【ゼロベース】って・・簡単に口にするが、あと4ヶ月しか
ないんですが・・(爆)●〜*
5月末にアメリカを納得させて調印(?)するとしたならば、
今や水面下で場所は決定して、すでにその場所の地元の了解
を得て、その裏付けを持ってアメリカを説得し、アメリカも
今現在、議会にかけて話し合っている段階にでもなって
いなければ間に合う訳がない・・(爆)●〜*
素人が考えてもその位の事はわかる・・(笑)

そしたら、平野官房長官は1月25日の記者会見で、普天間
基地移設問題について

【自治体の反対を斟酌(しんしゃく)していたら何も
 できなくなる】
【(名護市の選挙結果を)斟酌してやらなければいけない
 という理由は私は無いと思っています】

1月26日午後の記者会見では、

【(地元が)合意しなかったら物事が進まないという事か。
 そこは十分検証したい。法律的にやれる場合もある
 でしょうし。】

と述べ、新たな移設先の自治体が受け入れに応じない場合は、
法的に決着させることも可能との見解を明らかにするという
事を示唆した・・一見、強硬論のように映るが、平野官房長官
の考え方は正しい・・というかこの心情が本音だと思う。
鳩山首相はあっちこっちで【イイ顔】をして、全ての所の意見
を【斟酌する】ように言い回る無責任さだが、平野官房長官は
官房長官でもありながら、実は沖縄基地問題検討委員会の
【委員長】という一番の長である。
という事は、平野官房長官の発言は沖縄基地問題検討委員会
においての委員長としての責任発言でもある。
ここで【名護市の選挙結果を斟酌する】と言った途端に
【辺野古案】は無くなる・・実は現行案の【辺野古案】が、
一番の安全パイである事は民主党といえど心の底では
わかっているはずだから、口が裂けても言えない訳だ・・。
言葉は乱暴だが、平野委員長としての心情をくみ取るならば、

【民意もゼロベース】

という事・・。

ただ、名護市の選挙結果はこうなる事は全部予想されていた。
それで困るならば、昨年あたりから上記の【斟酌しない】
みたいな話は、きちんとしておけば良かったし、民主党が
今回当選した反対派の公認をしなければ良かった・・それを
鳩山首相は【斟酌したい】と発言しまくって、今回の反対派
をきちんと公認した訳だ・・で、選挙の結果が出たらこれじゃ
名護市側に立てばとんでもなくひどい話である・・。

【辺野古案】に至るまでもめまくったのは、国益、アメリカ、
地元を筆頭に、全ての部分に完璧に納得する方法などなかった
からである・・その中で、多少強引であったにしろ、落とし所
として、まあ、全ての部分で妥協&納得した形にひとまず
収まったのが【辺野古案】・・。
今回の名護市の選挙結果が僅差だったのもその証明だ。
国益、アメリカは【辺野古案】で良いと言っている事はハッキリ
している・・で、地元も、今回の選挙からわかった事は、実は
半数弱の民意は【基地容認】である訳だ・・。
となると、今から新しい移設先で、100%反対な地元民や市長
などを説得し続けるよりも、名護市民の反対派のうち10〜20%
の人間を納得させる方が絶対に簡単である。
新しい移設先には民意は問わず、どうせ法的に強制合意させる
という強行的な事まで視野にあるのでしたら、【辺野古案】が
一番傷を深めない政治決着であると思う・・。
こんなにもまとまっていた【辺野古案】を覆した鳩山内閣・・。
その結果によっては、普天間返還は白紙に戻り、現状が固定化
される可能性すら出てきてしまった・・。
そうは言うものの、一国民には何も出来ない。
さあ、5月にトラスト・ミーの答えはどうするのか?
個人的には方程式をどんな解き方をしても5月末までという
期限がある以上は【辺野古案しか無理!】という結論だ・・。
この先が5年とか10年あるというならば話は別だが・・。