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恐怖のエレベーター・シンドラー

個人的に、エレベーターって、乗り物の中でも

「非常に安全なもの」

という認識。
しかし、驚異の「シンドラーエレベーター」のとんでもない数の
トラブルをみると背筋がゾッとする・・。
実は個人的には「シンドラーエレベーター」って知らなかったです・・(^-^;
私は、エレベーターの中で暇だと会社名を見る事が多いのですが、
「シンドラー」というのは見た事がなかった。ほとんどは「日立」「三菱」
「東芝」だった気がする。
で、何で見た事がなかったのかな?と思ったら「シンドラー」は公共施設、
市営住宅、都営住宅がほとんどなのね。
個人的には、一番身近で行く回数が多い公共施設は区役所かぁ!と
思ったんですが、都筑区役所は、住民票や印鑑証明など、ほとんどの事は
1〜2Fで終わるので、2Fへはアクセスが便利なエスカレーターにしか
乗らないし、実は、3Fも固定資産税の書類提出など税務提出関連でたまに
行きますが、エレベーターを待つより、階段で上がった方が断然速く、
乗った事がない。
あとは横浜市営地下鉄がなんとなく「シンドラー」っぽいが、エレベーター
に乗ってもすぐにホームにつくのでメーカー名を見た事がなかったなぁ・。
今度の火曜日に見てきます。(笑)

で、話を戻そう。(^-^;
シンドラーエレベーターは日本国内のシェアはわずかに1%だそうだ。
にもかかわらず、東京都の都営住宅などは

「344(シンドラー製)/2930(都営住宅全てのエレベーター)=約12%」

と10倍以上にのシェアになるそうだ。いわゆる「入札方式」の所は安さで
勝負できるので、日本のエレベーターメーカーよりも確実に2〜3割安かった
シンドラー社に決まる事が多かったという。
その圧倒的な安さがあって、不具合などが耳に入っていなくて、

「世界シュア・第2位!」

という後押しがあって、日本人の外国製品崇拝気質を考えれば、

「機械式時計で有名なスイス製!→精密機械レベル高そう・・うっとり・・」

って事で、シンドラー社に決めちゃうよなぁ・・普通・・。(^-^;
でも、アジアのシンドラーエレベーターを作っているのは中国だそうで、
実際には「中国製」・・(笑)

そのスイス・シンドラーエレベーターに

「エレベーターのトラブルが1999年から今月にかけ、軽微なものも含め
 23都道府県で少なくとも計300件以上起きていた」
「都営住宅だけのトラブルでも2005年4月〜2006年2月で届け出が
 あるだけでも約140件」

という凄まじい不具合回数なのだから驚きだ。(^-^;

で、ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒの論文に「ハインリッヒの法則」
というものが書かれている。その「ハインリッヒの法則」の一部分に

「<災害>について現れた数値は<1:29:300>であった。その内訳として、
 <重傷>以上の災害が1件あったら、その背後には、29件の<軽傷>を
 伴う災害が起こり、300件もの<ヒヤリ・ハット(hiyari-hatto cases)>
 した(危うく大惨事になる)傷害のない災害が起きていた」

というもの。まさに不思議と今回のシンドラー事件はこれにあてはまる。
さらに、世界に目を向けると、アメリカ、カナダ、中国でも死亡事故が
起こっており4人が死んでいるという。
という事は「ハインリッヒの法則」に当てはめると世界では300×4という
事で1200件以上は「危うく大惨事になる傷害のない災害」が起こっていた
のではないか?と予測される。さらにアメリカでは130件の訴訟が
起こっている事も露呈すると、

「尋常でない」

とんでもない会社である事をひしひしと感じてくる。

シンドラーのプレスリリースには

「シンドラーはエレベータ業界で世界第2位であり、世界100カ国以上で製品を
 販売しております。世界で、シンドラーの製品を毎日7億5000万人の方が
 利用されています。シンドラーの製品が業界の高い基準にて設計されています。
 シンドラーの製品が安全で信頼できる製品であることを理解していただ
 けるよう、できるだけ早期に事実解明して、皆さんにお伝えいたします。」

と、私達の会社はすごいんだぞ!と勝手に自負して胸を張って頂くのは結構だ。
しかし、今は胸を張る時じゃないだろう!凸(-""-)
それだけ自信があるくせに、今、日本のどこにシンドラーエレベーターが
あるのかマスコミが教えて欲しいというと、全面的に拒むとういう
おかしな会社。
自力で調べるにしても、普通、乗る側としてはエレベーターのメーカー名は、
中に乗らないと見られない事だ。怖いよそんなの・・・(^-^;
という事は一覧を新聞などに発表して頂かないと困る。

さらに、今回の港区・竹芝のマンションの件については

「エレベーターの設計や設備によるものでなく、(シンドラーの
 メンテナンスから変えた)管理会社とその管理会社を選んだ
 港区の責任」

と責任は全くない!とでも言いたげな説明。
確かに、竹芝のマンションのエレベーター保守点検会社は

1998年4月〜2005年3月まで→シンドラーエレベーター
2005年4月〜2066年3月まで→日本電力サービス
2006年4月〜現在まで→SECエレベーター

と保守点検会社が変わっているそうだ。
契約更新の際は入札方式だったらしく、シンドラーは400万ちょっと、
日本電力が150万ちょっとで入札、日本電力となった。
しかし、あまりにも故障が多いため、その値段ではやれないという事で、
次の入札時には日本電力が400万、SECが115万で落札、SECとなった
そうだ。そうなると、実際にはどのくらいのメンテがされていたのか?
やはり安いというのは怖いという結果がでるのか?
今後の警察や国交省の調査待ちですね・・・。
しかし、住民によると、その管理会社に変更してからも、シンドラー社は
きちんと点検に立ち会いに来ていたという。そのシンドラー社の立ち会い
のもと点検中に、エレベーターを呼んでもエレベーターがこないなどの
不具合も発生しており、シンドラー社は

「数々の不具合をわかっていた」

と考えられる。結局はシンドラー社の詭弁という事になる。
さらに、その事が港区には報告が行っていないという事も発覚。
そして、今回の竹芝の事件も、被害者を助けたら、そのエレベーターは
一気に上がって天井に「ガーン」とぶつかる音がしたそうだ。
聞いているだけでもゾッとする。
広島の呉の市営住宅での閉じこめられた事故も6月3日に起こっているのに、
その報告は6月7日という対応の悪さ・・。
しかも、竹芝のマンションは「管理しているのが自分たちじゃないから
知らねえよ!」と言っているが、広島の事件は管理しているのがシンドラー社
なのだ。そう考えると、ソフトだか配電盤だか知らないが、総合して
「製品が悪い」としか考えられないだろう。
ドンドンと酷い対応と共に、製品の悪さまでが露呈している。

メディアで有名になった東工大のシンドラーエレベーターの状態を
載せているmixiのコミュニティ

「J2棟のエレベーターがおもしろい」
https://mixi.jp/view_community.pl?id=341668

のメイントビ「J2エレベーター、今日の出来事」なんか、マジとんでもない
状況だ。
これができて6ヶ月内の出来事なのだから驚きを通り越して唖然とする。

それでも、シンドラーホールディングスのアルフレッド・シンドラー社長は

「製品は悪くない」

の一点張り。

「認めない!」
「私は悪くない!」
「悪いのは○○だ!」
「謝罪しない!」
「知らなかった!」

と、こうしてみると、日本人には「耐震偽装問題」とそっくりである事を
感じてくる。
確かに、訴訟社会である欧米は、裁判が不利になるために、すんなりと
自分の責任を認める事はしない。しかし、日本はまず謝罪をする。
それからテーブルに着くという美学が普通なので、シンドラー社の対応は
日本人の心を逆撫でする。
でもこんな事で驚いてはいけない。ニューヨークで死亡した男性の妻が
語るには、2年前の事件だが、シンドラー社は未だに謝罪をしていないという。
今回の竹芝のマンションでの市川大輔君(16)が死亡した事故も、管理会社
と港区のせいにしている以上、シンドラー社は謝罪するつもりはなさそうだ。
謝罪するつもりがないのなら、国を挙げて、こんなメーカーは入札禁止
&使用禁止にすべきである。