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痴漢賠償請求訴訟

東京都国立市の沖田光男さん(63)が1999年9月2日午後11時ごろ、
JR中央線の電車内で20歳代の女性に携帯電話の通話をずっと話して
いるのを注意したところ、

「女性に股間を腰に押しつけ、離れて下さいと(沖田さんの)胸に
 肘鉄をし押し返したが(沖田さんが)さらに続けた」

という事で、都迷惑防止条例違反の「痴漢」の現行犯で逮捕された。
その後、立川署に21日間拘置され、同署や東京地検八王子支部で
取り調べを受けたが、一貫して容疑を否認、同年12月に嫌疑不十分で

「刑事裁判」は「不起訴」

になった。いわゆる、痴漢行為はなかったので裁判をする必要はない
という事だ。しかし、不起訴になった沖田さんは

「女性に携帯電話の通話を注意したところ、痴漢だと言われ不当に
 逮捕された」

などとして、国と都、被害を申告した女性を相手取りに、慰謝料など
約1100万円を求めた損害賠償民事訴訟を起こした。当然であろう。
その注目すべき訴訟の判決が4月10日、東京地裁八王子支部であった。
そこで、驚くべき判決が出た。東京地裁・松丸伸一郎裁判長はなんと

「痴漢行為があった」

と認定、請求をいずれも棄却した。「刑事裁判」で起訴された訳でも
ないのにだ。女性の申告しか、目撃証言も証拠もないのに、

「女性の証言は具体的で信用できる」

しかし、顔を出してまで無実を表現している沖田さんの証言の

「痴漢行為をしていない」

という信用性は全く認められないというとんでもない結末だ。
これは世の男はちょっと納得できないであろう。
この先も、見知らぬ女が

「あいつ、むかつく!」

という事で「痴漢されました!」と痴漢されたその手をつかんで犯人を
捕まえたというでもなく、ただ女性の申告だけで、逮捕され裁判で
負けるのだ。

しかも警察は、目撃者を捜す事はしていないという。

当時、その中央線は混雑していなかったそうだ。実際、その女性と
沖田さんは2〜3m離れており、沖田さんは携帯電話の注意のために
女性に近づいただけだそうだ。
で、その女性の言い分だと、その時に股間を腰にグリグリと押しつけて
きたという。

女性の言い分を検証してみるために、実際、男性が腰の当たりに股間を

「グリグリ」

と押しつける姿をやってみて欲しい。みなさんもやってみればわかる。
イナバウワーのような柔らかさでのけぞり股間だけ押しつけるなら別だが、
普通に立っている人間に対し、股間だけ押しつけるだけでも相当に異常な
程に接近する。通勤時間のように殺人的に混んでいるならそれも可能だ。
しかしだ、混雑していない車内であれば、やられている女性もそのまま
「カモン!」みたいに「仁王立ち」している訳がない。
身体を曲げて避けるだろう。そこに股間を押しつけ続けるなどというのは

「事実上不可能」

である。その中、股間をグリグリ押しつけていたら、これもやってみれば
わかるが相当「滑稽な姿」になっている。(笑)
としたら、車内でもかなりの騒ぎになっているはずで、

「相当数な目撃者」

がいるだろう。さらに、女性は170cmの長身でしかも、事件当時7.5cmの
ハイヒールを履いていたそうだ。そのヒールを履いた時の女性の腰の最上部
で106.4cmもあり、身長が164.5cmの沖田さんの股間までの高さが75cm
なので、女性の腰までは届くわけがない。
女性はその点を弁護士に追及されると、

「腰」から「大腿」へ証言を変えてきた。

さらに

「(沖田さんの)胸に肘鉄を食らわした」

という証言も、沖田さんと女性の身長差からすると、女性の肘鉄は沖田さんの
アゴを直撃する高さで、胸に肘鉄は喰らわせられないそうだ。

さらに、携帯電話の「通話記録」を調べてみれば電車の中で
どの位話していたのか?もわかるはずだ。
それと電車のダイヤと照らし合わせてずっと話していたようだったら、
その騒ぎの中で普通、携帯電話を話し続ける事はできないはずだ。
そうなると、沖田さんの証言がほぼ正しいであろう。
それだけでも、調べればわかるはずなのに、警察はやっていないそうだ。

弁護団長の鈴木弁護士は

「もし女性の言い分がおかしいとなると、警察や検察に加え拘置決定した
 裁判所にも責任問題が出てくる。それが障害となり、配慮があったのでは
 ないか」

と推測。沖田さんは控訴するという。当然だろう。
しかし「痴漢をしていない」事実を探すのは事実上不可能に近いだろう。
その中で、この先の沖田さんはどう「痴漢をしていない」事実を探すのか?
この先も、この裁判を見逃す事はできない。
この事件、形は全然違うが昔あった裁判所や警察によるひどい冤罪事件の
「御殿場事件」を思い出す。

「御殿場事件」はこちら
    ↓
https://f13.aaa.livedoor.jp/~hiroppe/gotenba/gotenba.htm

沖田さんが、この二の舞にならないと良いが・・・。