「休日の過ごし方」

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 急ぎの仕事だった。というよりも他にも忙しい物件があって、ないがしろにした結果が今のザマというわけだ。
「なんで夏の、それも土曜日の夜に何やっているんだ」
もちろん誰一人あいづちをうってはくれない。部屋を占めているのは、空調とコピー機の作動音ぐらいのものだ。これらはまったくの静寂よりも人を孤独に落としこむらしい。
キュルキュルと悲鳴をあげて書類を飲み込み、少したって分身を吐き出し始める。その速度は幾分遅くなったようにも見える。
「早くしろよ、明日は海にいくんだからな・・・」
そう考えていた矢先、ピーッと甲高く鳴いたあと、ピタッと動作が止まった。
「おぁい!またかよ!!」
液晶画面は赤くそまり、異常箇所が点滅を繰り返す。
飲み込み途中の原稿が空調の風にヒラヒラなびいている。
「あっかんべー」
どうやらそういうことらしい。
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ひとつ、大きくため息をついて異常の点検に入る。
「うん、どうやらモノはこの1枚を除いて中には残っていないようだ」
「よかったっすね」
「ウム、これは重要機密書類だからな。自分でいうのもなんだがこの報告書はデタラメだ。そもそもこの調査に関しては初めて体験したにも関わらず、社内の誰としてチェックしてくれないのだからな。うん?ところでお前だれ??」
「いやだな〜っ、後輩を忘れるなんて。」
「・・・まぁ、いい。それより他の異常がないか総チェックだ!問題はないと思うが、原稿厚さも確認しろ!それから脱出ポットもだ!!」
「??脱出ポットですか?、あれは最近・・・というか使ったことありませんよ」
「バカモノ!!突っ込むなら、”この件には脱出ポットは無関係だと思いますが”、と言え!!そもそも脱出ポットなんてどこにあるんだ?非常階段とハシゴならあるが・・・・」
「はいはい、わかりましたぁ」
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「隊長!たいへんです」
「ん?、どうした!!!」
「原稿厚さが2cmを余裕で超えています。これでは完全なビス留めができるかわかりません」
「うむ、確保しているビスは2cm用だったな。かつてのビスは先端までネジ切が施してあったが、どういうわけか最近はそうではない。マクラも挟んでいないから余裕はまったくないし、どうしたものか・・・。実際の原稿厚さはいくらだ。」
「2.5cmジャストといったところです」
「そうか・・・。よし、社にある古い報告書を片っ端からチェックするんだ。ひょっとしたら古い2cmビスがあるかもしれん。なんなら古い出版物をバラしてもかまわん!!」
「ラジャー」
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「チロリロリン・・・チロリロリン」
「んあ、この忙しいところだというのに、はい、もしもしぃ」
「・・・なんだ、Fか。ん、酔いどれ横丁?ムリムリ、明日提出の原稿作成中でね。どうにもならんよ」
(Page.2へ続く)

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