「学ばない国」

 震災の日、関東以東に住む者は右往左往した。
混乱し、家に帰れず、昨日までの日常を振り返る余裕はない。
物はなくなり、電車は止まり、しかし一方で多くの人が頑なに会社に向かった。
それこそが日常を取り戻す唯一の方法であるかのように。
実際、通常の2倍程度かかっても会社についたときは、一時的な日常を取り戻したかのように感じたものだ。
見えない恐怖におののき、なんとかしのいだ1カ月。
いつものように電車が動き、停電がなくなり、余震は確実に減っていった。
そして我々もあの経験を半ば忘れかけ、多少の地震ではなんとも感じない心は、今では地震がないのが当たり前のようになっている。
「喉もと過ぎて暑さ忘れる」
まさしくそのとおり、我々日本人の特徴なのか、
受けた傷を、忘れることで乗り越えていっている。
大した傷を受けなかったためなのか、
少なくとも被災地からそれなりに離れた東京の住民は、明日大地震が来ることなど、想像もしていない。
政府の対応がどうだということすらも、すでに意識が薄いように思う。
だから、人ごとのように適当な政府の対応も、一時的に憤慨はするものの、やっぱり人ごとのように流している。
原発の収拾がつかないことへの危機感も少ない。報道も減った。危機はまったく回避されていないのに、人々が食いつかなくなったからだ。
だから、マスコミをどうこういうつもりもない。だって、誰も関心持たないネタをいつまでも流すほど、金銭的余裕もないのはわかるし、みんなどの局も同じ報道をしているのに閉口したのだから。
過去の事象から学ばない国、日本。
政治家が国のこと全体を考えて、責任を持って自分の判断で、国を導いて成功したことがかつて一度でもあったのだろうか。いつだって、誰かがやってくれるまで待っている、結論を先延ばしにするのがお得意の人たちだ。
人のことを悪く言うのは、大勢で言えるからこれは簡単だ。誰だってできる、幼稚園児だろうが、国会議員だろうが、やってることはみんな同じ。普段発言しない目立たないヤツだって、上げ足の取り合いとなると、勢いが出る。出る杭は目だたないヤツに打たれ、いずれ埋没していき、そうでなければ迫害だ。
味方の少ないヤツは無視される、味方の多いヤツは嫌われる。なるべく、何も持ってないヤツが真っ当なことを言って、それを民衆に支持させれば、それでこの国ではすべてが勝手にやってくる。富も名声も、そしてそれに固執しないで時期がきたら、すっぱり後進に譲ってしまう、その気前があれば誰も悪く言うまい。そういう政治家に国を任せられる日が待ち遠しい・・・そう、自分で思っている私は愚民だよ、わかるよね。

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作:shun

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