「Bye bye my girl.(Part.4)」 <おすすめBGM>"We rule the school"/by "Belle and Sebastian"/in "Tigermilk"

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だから歯をみせるような試合をすると必ず負ける。いや負けても構わないが、イメージ通りにエースが決まる数が圧倒的に違うのである。集中力をなくして得た勝利は自分以上に相手に集中力が欠如していたことを表わし、試合中の喜びはエースが決まる瞬間が絶対なのである。だから思い通りにゲームを運ぶ場合に集中力は絶対だし自分勝手で孤独になっていく。その喜びを分かち合える人は本質的に存在しないのである。ともかくいいところを見せれば、勝てばあの娘も喜ぶだろう。僕がややセンターよりに位置をとりサーブの体制に入ろうとした瞬間、あの娘はあの甘い声で「サービスエース取ってぇ」と声援を送ってきた。そして繰り返す。僕の身体がトロトロに溶けていく。サーブの体制になかなか入れない。審判から注意を受ける。意を決してサーブの体制に入った。両腕を軽い弧を描きながら振り上げトスに入る。何千何万回繰り返し行われてきた動作もあの娘の声の前では運動神経自体が破壊されてしまう。左腕の筋肉が硬直し直角に上げるはずのトスもやや奥目に上がってしまった。しかも右腕はすでに直角に上がるトスを想定してのサーブモードに突入しており、もはやネットにひっかけてしまうのは明らかであった。僕はあの娘に答えて一球目にどおしてもエースを取りたかったので無理を承知でその体制から強引にサーブを打った。打ったボールは?と行方を追おうとした瞬間手元で大きな破裂音がこだました。地面にラケットをぶつけて割ってしまったのだ。ボールもネットインしたもののその場にいた全員が笑ってしまい試合は中断された。結局僕等のチームは試合を続ける事を断念した。ラケットは貸してくれると皆はいうが割ってしまう危険性が非常に高いしあの娘と組む限り僕は正常でいられない。あの娘は他のチームのスケットとして僕は審判として残りの試合に参加した。

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作:Grecoviche

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